Beautiful JAPAN towards 2020

熊本県:御興来海岸

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あこがれのオリンピック選手に学ぶ幸せ
あこがれのオリンピック選手を超える使命

先生はオリンピック選手だった。

2000年シドニーオリンピック。現在、熊本武道館本部道場の師範である樋口清輝さんは、テコンドー男子の日本代表選手として出場した。結果は1回戦敗退。しかし、その試合のビデオを見た阿蘇の少年が、テコンドーをはじめた。そして少年は、樋口さんの門をたたいた。

「足だけで相手と戦うのがカッコイイ。ぼくもやろうと思いました」

森永修斗さん。あこがれのオリンピック選手は、いま自分がかよう道場の先生として、いっしょに組み手をしている。しかし最初の出会いはそれよりも前。現役時代の樋口さんが、子どもたちと練習をしたとき、そのなかに森永さんもいた。

「ひとりだけズバ抜けて上手な子がいて、それが修斗でした。とにかく負けず嫌いで、相手が先輩でも後輩でも容赦しない。自分の実力を120パーセント出すつもりで稽古している姿が印象的でした」

現在、森永さんは道場に通うため、阿蘇から熊本市内まで、片道1時間半の道のりを往復している。車の送り迎えは父 英治さんの役目。

「本人が樋口先生のところでやりたいということですので。やはり先生は世界を体験されている方ですし、修斗がいちばん尊敬する人でもありますから。それに私も、送迎が苦にならないくらいに、テコンドーが好きなんです」

負けん気の強さと、たぐいまれな才能をもち、理想的な環境のなかで稽古に打ち込む森永さん。しかし樋口さんは、そんな彼にあえて苦言をていする。

「修斗にはもっと高いところを目指してほしい」

樋口さんにとっての「もっと高いところ」。それはオリンピックに出場するだけでなく、オリンピックで勝つこと、そして勝ちつづけること。そのことは、本人もよくわかっている。

「オリンピックに出たら、金メダルをとらないといけない。樋口先生を超えるのも、当たり前かなと思っています」

その日のために、森永さんは、今日も技を磨き、心を鍛える。阿蘇山のふもと、どこまでも広がる島原の海が、そんな森永さんを、いつまでも見まもる。

撮影年月:2015年1月