映画とコーヒーの共通点は?「金曜日のコーヒー学校」レポート

少し外を出歩けば、じっとりと背中が汗ばむ季節になりました。去る7月28日に開催された「一日だけの焙煎体験・金曜日のコーヒー学校」は、そんな夏の暑さに疲れた体を癒してくれるようなイベントとなりました。

映画とコーヒーの共通点は?「金曜日のコーヒー学校」レポート

「一日だけの焙煎体験・金曜日のコーヒー学校」は、コーヒーの自家焙煎の楽しみを知ることができるというもの。コーヒーの焙煎を自宅で手軽に行えるパナソニックのスマートコーヒー焙煎機「The Roast」を使って焙煎を体験しながら、豆や焙煎の違いによるコーヒーの世界の広がりを学びます。

一杯のコーヒーができるまでの物語

一杯のコーヒーができるまでの物語

今回も東京・代官山のTENOHA代官山「& Style Restaurant」には多くのコーヒー好きの生徒のみなさんが集まりました。“教室”の中に入ると、焙煎機「The Roast」やコーヒー豆、手挽きのミルといった教材がずらりと並びます。

また、素敵な音楽で会場に彩りを添えるのは、 テクニクスのオールインワン・プレミアム・オーディオシステムOTTAVA (オッターヴァ) SC-C500。コンパクトに設置することができるので会場の雰囲気にもぴったり。上質な音楽空間を演出していました。

今回も講師として登壇したのは、「金曜日のコーヒー学校」の“校長”でもある焙煎士・後藤直紀さん。「The Roast」ナビゲーターの浦はつみさんのナビゲートのもと、座学からスタートです。

一杯のコーヒーができるまでの物語

「The Roast」は単なるコーヒー豆の焙煎機であるだけではなく、生豆や原産地の文化といった「物語を届ける」というコンセプトが込められています。まず後藤さんからは、コーヒーチェリーから一杯のコーヒーができるまでのプロセスがレクチャーされました。

「みなさんに馴染みがあるのは焙煎された豆、もしくは豆を挽いた粉の状態のコーヒーでしょうから、コーヒーチェリーや生豆をご覧になったことのある人は少ないかもしれません。しかし、コーヒーチェリー、生豆、焙煎された豆、挽かれた豆と、どれか一つの段階ででも品質が落ちると、コーヒーの味は変わってきてしまいます。コーヒーはとても繊細なものなんです」(後藤さん)

一杯のコーヒーができるまでの物語

後藤さんからは深煎りや浅煎りといった焙煎の違いによる味の変化のほか、後藤さんがプロデュースする「The Roast」の豆ごとのプロファイルなどについても教えていただきました。

この日参加していたAさん(40)は、数々のコーヒーにまつわるお話のうち、豆の鮮度についての知識に目から鱗が落ちたと言います。

「普段から自宅でコーヒーを飲むのが日課なのですが、豆は時間を置くとやはり味が悪くなってしまうのが悩みだったのですが、いつ頃までが飲みごろなのか分からず、時には古いコーヒーを飲み続けてしまうこともありました。ですが今回先生から『コーヒーは1ヶ月以内には飲み切りましょう』と、具体的なアドバイスを教えていただいたので、早速目安にしたいです」(Aさん)

豆を焼く香りに包まれて

豆を焼く香りに包まれて

続いてはお待ちかねの「The Roast」を使った焙煎体験へ。今回用意された生豆はブラジルとエチオピア産のもので、グループ毎に好みの豆と、深煎り・浅煎りの焙煎度合いをチョイスします。生豆と焙煎度合いを選んだら、あとはスマートフォンの専用アプリを使って、後藤さんが作ったプロファイルを基に「The Roast」が焙煎をスタートしてくれます。

会場のあちこちからは豆を焼く香りが立ち込め、「良い香り!」と生徒の皆さんのテンションも急上昇!

豆を焼く香りに包まれて

参加者のAさん(46)も「最初はオーブンでお菓子を焼いているような香りがしましたが、徐々に豆を焼いている香りに変わって、まるでコーヒーのお店にいるみたいでした。良い香りに包まれると、なんだかワクワクしますね」と笑顔で話してくださいました。

後藤さん直伝! 美味しくドリップするコツ

後藤さん直伝! 美味しくドリップするコツ

続いては後藤さんによるミルでの豆挽きと、ドリップのデモンストレーションを実施。ここでしか知ることのできない、プロの焙煎士によるドリップのコツを教えていただきました。

「コーヒーの美味しい成分はドリップの序盤で抽出されます。その旨味成分をどれだけ上手に出せるかがドリップの肝。けれど、最初からドバドバとお湯を注いでしまうと、コーヒーの粉の層をお湯が通り抜けて、旨味が抽出されません。大切なことは、最初はゆっくりとお湯を注いであげること。そのあとスピーディにドリップしていきましょう。そうすることで、後半に流れ出る雑味もできるだけ少なくすることができます」(後藤さん)

後藤さん直伝! 美味しくドリップするコツ

先生のデモンストレーションを見た後は、早速先ほど焙煎した豆を挽いて、ドリップに挑戦。Sさん(46)も、ポットを片手に慎重にドリップ体験にチャレンジしました。

「コーヒーのドリップは日常的にやっているのですが、先生からレクチャーを受けて、これまで自分のドリップでは上手にコーヒーの美味しさを引き出してあげられていなかったんだ、と思いました。特に先生に教えていただいた『お湯は粉の真ん中にだけかけるだけでOK』という知識にビックリ。もったいないと思ってフィルターのふちまでお湯をかけていたのですが、逆にふちに浮かんだエグみもいっしょに抽出してしまっていたんですね」(Sさん)

後藤さん直伝! 美味しくドリップするコツ

Sさんをはじめ、自分の手で丁寧にドリップしたコーヒーに皆さん「おいしい!」と大満足。ドルチェとのペアリングも楽しみながら、どんなスイーツにどのコーヒーがマッチするか、オリジナルのテキストにメモしながら、コーヒーの世界を楽しみました。

映画とコーヒーの「奥深い世界」

映画とコーヒーの「奥深い世界」

また、この日は特別ゲストとして映画ライターのよしひろまさみちさんが登場。大のコーヒー好きというよしひろさんですが、今回はよしひろさんおすすめの映画を教えていただきながら、コーヒーと映画の意外な共通点について、「奥深い世界」をテーマに後藤さんとクロストークが繰り広げられました。

「映画の世界に入ろうと思ったきっかけは、ディズニーのアニメーション『美女と野獣』との出会いでした。当時大学生だったのですが、同じ映画を見るために5回以上映画館を訪れたのは、この作品が初めて。なぜこんなに何度も足を運んだかというと、毎回同じシーンで泣いてしまうんです。その涙の理由が知りたくて、繰り返し作品を見に行きました。その経験がなかったら、映画の仕事をしようとは考えなかったと思います」(よしひろさん)

結局、『美女と野獣』は計8回も劇場で鑑賞したというよしひろさん。そんな体験もあって、「映画は追求してもしても、終わらない世界」と言います。

「食と映画はとてもよく似ているんです。というのも、どちらも味わう人、見る人の主観に依るところが大きい。全員が全員、『美味しい』と感じるものも、『面白い』と感じるものも存在しないんです。そして、その主観というのはその人の経験が影響していることが多々あると思います。映画も、昔は良さが分からなかった作品も、年を重ねて自分がいろいろな経験を積んでようやく、その面白さに気が付ける、というケースは少なくないんです」(よしひろさん)

映画とコーヒーの「奥深い世界」

よしひろさんの意見を受け、後藤さんも「コーヒーも同じなんですよ」とうなずきます。

「例えば今日のコーヒーでも、焙煎という体験をしたからこそ美味しく感じる、ということはあるかと思います。それに、今日初めて知り合った参加者の方と協力して淹れたからこそ、この味が出ているのかもしれません。この『The Roast』はボタン一つで選んだ豆にあった焙煎をしてくれる、というのが魅力ですが、例えば自分で焼いた豆とお父さんが焼いた豆、お友だちが焼いた豆では味が異なってくるかと思います。それが、コーヒーの面白いところなんです」(後藤さん)

「映画もコーヒーも、人の心とつながっている」と終始話の尽きなかったお二人。誰と、どんな気持ちで、映画を見るか、コーヒーを飲むか。無限の楽しみ方があるからこそ、どちらも私たちを魅了してやまないのかもしれません。

今回も多くの学びと発見のあった「金曜日のコーヒー学校」。あなたも、奥深いコーヒーの世界をいっしょに体験してみませんか?