Beautiful JAPAN towards 2020

岩手県:盛岡市

Beautiful JAPAN towards 2020

スポーツクライミングの新星は
盛岡のユニークなジムから生まれた

高さ5メートルの壁に固定された無数のホールド(突起)。そこから正確なルートを見極め、クライマーは手と足で壁に取りついて全身を連動させて登っていく。

日本でも人気が高まっている「ボルダリング」。それに「リード」と「スピード」を加えた複合種目のスポーツクライミングが、東京2020オリンピックの正式種目に決定した。

伊藤ふたばさん

岩手県盛岡市。伊藤ふたばさんが父親の影響でスポーツクライミングを始めたのが小学3年生のとき。以来、中学生となった現在にいたるまで、「クライミングのことしか考えていません(笑)」と語るほど、その魅力にはまっている。

「(身体の)柔軟性を活かして、どんどん足を上げていく」

それがふたばさんのクライミングスタイル。ホールドにかかとを引っ掛ける「ヒールフック」を駆使して軽やかに登っていく。その実力は「ボルダリング」と「リード」の両方で世界トップレベルに近づきつつある。

専属のコーチを持たず、自分で課題を見つけて取り組む毎日。そんなふたばさんが「CHOKUさん」と呼んで、全幅の信頼を置いているのが吉田直(なおき)さんだ。

吉田直さん

「僕がしているのは、彼女がクライミングを初めた頃に持っていた楽しい感覚を、いつでも味わうことができる場所を準備してあげること」

盛岡市内でボルダリングジムのオーナーをつとめる吉田さんは、レコードショップのオーナーから転身した異色のキャリアの持ち主。「音楽とクライミングの融合」をモットーとするジムは、吉田さんの人柄そのままの和気あいあいとした雰囲気があふれている。

「僕が子供の頃は、スポーツといえば子供同士が学校の中でやるものだったけれど、クライミングでは大人も子供も関係なくコミュニケーションがとれて人間力も育まれる。未来は明るいかな(笑)」

ふたばさんもまた「CHOKUさんがいなかったら、私はここまで強くなっていなかった」と言い切る。

「あまり知られていませんが、日本のレベルはむちゃくちゃ高いです。2020年はメダルの可能性も高いんじゃないですか」

そんな吉田さんの言葉に、表彰台に立つ伊藤ふたばさんのイメージが重なる。

撮影年月:2016年10〜12月