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4K HDRで
リラックス?

4K HDR映像心身の関係を
調べてみました

パナソニック株式会社
大阪市立大学 大学院生活科学研究科 共同研究

4K映像に、自然に近い明るさを表現できるハイ・ダイナミックレンジ(以下、HDR)が追加され、映像表現は新たな段階へと進化を遂げています。しかし、「HDRは眩しくて目が疲れるのでは?」といった疑問など、不明な点も多くあります。

パナソニックは大阪市立大学の大学院生活科学研究科と合同で、映像がもたらす心身への影響について、「4K HDR」と従来のスタンダード・ダイナミックレンジ(以下、SDR) を比較研究しました。

*SDRの100倍の明るさを実現した規格。
●この研究は2016年10月6日に公開されたものです。

実験

HDRとSDR、影響にどんな差がある?
テレビの映像輝度と心理・生理の関係を検証

【実験概要】
リビングを想定した実験室にて、実験参加者に映像をダイナミックモードで見比べてもらい、視聴後にアンケートとインタビューを行います(心理的評価)。視聴時は心身への影響を計測して数値化します(生理評価)。

実験参加者 20歳代の男女各4名
比較映像 4K HDR・4K SDR
使用映像機器 58v型DX950シリーズ
視聴時測定方法 NIRS(近赤外線分光法による脳機能計測)・心電図及び眼電図
測定時間・条件等 各視聴前に1〜2分間の安静、各3〜4分間の視聴

視聴したコンテンツ

夜景(イメージ)夜景
街の明かり、ネオンサイン、車のヘッドライト等

南国(イメージ)南国
太陽や空、光線の反射、波しぶき等

伝統工芸(イメージ)伝統工芸
刀鍛冶、傘張り、近景で炎が燃えあがる様子等

ジャンルの違う3つの映像で
感じ方を検証!

実験環境


テレビは最適視聴距離、照明は一般的なリビングの明るさ、室温と湿度は一定に保った状態


実際の実験風景
生理機能を計測するためにセンサーを貼り付けています。

結果

HDRとSDRでは大きく違う?
映像輝度のコントラストによって心身の活動が変化

心理評価

◆夜景
「臨場感」「迫力」「立体的」に大きな差が生じました。注目は「わずらわしくない」の評価。より現実に近いHDRの明るさは、(SDRに比較して)心理的なインパクト※2をもたらし、わずらわしさが軽減されています。
※2 心理的インパクト=「臨場感」「迫力」「立体的」「質感」「わずらわしくない」の項目

夜景等 コンテンツ

夜景コンテンツの主観的評価点夜景コンテンツの主観的評価点

◆南国
「臨場感」「リアリティ」「動的」の項目で差が見られたものの、映像全体が初めから明るいため、両者の差が少ない結果となりました。

南国等 コンテンツ

南国コンテンツの主観的評価点南国コンテンツの主観的評価点

◆伝統工芸
比較的、差が大きい結果に。刀鍛冶や近景で映し出される炎など、HDRならではの効果が大きく働いたといえます。SDRよりも「目の疲れ」が生じていますが、これは生理評価の「映像に対する集中力」と関連していることがわかりました。

刀鍛冶近景・和傘等 コンテンツ

伝統工芸コンテンツの主観的評価点伝統工芸コンテンツの主観的評価点

総評

全ての映像において、HDRはSDRよりも映像表現力に優位性が認められます。
また、HDRの「眩しい=目が疲れる」という点では、SDRとほぼ同一の評価結果となりました。

画面の中で輝度の落差が
激しい映像の方がSDRとの差を
実感しやすいようですね

生理評価

◆脳活動の変化
「夜景」の場合、HDRの酸化ヘモグロビン濃度変化※3がSDRのそれと比較して小さく、脳の活動が緩やかになっていました。「南国」の映像では両者に大きな差は見られませんでした。
※3 酸化ヘモグロビン値(NIRS[近赤外線分光法による脳機能計測]より導き出された結果

脳活動の活性化

◆ストレス度
各コンテンツのストレス度※4は、どの映像でもSDRよりもHDRの方が低くなっていることを示しています。特にHDRの「南国」は、SDRの「南国」に比較してもっともストレス度※4が低いことを表しています。
※4 交感神経活動度として計測

ストレス度

◆映像に対する集中力
各映像に対するまばたき※5の回数がSDRに比較してHDR視聴中では減少しました。ものを集中して見る時、まばたきは減少します。特に「伝統工芸」では大きく減少し、映像に対する集中力が高まっていることを示しています。
※5 瞬目率として計測

映像に対する集中力

総評

HDRでは映像の種類によっては、脳が沈静するといった興味深い結果が出ています。
また、HDRはSDRに比べてストレスが少ない状態で視聴しています。

考察

HDRはSDRに比べて
ストレスが少ない状態で視聴できます

結果をまとめると以下のようになりました。
●目の疲れ → SDRとほぼ同じ
●臨場感や迫力感などの映像表現力 → SDRよりも優れている
●ストレスなく視聴できる可能性 → SDRよりも優れている
HDRのコンテンツを見て、ぜひその効果を実感してください。

当コンテンツの内容は「Influence of high and standard dynamic ranges on physiological and psychological state during video contents viewing(コンテンツ視聴におけるHDRとSDRの違いが生理・心理状態に及ぼす影響)」(発表日:2016年10月6日)を基に構成しています。

発表当時の論文(PDF)はこちら

<研究および論文執筆者>

阪本 清美
Kiyomi
Sakamoto
学術博士
Doctor
全社CTO室 共通技術サポート部 ユニバーサルデザイン推進課
Groupwide CTO Office Technical Information Service Department
田中 豊
Yutaka
Tanaka
  全社CTO室 共通技術サポート部 ユニバーサルデザイン推進課
Groupwide CTO Office Technical Information Service Department
山下 久仁子
Kuniko
Yamashita
  大阪市立大学 大学運営本部 研究支援課
Osaka City University
岡田 明
Akira
Okada
医学博士
Doctor
大阪市立大学 大学院 生活科学研究科 教授
Graduate School of Human Life Science, Osaka City University

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