ガーシュウィン パリのアメリカ人

楽曲解説

ガーシュウィン パリのアメリカ人

鮮やかな黄色の絨毯。春の到来を告げる菜の花畑は、毎年のことながら目に鮮やかでウキウキした気分にさせてくれます。こんな風景を眺めながらドライブするのは、この季節ならではの至福の時間ですね。

ここでのBGMには、この曲がぴったりです。ガーシュウィン作曲の、パリのアメリカ人です。

憧れのパリにやってきてご機嫌なアメリカ人の心情を綴った曲は、心浮き立つリズムとメロディに彩られていて、まさにこの季節のドライブにぴったりですよね。曲そのものもカラフルで、長さを感じさせないダイナミックな構成で楽しませてくれます。

アメリカの音楽史上最も重要な作曲家であるガーシュウィンは、憧れのパリを訪れた時にこの曲を作っています。彼の代表作である「ラプソディ・イン・ブルー」は、もともとジャズの作曲家であった彼が初めてオーケストラのために作った曲だったのですが、その時は「グランド・キャニオン」で知られる作曲家グローフェにオーケストラ用の編曲をしてもらいました。その成功を受けて、彼は自分でオーケストラ曲を作りたいと思ったのでした。パリを訪れた目的は、当時の最先端の作曲家ラヴェルに弟子入りすることだったと言われています。残念ながら断られたらしいのですが、結果的にはちゃんとガーシュウィン自身が編曲しています。意欲的な編曲は、オーケストラの魅力を引き出す傑作になっています。

爽やかな曲に乗せて、ドライブを続けましょう。