ふとんケアの新常識 Q&A

画像:ダニのイメージ,テキスト:気になる質問に、ダニ博士がお答えします!画像:ダニのイメージ,テキスト:気になる質問に、ダニ博士がお答えします!

30年以上にわたってダニを研究してきた吉川翠先生に、ダニの生態や、ふとんケアのポイントを教わりました。

画像:吉川 翠先生(都市居住環境研究所)

吉川 翠先生(都市居住環境研究所)

オハイオ州立大学大学院昆虫学部修了。農学博士。東京都立衛生研究所主任研究員の経験を経て、 都市居住環境研究所へ。ダニに関する著書多数。雑誌記事の監修・TV番組等でも活躍。

※肩書き等は当時(2015年)のものです。

Q.ふとんの中には、どんなダニがいるの?

ふとんの中にいるダニのほとんどは、人のフケを好物とするチリダニです。数はふとんの種類・掃除の頻度により異なりますが、大人用綿ぶとんの場合、頻繁に天日干ししていても1万匹程度。敷きっぱなしなら70万匹程度のチリダニがいると考えられます。

<チリダニとは>

チリダニは科名で、ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニなどがこの分類に属する。日本の家屋内に生息するダニの中で、最も数が多く、人のフケやアカなどを餌にしている。人の血を吸うことはないが、アレル物質になる。成虫は体長約300μm。湿度60%以上、気温20~30℃の環境を好む。

注意しなければいけないのは、生きているチリダニだけでなく、その「フンや死がい」。チリダニは餌がたっぷりある状態だと、1日平均6個フンをします。乾燥したフンや死がいは、人の寝返りなどの衝撃で粉々になり、ふとんの中から表面に出てきます。これらは目に見えないほど小さく、「アレル物質」として、鼻や口から体内に入ってしまいます。
また、フンは成虫よりもアレル物質のタンパク分子量が大きく、人間に悪い反応を起こしやすいのも特徴。 生きているチリダニより、フンの方が、私たちの体に直接影響を与えやすいのです。

画像:女性が顕微鏡を覗いている様子

飼育ビンの中でダニを育てた場合、その中のアレル物質の約99%はフン由来のもの。
フンに注意しましょう。

Q.紫外線(UV)や熱で、ふとんのアレル物質・ダニは撃退できる?

ふとんについたダニのフンや死がいといったアレル物質は、紫外線(UV)や熱では劣化しません。ですから、天日干しだけでは撃退できません。掃除機で吸い取る必要があります。ダニのフンは水溶性なので、シーツを洗濯することも効果的です。
また、ふとんに潜む生きているダニは、50℃以上の熱で20~30分加熱しないと死にません。
ふとんを天日干ししても、温度が50℃まで上がらなかったり、ダニがふとんの裏側へ逃げたりすることがあるため、十分な対策とは言えません。
ふとんのダニを撃退して、アレル物質を減らすには、ふとん乾燥機と掃除機を併用することをおすすめします。

画像:天日干しだけでは撃退できない様子

天日干しだけでは撃退できない

画像:50℃以上で20~30分加熱しないと撃退できない様子

50℃以上で20~30分加熱しないと撃退できない

ふとんケアで、注意すべきポイントは?

ふとんには、ダニが集まりやすい場所があります。それは、枕元(ふとんの上から50cmの範囲)。枕元にはチリダニの大好物のフケがたまりやすく、そのニオイにつられてチリダニが寄ってくるのです。ふとんケアをする時は、均一に掃除機をかけるのではなく、チリダニが集まりやすい枕元を念入りに掃除しましょう。

ふとんイラスト

ふとんのダニ撃退に、おすすめの季節は?

チリダニは梅雨~9月が繁殖シーズンですので、その時期は念入りに対策をする必要があります。ですが、私が最もおすすめしているのは、チリダニの活動がにぶくなっている冬。チリダニは湿度50%以下のところでは生息できないため、空気が乾燥しがちなこの時期は数が減ります。この時期に掃除機でふとんをしっかりケアして、ダニの数をさらに減らしておけば、夏に大繁殖するリスクを減らすことができます。
また、チリダニの成虫の寿命は2~3ヶ月ですので、夏に繁殖したチリダニの死がい・排出したフンは、秋冬用のふとんに溜まってしまいます。こういった点からも、冬のふとんケアは大切なのです。

画像:吉川先生が説明している様子

冬は湿度が下がり、チリダニの動きがにぶくなる。
夏に繁殖したチリダニの死がいにも注意が必要。

吉川先生が使って実感!

紙パック式ふとん掃除機
MC-DF500G

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画像:紙パック式ふとん掃除機 MC-DF500G
画像:吉川先生が紙パック式ふとん掃除機 MC-DF500Gを試している様子

本体が軽く、裏に動きをアシストするローラーもついているので、片手でスイスイかけられますね。人の目では、ふとんが本当にキレイになっているか、いつ掃除を終えるべきかが分からないので、ハウスダスト発見センサーがあると便利。目安がわかって良いと思います。最初は赤かったランプが青くなり、吸っていることを実感できました。取り残しを防ぐのにも効果があると思います。

画像:吉川先生が紙パック式ふとん掃除機 MC-DF500Gを試している様子

紙パック式という点も良いですね。紙パック式は、吸いこんだダニやアレル物質が排気口からほぼ漏れず、ゴミ捨ての時にもアレル物質が飛び散りにくいというメリットがあります。私は昔から掃除機は紙パック派なので、こういうふとん掃除機を待っていました。