Creative! Story | 冷蔵庫 × 綾瀬はるかさん

大きくしないで広くする。それは矛盾との闘い。

写真:垣内 翔太、上野 理、中尾 真梨子、堀井 愼一、渡邉 匡彦

写真左から
冷蔵庫事業部 商品開発部 冷却設計課 冷却設計第一係 垣内 翔太
冷蔵庫事業部 商品開発部 機構設計第一課 上野 理
冷蔵庫事業部 商品開発部 機構設計第一課 機構設計第一係 中尾 真梨子
技術本部 エアコン・コールドチェーン開発センター 開発第二部 第二課 堀井 愼一
冷蔵庫事業部 商品開発部 機構設計第一課 機構設計第一係 渡邉 匡彦

(社員所属はアプライアンス社)

長年取り組んできた目標を叶えるために。

上野:冷蔵庫はサイドや背面を1mm薄くすると容量が1Lアップすると言われており、「寸法は小さく、庫内は大きく」という矛盾は、長年取り組んできた課題であり、目標です。

堀井:今回の開発では、先輩たちから受け継がれた過去の失敗や経験など、蓄積されたノウハウや基準、技術力へ、現在の新たな技術を融合することで、この矛盾を両立させることができました。…これまでの基準から外れた開発もあり、周りに納得してもらうのが大変でしたが、今まででいちばん思い入れのある商品です。

写真:左から、初号機、新製品、2004年モデル

収納力と使い勝手の良さを両立。

上野:13年前と新製品の野菜室にピンポン玉を入れてみると、収納できる数に倍以上の差が生まれます。

中尾:容量が増えた秘密は2つ。1つは、独自の「トップユニット」という技術です。冷蔵庫には、コンプレッサーと呼ばれる冷媒を循環させる心臓のような役割を果たす装置があります。

上野:かつて、下の引き出し奥に置かれていたコンプレッサーは、せっかくの使いやすいスペースを狭くする原因でした。また最上段の奥のスペースは、物を取り出しづらく、使いにくいスペースとなっていました。

中尾:そこで、コンプレッサーを手が届きにくい最上段の奥に設置することで、ちょうど良い奥行きとし、さらに使い勝手の良い下のスペースの収納力も同時にアップさせることができたのです。

トップユニット非搭載:コンプレッサーが下の引き出し奥に搭載 / トップユニット搭載:コンプレッサーを最上段の奥に搭載

課題は、薄くて強いという2段階のハードル。

垣内:もう1つの秘密は、断熱壁の薄壁化です。壁を薄くすると容量は増えますが、省エネ性能や強度は落ちてしまいます。そこを落とさず、かつ強度も高めるという2段階のハードルがありました。

堀井:強度については、荷重が加わった時、最も変化が大きい脚周りを重点的に強化することで、現行以上の強度を確保することに成功しました。
次の課題は、放熱のための通気空間の確保です。薄壁化により背面の通気空間がなくなってしまったため、上部のコンプレッサー周りに、どう効果的に風を流して放熱を促すかが開発のポイントになりました。そこで、トップユニットの天面の空間を活用して風の循環を促す新設計を開発し、この問題を解決しました。

写真:大幅な薄型化を実現

立ちはだかる「薄い」壁。

堀井:大容量化実現のための最後の大きな課題が、ウレタン充填性の確保です。
断熱材であるウレタンは、液状で注入するとすぐ泡状に変化しながら冷蔵庫全体を覆い、固まります。
冷蔵室の薄くした壁厚のなかで、いかに庫内側へ凸凹を出さずにウレタンを流すかが、大きな課題でした。
昔から「ウレタン発泡は生き物」と言われるぐらい予測不可能なもので、ちょっとした形状や温度差でいろんな変化が起こります。
本試作には1台1000万円もかかりますので何度もつくるわけにはいかず、部分的な疑似冷蔵庫をつくり、試行錯誤しながらいろいろな手段を探っていきました。
最終的にはトレイ受け部にウレタンの流路を設けることで、ウレタン充填性の確保を実現しました。

写真:ウレタン流路の検証

困難の先に、お客様の喜びがあると信じて。

堀井:新しい冷蔵庫の開発は、企画段階から難しいことばかりでしたが、実現できればお客様に絶対に喜んでいただける商品になる。だから、絶対に実現してやろうと、つねに思い続け開発してきました。

垣内:これから目指す冷蔵庫は、省エネを進めて、最終的にはゼロエネルギーにまでいけたらいいなと思います。

渡邊:冷蔵庫の前で悩むことをなくしたいですね。中を自動で整理してくれるとか。

上野:人のことを考えてつくる、だから良いものができる。これからもお客様の使いやすさをつねに意識してやっていきます。

写真:垣内、上野、中尾、堀井、渡邉
冷蔵庫 NR-F603HPX

冷蔵庫

NR-F603HPX