Beautiful JAPAN towards 2020

神奈川県:逗子海岸

Beautiful JAPAN towards 2020

神奈川県:逗子海岸

Beautiful JAPAN towards 2020

少年たちのヨットは湘南の風にのって
2020年東京オリンピックを目指す

「子どもたちが手づくりでヨットを制作する。それを使って海に出る」

そんな授業を、「海洋教育」としておこなっている学校がある。

逗子開成中学校。施設内から国道下のトンネルをぬけると、そこはもう砂浜。海はもうひとつの校庭だ。すぐ近くの葉山港は、日本におけるヨット発祥の地。この学校にヨット部があるのは当然のこと。

「ヨット部があるから、この学校を選んだ」そんな生徒も珍しくない。
センターボードで水を受け止め 、帆を引っ張る。帆走―前進する力がヨットに生まれる。

「水の上をバババッとかっ飛ぶ感覚があって」
「めっちゃくちゃ楽しいです」
言葉にならない世界を知る彼らの顔は、どこか誇らしげだ。

ヨット部顧問の吉田邦明さんは語る。
「見えない風に気づくことが大事なんです」

風波がたつと海の色が濃くなる。ヨットを走らせるには、その濃色の海面を見極め、コース取りしなければならない。

国見有(あり)さんと磯村麟之介さんは、そんな吉田さんが、「風の変化を読む力がある」と評価するふたり。しかし帆走のスタイルは対照的だ。

「有は運動神経がいいし、発想力がある」と磯村さんが認めれば、国見さんも「ヨットが傾いてもキツい体勢のままでいられる。忍耐力が強い」と磯村さんに一目置く。春からはコンビで、2人乗りのヨットも始めた。

2020年東京オリンピック。ヨットは「セーリング競技」として細かく種目分けされる。会場は同じ湘南エリアの目と鼻の先、江ノ島。逗子開成中学にとってはホームタウンも同然だ。こんな機会は二度とない。

ヨット部メンバーの中にも、オリンピック出場を意識している生徒は少なからずいる。

「気持だけならあります」と控え目に語る国見さんもそのひとり。
「有には技術がある。俺は絶対に体力で負けたくない。ふたりが力を合わせたら…」
磯村さんは2人乗りヨットでの出場をイメージする。

少年が抱く2020年東京オリンピックの夢。その奥底には、確かな自信が、ほんのわずかにのぞいていた。

撮影年月:2015年4月