Creative! Story | ロティサリーグリル&スモーク × 遠藤憲一さん

「コレはないわ」が、開発魂に火をつけた。

写真:石毛 伸吾、桐石 卓

写真左から
商品企画 石毛 伸吾
開発 桐石 卓

オリジナリティがなければ、つくらない。

石毛:今回私たちが開発したのは、新ジャンルの調理家電です。その名も「ロティサリーグリル&スモーク」。かたまり肉を360°回転させながらじっくり均一に加熱する調理法で、柔らかな食感、ジューシーなおいしさをご提案する1号機です。実はここにたどり着くまで足かけ4年。技術開発検討をはじめた頃は、コンベクションオーブンの最上位機種を目指し進んでいました。でも、ちょっと待てと。あまり特徴的でない商品を世に出しても意味がないし、面白くない。そんな意見も出て中断した時期がありました。開発テーマを新たに探るべく振り出しに戻ったんですね。

桐石:もっとオリジナリティやインパクトが出せる開発ができないかって。商品企画メンバーと一緒にアイディアを持ち寄っては検討会議を重ねていたんですが、あるとき、僕が出した回転調理の案に注目が集まったんです。

写真:石毛

無理だと思ったコトが、開発のスタートライン。

桐石:実は、海外の旅先で出会った調理法がアイディアの素なんです。私は年に3〜4回食文化探訪の旅に出かけるんですが、これまでの訪問先は23ヶ国。お国柄豊かな食に触れる中、最も衝撃的だったのが、スペインの街角で見た丸鶏の回転焼きでした。こんな調理がご家庭でもできないものか、とずっと思い続けていたんです。

石毛:レンジくらいの庫内で串刺しの丸鶏をグルグル焼いてるのを、最初の試作で見せられまして。豪快で面白くて、社内でも今までの実演にはない盛り上がりようでした。私自身、かなり衝撃を受けましたね。回転調理を研ぎ澄ませていけば面白い商品になる!と直感したのを覚えています。でも簡単に開発を認めてもらえるワケにはいかなかったんです。

桐石:「日本のご家庭で誰がやるの?」「コレはないわ」そんなネガティブな意見が飛び交いました。クリスマスだって丸鶏を焼く習慣はないだろって。

石毛:ただ、今までの調理家電にはないインパクトを与えられるのは確か。無理だとあきらめる気持ちより、なんとしても実現したい、という情熱の方が強かったですね。だから、日本市場で受け入れられるにはどうすべきか、回転調理ご提案の意味を見出すために、ご家庭調査を重ねました。

写真:桐石

お客様の声が、新商品開発のエールになった。

石毛:ご家庭でよくつくるかたまり肉メニューとして挙げられたのが、焼き豚やローストビーフ。ところが、焼き過ぎ、焼きムラなど、調理の難しさを感じている方が多いことがわかりました。また“ギャザリング”に興味を持たれている反面、ご家庭で叶えられていない実態にも開発の立場として着目。かたまり肉を手軽においしく焼き上げ、おもてなしシーンの主役になれる回転調理を目指し、機構から徹底的に検討を重ねることにしたんです。

桐石:当初はシンプルに串刺しで焼くことを考えていましたが、お客様の使い勝手や、衛生上の懸念もあり断念。さまざまな試作を繰り返し、かごに肉を入れ回転させる方法にたどり着きました。安全で使いやすい形状にするまで、かなり神経を使いましたね。

*アットホームでカジュアルな集まり。

写真:遠近赤外線ダブル加熱、360°回転のイメージ図

日本の食生活に応える、一台4役のハードル。

桐石:今まで経験したことのないモノづくりへの挑戦でしたが、中でも、いかにおいしく焼けるかが、大きな課題でした。毎日、牛、鶏、豚のさまざまな部位を焼いては試食して、労力も食材費も、めっちゃかかりましたね。

石毛:検証を続ける中で、近火と遠火の繰り返しでゆっくり焼く回転調理は、 肉のジューシーさや柔らかさにつながっていることが実証でき、我々の自信は高まっていきました。でも日本のご家庭で使ってもらうことを考えると、回転調理だけでは終われません。ピザやトーストも焼けて燻製もできる、さまざまな調理をこなす一台4役の課題も克服して、やっと商品化です。当然、機構は複雑になってしまいます。4つの商品を一つずつ開発する方がはるかにラク。各々の機能をバランス良く一つにまとめる技術的なハードルは高く、幾度も空中分解しそうになりましたね(笑) 。

写真:肉

写真:たまご、ハム

写真:ピザ

写真:トースト

次は、世界で戦えるメイド・イン・ジャパン。

石毛:スケジュール的にも厳しく、各機能の担当者同士、ぶつかり合いもありました。でもこの商品が世に出たら、確実に新しい食スタイルをご提案できる。それを目指し、通常の開発の3倍ものマンパワーで乗り越えてきたんです。みんなが誇れる1号機になったのではないでしょうか。

桐石:入社7年目の僕にとっては、デビュー作なんです。「お客様第一」で商品化に貢献できたことがうれしくて。今後も熱流体系という得意分野を生かし、お客様の笑顔をつくるおいしさを追求し続けていきたいと思います。

石毛:かなり気が早いと思われるかもしれませんが、日本市場で成功事例をつくり、次は欧州やアメリカなど肉食が本場の国々で勝負していきたいという野望があります。調理家電ブランドとしてはあまり認知されていない環境で、厳しい戦いになることは百も承知ですが、メイド・イン・ジャパンのモノづくりで、世界のより多くの方々に、おいしい満足を広げる挑戦をしていきたいですね。

写真:石毛、桐石
ロティサリーグリル&スモーク NB-RDX100

ロティサリーグリル&スモーク

NB-RDX100