良い睡眠と空気の関係とは?

メインビジュアルです。メインビジュアルです。
人生の1/3は眠っている時間といわれています。しかし現代人は勉強や仕事に追われ、睡眠の「質」「量」ともに不十分な状態になりがち。
そこで日本睡眠改善協議会認定の「睡眠改善インストラクター」の肩書を持つ、パナソニック株式会社サービス開発部サービス企画課の菊地真由美さんに、睡眠と健康で快適な生活との関係について、話を伺いました。

1:睡眠の質が低下すると、人間はネガティブな感覚になります。

睡眠改善インストラクター 菊地真由美さんの写真です。睡眠改善インストラクター 菊地真由美さんの写真です。
ーまずは菊地さんがお持ちの「睡眠改善インストラクター」という資格について、教えていただけますか。  

多くの日本人が睡眠に関し何らかの不満や問題を抱えているといわれています。しかし、十分な睡眠時間を確保することはなかなか難しく、しかも単に睡眠時間を問題にしてもそれが解消するとは言い切れない。

睡眠時間を確保することは当然ですが、大切なのは「睡眠の質を如何にして改善するか」です。私たち「睡眠改善インストラクター」は、睡眠に関する科学的研究の成果をベースに、それぞれのライフスタイルにあった快眠を得るための方策をアドバイスする活動を行っています。

ー「睡眠改善インストラクター」になられるのは、どのような方が多いのですか。

家電メーカーや寝具メーカーの担当者といった、実務で「快眠」に関する知識を必要とする人は確かに多いのですが、一般企業のマネジメントを担当する層の方もいらっしゃいます。

特に鉄道など、大勢の命を預かる業務に従事する乗務員を管理する立場の方も多く取得されています。

菊地さんの画像です。

よい睡眠が取れているかどうかというのは、仕事の質に大きな影響を及ぼします。部下の睡眠の状態を知り、それをマネジメントすることは仕事の生産性を上げるうえで上司として非常に重要であり、マネジメント層に睡眠の専門知識を学ばせる企業もあると聞いています。

ー「睡眠の質」というのは、健康維持という観点だけでなく、仕事や勉強などの質を維持・改善するためにも大切ということですね。

そうなんです。
睡眠が起きている間のパフォーマンスに影響するというのは、一見とても当たり前のことなのですが、実はおろそかにされがち。

睡眠時間を削って仕事や勉強の時間に充ててしまっている人も多いのではないでしょうか。

菊地さんの画像です。

睡眠の質が低下すると、人間はどうしてもネガティブな感覚に陥りやすくなります。それではクリエイティブな発想は生まれてこないでしょうし、心身ともに疲労の回復が遅れますから、理解力や判断力も低下します。

ビジネスパーソンだけでなく、例えば受験生やアスリートの方なども、大事な場で実力を発揮することができなくなってしまいます。

ある調査によると、第一志望に合格した受験生の多くが睡眠の質に関して意識をしていたという結果が出ています。

またアスリートの世界でも、脳と身体の回復を図り、よい記録を生み出すために、睡眠とハイパフォーマンスの関連性についての研究が進められています。

このように、私たちの健康的な生活には睡眠が深く関わっているのは間違いありません。

勉強する学生の画像です。

2: 快適な睡眠と、就寝時・前の環境や行動の関係性を知りましょう。

ーでは実際に、どのようなことに気をつければ良い睡眠をすることができるのでしょうか。

眠りに影響を及ぼす3つの要素というものがあります。
それは「生活習慣」「寝室環境」「寝具」。

これら3つを整えることが快眠を得るための条件となります。

睡眠の三大要素の画像です。

生活習慣

中でも私が特に重要だと考えているのは、1日の生活習慣です。

人間には「体内時計」というものがあり、時計を見なくても自然と正しい生活のリズムが刻まれるようになっています。しかしそれに狂いが生じてしまうと、「起きる」「眠る」のタイミングにも影響がでてしまいます。

体内時計は、例えば日中に日光浴をする、朝起きたら胃の中に食べ物や飲み物を入れる、といった簡単な習慣でリセットすることができます。
また、夕方以降はカフェインをとらない、入浴は就寝の1時間前にする、こういったことも睡眠によい影響を与えます。

窓際に置かれた観葉植物と猫の置物の画像です。

寝室環境

次に寝室環境ですが、寝室の温度・湿度・照度はもちろんのこと、空気の質など、寝室内のさまざまな環境を眠ることに適した状態に整えることを指します。

人によって幅がありますが、室温は25-28℃、湿度は50-60%程度が一般的に良いと推奨されています。

女性がベッドで寝ている画像です。

またエアコンを稼働させるタイミングも大切。
寝室の向きや窓の大きさ、カーテン素材などにもよりますが、日中に室内に溜め込んだ熱が夜になっても天井や壁にこもっているため、寝るタイミングでエアコンをつけても、なかなか室温が下がりにくいんです。

寝室に入る30分前にエアコンをONにし、熱の溜まりやすい天井に風をあてておくのが、効率よく涼しい睡眠環境をつくるコツです。

寝具

寝具については、眠るときに使う道具、たとえば布団や枕、パジャマといったもののチョイスですね。

「よく眠れない」という方は、まず枕をあれこれ変える傾向があるのですが、それだけではなく、例えば素材を変えたり、手首や裾がつぼまっているスエットのような部屋着やフリース素材の衣類などではなく、通気性のよいパジャマを着用して眠るなど、幅広い観点から見直すことが大切です。

ベッドの画像です。

またパジャマに着替えるという行為そのものが眠るまでのルーティンとなり、脳がおやすみモードに切り替わります。面倒でも部屋着のままではなく、パジャマを着る習慣を身に着けるようにしましょう。

ー寝室環境についてですが、どんな状態が快適かということには、個人差があるかと思います。自分にあっている寝室環境を知るためには、どうすればよいのでしょうか。

朝起きたときの感覚、例えばスッキリと起きられたか、途中で目が覚めてしまったかなど、〇×△等の簡単な記号での評価でも良いので、小まめに記録することをお勧めします。

それと同時に、寝室の温度や布団に入った時間、寝室の明るさ、着ていた寝巻、アロマオイルの種類といった寝室内での状況や、飲んだお茶の種類、お酒を飲んだ量など、とてもよく眠れた・いつもより眠れなかったという日の行動をメモして、自分にとっての快適な睡眠と、環境や行動の関係性を把握することが大切です。

3: 「何かいいことありそう」と感じられる朝を迎えてください。

ー快適な眠りを得るために、お勧めの習慣はありますか。

お風呂はとても重要です。眠る1時間ほど前に入浴をすることはいいですね。

人の体温には皮膚表面の温度と「深部体温」という内臓の温度があります。入浴することで深部体温が一時的に上がるのですが、それが下がるのに1時間ほどかかります。

それに合わせ眠気がやってくるので、湯冷めを気にしてすぐに布団に入るよりも、深部体温の下降に合わせて就寝したほうが寝つきは良くなります。

深部体温を表すグラフの画像です。

夏場はシャワーだけでも効果的。足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に合計5分ほど少し熱めのお湯を当てることで、効率よく深部体温を上げることができます。

エアコンの画像です。エアコンの画像です。

逆に起床前には、寝室の温度を少し上げると良いでしょう。深部体温が上がらないと起きづらいので、エアコンのタイマーを活用して、起きる時間に合わせて室温が上がる調節をしてみてください。

明るさも重要な要素です。
眠る1時間ほど前から暖色系のライトや間接照明に部屋の照明を切り替えて、気持ちが落ち着くような室内の演出をしましょう。

寝る前の明るすぎる照明は、快眠の大敵。
寝る直前までスマホやPCを見るのはもちろんですが、明るい場所、例えばコンビニに買い物に行くことなども、できれば避けた方がよいでしょう。

男性が寝ている画像です。
ー最後に、快適な睡眠について、皆さんに伝えたいことはありますか。

皆さん、食生活を見直そうとは思っても、睡眠については、何か問題があっても諦めてしまっている方が多いんです。

睡眠は昼間の思考や理解力、判断力、身体の免疫力やダイエットなどにも影響するものです。睡眠がここまで健康的な生活に深く関係しているということを知っていただきたいですね。

ただ、忙しい毎日の中で、どうしても十分な睡眠時間が確保できないという方もいらっしゃるかと思います。そんな場合は、限られた時間の中で何か一つ、睡眠に効果のあることを取り入れてみていただけたらと思います。

リラックスできるお茶を飲んだり、空いている時間に短時間でも目を閉じて外からの情報を遮断したり。夜間の「睡眠負債」を解消するために、誰でもできることはあります。自分なりの対策を探してみてもよいでしょう。

菊地さんの画像です。菊地さんの画像です。

私が目指しているのは、「あっ、今日は何かいいことありそう」と感じらせる目覚め。

ほんのちょっとしたことがきっかけで、快適な朝を手に入れることはできます。自分がどんなときにスッキリと起きられたのかを知ることで、自分にとっての快眠に良い環境、良い習慣がわかり、少しずつでも見直すことは可能なのです。

エアコンと空気の新しい関係から、快適な睡眠環境を作る寝室用エアコン「エオリアスリープ」が生まれました。パナソニックが考える、快眠環境と空気の新しい未来像に今後もご注目ください。
菊地真由美

パナソニック株式会社サービス開発部サービス企画課。
家電を使って睡眠の質を向上させるため、より専門的な知識を得たいと睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会認定)の資格を取得し、「快眠環境サポートサービス」を立ち上げる。同社内でも社員の睡眠の悩みに答える「眠りの先生」で、睡眠環境づくりに関する相談役も務めている。

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