SOUND QUALITY エネルギーに満ちた、音源の魅力を引き出す音。caosのバッテリーとしての高い能力を感じさせる、高音質が魅力。 黛 健司 MAYUZUMI KENJI オーディオ専門誌「ステレオサウンド」、日本初のカーオーディオ専門誌「オートサウンド」元編集長。現在はフリーランスとして執筆活動を行っている。

黛 健司 MAYUZUMI KENJI
オーディオ専門誌「ステレオサウンド」、日本初のカーオーディオ専門誌「オートサウンド」元編集長。現在はフリーランスとして執筆活動を行っている。

40年ものキャリアを持つ“カーオーディオ”のプロが、カオスの生み出す高音質サウンドを解説。
カオスの品質の高さが、音の品質とどう関係するのか?
自身もカオスユーザーであることから、情熱的に語ってくれた。

これまでにない進化を聴かせたcaosを語る
「18年パナソニックcaosバッテリーこそがハイエンド再生を実現させる」

Auto Sound Web

<黛×和田 対談>

黛 健司

カーオーディオジャーナリスト。
日本初のカーオーディオ専門誌オートサウンド(1989年創刊)の初代編集長。
現在はオーディオ評論家としてステレオサウンド誌でも執筆するほか、当サイトの年時企画であるオートサウンドウェブグランプリの選考メンバーを務める。

ASW:パナソニックの2018年モデルブルーバッテリーcaosのアイドリングストップ車用をお聴きいただきました。今回お聴きいただいたのはSサイズで、これまでオートサウンドウェブの試聴取材で使用してきたcaos標準車用のD26と同等の大きさのものです。比較用として、試聴取材のリファレンス機であるcaos標準車用と他社のカーバッテリー2種類(国産品、海外ブランド品)も聴いていただいています。お聴きいただいた音の印象をうかがわせてください。

:caosのバッテリーは、ここ数年新製品が出るたびに、聴かせてもらっています。2016年のモデルチェンジの際には、バリエーションモデルを聴いたりもしました。標準車用はもちろん、アイドリングストップ車用、ハイブリッド車用、輸入車用とさまざまなcaosを聴いてきているわけですが、今回18年モデルのcaosアイドリングストップ車用を聴いてみて感じたのは、caosの開発の主軸がアイドリング車用に完全に移ったのだろうなということです。

 標準車用というのは、これからも作っていくのだと思いますが、いまや、あるクラス以上のクルマにはアイドリングストップが採用されてきていますし、あるいはハイブリッド……その中にはプラグインタイプなども増えてきています。さらにはEVなども出てきている。カーバッテリーに要求されるものが、caosが初めて登場した12年前と比べると変わってきています。

 試聴を始める前に、パナソニックカーバッテリーのかたから新しいcaosアイドリングストップ車用の説明を受けましたが、それを聞いても従来のものとはだいぶ開発の注力……とでも言うところが変わってきたなという印象を受けました。バッテリーとしてのクォリティや性能を上げていくというのは、メーカーとすれば従来と同じようにしてらっしゃるのかもしれないけれど、アイドリングストップ車への対応というのが、今まで以上に重要視されているんですね。その結果が音にも相当影響を与えているのでしょう。

 これまでのcaos標準車用の進化というのは、常に同一線上に音の向上が感じられたんですが、今年のcaosアイドリングストップ車用はこれまでとは全然別のもの……人でいえば別の言葉をしゃべる人になったような……違いがありました。同じcaosを名乗っているのですが、僕の感覚では今までのcaosとは別世界を実現しているなと感じました。

和田 博巳

ステレオサウンド社の多くの雑誌で執筆をするオーディオビジュアル評論家。
元はちみつぱいのベーシスト/音楽ディレクターとしてのキャリアももつ。
カーオーディオは、パイオニアカーオーディオコンテストやハイエンドカーオーディオコンテストの審査員を務めるなかで多くのクルマの音を聴いてきた経験の持ち主。

ASW:和田先生はいかがでしたか? 和田先生はこうしてカーオーディオを試聴室で聴くというのはもちろん、電源のバッテリーの聴き比べをされるというのは初めての体験だったわけですが、どうお感じになられましたか?

和田:そう、僕は黛さんと違ってカーバッテリーの音の違いを確かめるというのは初めてでした。ピュアオーディオやホームオーディオと呼ばれる世界でも電源は非常に重要だと言われています。一般的には家庭内のコンセントをホスピタルグレードにする、あるいはそこから引いてきた電源タップを高級なものにするというアプローチが多いですね。電源タップといっても1~2万円のものから何十万円というものまでひじょうにたくさんありますので、その中から自分のシステムに合わせてコーディネイトするわけです。でも、今回聴いたのは純粋に電源そのものですよね。バッテリーが変わることで音がどれほど変わるのか、とても興味深くこの取材に参加したわけです。

 オートサウンドウェブでは、雑誌オートサウンドの時代からバッテリーの試聴はやってきていたんですね。編集部に聞いたところによれば、caosの物理的な特長のひとつとして容量が大きいというのがあった。他社製品でも大容量化が進んだ時期があって、そのメリットとして瞬時のエネルギー供給能力が上がって低音の力強さは増して聴けたけれど、音質が向上するかというと決してそういうものではなかったという。でも、今日は大容量化にともなう力強さだけじゃなくて、いわゆる透明感……トランスペアレント……で、ハイレゾリューションで、『こんなに音がよくて良いのかな』と、まるでカーナビの内蔵パワーアンプを外部の高級パワーアンプに換えたような、そういう変化が感じられて、想像以上の変化に驚いてます。

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