Beautiful JAPAN towards 2020

福島県:あづま総合運動公園

Beautiful JAPAN towards 2020

福島県:あづま総合運動公園

Beautiful JAPAN towards 2020

練習でミスを重ねたぶんだけ
美しい演技に近づく

高く垂直にあがった手具を動きのなかでキャッチする。しかし落としてしまう。技の美しさを競う新体操にとってミスは致命的だ。それでもリスクを覚悟で難易度の高い技にいどむ。だからこそ新体操の最高の演技は、奇跡のような美しさをもつ。

福島新体操クラブのコーチ・水戸眞由子さんは、新体操を「忍耐・我慢」のスポーツととらえる。奇跡を可能にするには日々の練習しかない。

中学3年生(2014年当時)の柿崎真子さんもまた、日々の練習でミスをする。投げたロープが取れない。そんなとき水戸さんはこう伝える。
「ロープを投げたのはあなたでしょ。ロープに気持ちを入れているのはあなたでしょ」

「満足のできない演技がつづくとつらい」と柿崎さんは語る。「でも先生や先輩にアドバイスをもらって、そこを何度もやって、一日に一回は、ノーミスの演技ができるようにしています。それができたときは、すごくうれしいです」

これまで数多くの子どもたちを指導してきた水戸さんには確信がある。
「真子みたいに人としゃべるのが苦手な子は、手具とおしゃべりができるんです」

いっぽう小学6年生(2014年当時)の赤羽拓海さんは、福島新体操クラブの数少ない男子選手のひとり。オリンピックの新体操競技には、団体と個人の2種目がある。しかしいずれも女子種目のみ。それでも赤羽さんは新体操が楽しくて練習に通う。

「3年生の時はやめたいなと思っていたけれど、自分で始めたことだから、がんばろうと思いました。失敗してもいいから最後までやりとおす。観ている人が感動するような演技がしたいです」

コーチの水戸章さんも「拓海はマイペースだけど急にスイッチが入る。うちに秘めているものがすごい」と感心する。

夕焼けの猪苗代湖畔で静かに演技を披露する赤羽さん。その姿は、冬の訪れとともに湖に飛来する白鳥のようにしなやかで美しい。

撮影年月:2014年3月