100年の歴史を持つコーヒー商社が協力 世界中のコーヒー豆を厳選してお届け 100年の歴史を持つコーヒー商社が協力 世界中のコーヒー豆を厳選してお届け

100年の歴史を持つコーヒー商社が協力

世界中のコーヒー豆を厳選してお届け

石光商事は元々アメリカで創業、のちに日本でコーヒー専門商社となる。世界を大きく4エリアに分けコーヒー豆の買い付けを独自に行い、コーヒーロースターに卸している。専門商社だからこそ、品質の高いコーヒー豆を提供できるのだ。

世界中の生産地を訪れて信頼関係を構築していく

世界中で生産されるコーヒー豆から、36種類を厳選して毎月お届けする、『The Roast』。焙煎機そのものは、家電メーカーであるパナソニックが手がけるが、コーヒー豆の提供に関してはノウハウはない。そこでその部分で協力しているのが、主にコーヒー豆の輸入を手がけている石光商事だ。
 「弊社はコーヒー豆を中心に輸出入を行っている商社です。コーヒー豆に関しては、中米、南米、アジア、アフリカの4エリアに分けて、それぞれに複数のエリア担当を配置。担当が年に数回、各エリアの生産地を実際に回って、コーヒー豆の生産状況などを見ながら仕入れを行っています」(荒川氏)
 コーヒー豆の仕入れにはいくつかの方法がある。例えば各地で生産された豆をオークション形式で買い付ける方法、現地の会社から購入する方法だ。しかし、石光商事は直接農園まで赴き、コーヒー農家の方々と人間関係を築きながら、生産されたコーヒー豆を買い付けるという昔ながらの方法にこだわっているという。
 「オークションなどで、そのときだけ美味しいコーヒー豆を買うことはできます。でも私たちが大事にしているのは、今年だけでなく、来年も、再来年も美味しいコーヒー豆を購入すること。だから、そのために焙煎済みでパッケージに入ったコーヒーを現地に持っていって、『去年の豆でこんなコーヒーに仕上がったよ』と現地の方々とやりとりをしながら、一緒に品質向上を目指して関係作りしているんです」(鈴木氏)
 言うのは簡単だが、鈴木氏が担当しているアフリカエリアでは空港に着いてから約8時間、トイレもなく舗装もされていない道を車で走り続けてコーヒー農園にたどり着くという。そして、現地は電気も通らない高地の農園だ。年に二回、そうやってアフリカ各国の農園を回って、信頼関係を構築しながら、生産者と一緒に美味しいコーヒー豆を作り出しているという。

カップテスト

産地から届いたコーヒー豆をカップテストでチェック。風味や味わい、香りなどを複数の有資格者が厳しく確認している。

カップテスト

カップテストは4人で行い、大きな誤差を確認する形で行うという。

カップテスト

コーヒーを決まった方法で抽出し、少しずつ口に含んで基準との差をチェックしていく。

カップテスト

香りなどを確認。スペシャルティコーヒーの専門家だからできることだ。

検査機器

石光商事の品質管理部門には多くの検査機器を用意。コーヒー豆に含まれる残留薬品を調べたり、香りの成分もチェックできる。

検査機器

コーヒー豆の熟度を調べるために含まれるクロロゲン酸をチェック。

検査機器

コーヒーに含まれる数百の香り成分をチェックできる機器。

検査機器

コーヒーに含まれる残留農薬などを検査する機器も用意。

焙煎を通してコーヒーの魅力がさらに広がって欲しい

 石光商事のエリア担当が世界中から集めてきた厳選のコーヒー豆が、『The Roast』の利用者に毎月届けられる。
 「産地はもちろんですが、社内の研究開発室、品質管理担当、営業担当が4者一体となってコーヒー豆の味を作りあげています。まずは生豆に接するところから楽しんで欲しいですね。大きい豆、小さい豆、形の変わった豆などいろいろあります。そういう部分を知ると、もっとコーヒーを楽しめると思っています」(荒川氏)
 実際、個人で焙煎に挑戦しようと思っても、品質のよい生豆を入手することが難しい。しかし、『The Roast』なら、石光商事が厳選した良質な生豆を届けてくれる。
 「焙煎はいわば料理。料理が下手だと生産者がせっかく作ってくれたコーヒー豆の味が台無しになります。しかし、専用のプロファイルできちんと焙煎できる 『The Roast』なら、豆や、焙煎度合いによる違いを楽しめるはずです」(荒川氏)
 そして、『The Roast』では毎月3種類の豆をお届けする。このセレクトも、パナソニック、石光商事、そして焙煎士の後藤氏の3者で行った。それは36の部屋をひとつひとつ、埋めていく作業だったという。
「まるでパズルのようでした。旬というキーワードだけだと、うまく収まらない月がありますし、2カ月同じような味が続いても楽しんでもらえません。今回は産地の豆の情報を伝えるジャーニーペーパーも用意する予定です。だからこそ、毎月異なる産地の生豆を用意することで、いろんな国に旅して欲しい。今月はコスタリカか!と喜んでもらえたら嬉しいですね」(荒川氏)
 『The Roast』本体と一緒に届くスタートキットには、荒川氏が担当する大人しく飲みやすいブラジルと、鈴木氏が担当する個性豊かで派手な味わいのエチオピアが付属する。これらを入り口に、生豆との出会い、そして焙煎の面白さを味わって欲しいそうだ。

※「デジモノステーション2017年5月号」より転載