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福岡県

すべてを卓球にかけて、世界の頂点を目指す

2018年01月31日

石田卓球クラブの練習風景

2017年秋、私たちは福岡県の石田卓球クラブを訪ねた。有名選手を輩出している全国屈指の卓球クラブだ。ここにあるのは、卓球だけ。親元を離れ、寮で共同生活しながら、ひたすら卓球に打ち込む選手たちもいる。

写真:原田さんのインタビュー風景

「初めてきた時は、自分よりみんな強かった」。そう振り返るのは、中学2年生の男子キャプテン、原田春輝さん。彼が石田卓球クラブに入った理由は、強い選手と練習すれば、必ず強くなれると信じていたから。

写真:小塩さんのインタビューの様子

石田卓球クラブでは、強くなるための練習相手に事欠くことがない。小学6年生の小塩遥菜さんは、ここに来た理由を「たくさんの練習相手、高校生とかがいて、みんな強いし、いろんな戦型がいたから」と話す。

写真:杉本さんのインタビューの様子

中学3年生の女子キャプテン、杉本果緒さんも、「地元のクラブは強い人はいるが、ほとんど男子。でも、こっちに来たら女子がたくさんいて、みんな強くて、誰としても練習になる」と語る。

写真:竹谷さんのインタビューの様子

トップクラスの選手が集まるだけに、練習は過酷だ。「結構ハードできついです。きついけど楽しいみたいな感じ」と話してくれたのは、中学1年生の竹谷義信さん。

写真:石田卓球クラブの練習風景

杉本さんは、卓球に打ち込める環境が充実しているという。「トレーニング器具とか、すごく充実してるし、(卓球台が)1人1台あって、常に練習できる」(杉本さん)

写真:石田卓球クラブの食事の風景

寮生活は、しっかりとスケジュール管理がされている。朝6時に起きてから、すぐランニング。朝食後、7時半には登校。学校が5時に終わって、帰ってきてすぐ準備してから9時まで卓球の練習。そこから夕食と入浴をすませて、11時には消灯。「洗濯当番や食事当番など、全部自分たちでやる」(竹谷さん)

写真:原田さんの練習風景

ここでは、選手たちが卓球に没頭できるよう、厳しいルールがある。「お菓子がダメ。アイス、炭酸ジュース、スナック菓子、携帯もダメです。あと恋愛禁止。ちゃんと守ってます」と男子キャプテンの原田さん。「入る前から何がダメ、これがダメって言われて厳しいなと思ったけど、卓球で強くなりたかったんで、それを乗り越えて強くなろうと思って(ここに)来ました」

写真:「練習は不可能を可能にする」と書かれた旗

卓球場の壁には、「練習は不可能を可能にする」と貼り出されている。石田卓球クラブの石田弘樹監督は、「やはり何事にも練習が大事だと思っているんですが、ただ練習すればいいというわけではありません」と話す。

写真:石田監督のインタビュー風景

「同じ練習でも一人ひとり目的が違うこともあります。必ず、『その練習の目的は何?』と聞きます」。そこで選手が目的を答えられないなら、石田監督は選手たちに、「どういう目的を持って練習をするのか」を聞くようにしているという。

写真:尾畑さんのインタビュー風景

石田卓球クラブの卓球場は、工場の2階部分にある。この場所を開放したのは、工場を経営する尾畑宇喜雄会長。石田監督によれば、監督のご両親の卓球教室に来ていた尾畑さんが、「子どもたちの強くなる姿を見てみたい」ということで実現したそうだ。尾畑会長は、「小さい子どもたちが卓球の頂点を目指して一生懸命頑張る。その成長を目の当たりにできる。それで卓球を応援していこうと思った」と話す。

写真:選手たちの団欒して食事をとる風景

恵まれた環境とは言え、親元を離れての寮生活。寂しくはないのだろうか。「最初みんな寂しかったと思うんですけど、こっちに来たら卓球一筋なんで、卓球で勝っていかないといけないので、寂しさとかも忘れちゃうと思います」と、原田さん。竹谷さんも、「お父さん、お母さんと離れて、最初の頃は結構寂しかったんですけど、今は全然ふつうに慣れて、ここが家みたいになってます」と話す。

写真:原田さんのランニングの様子

寂しさを忘れるほど、選手たちは卓球に没頭している。その原動力となっているのは、選手たち一人ひとりの「強い思い」だ。原田さんは、小学校1年生のときに、地元福島で東日本大震災を経験した。「一時期卓球ができなかったですけど、そこで周りの人たちが寄付とかいろいろしてくれて、それで今自分がいるので、その支えに応えられるように頑張ってます」

写真:米倉さんの練習風景

「将来強くなって、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに恩返しをしたいと思って、がんばっています」(中学3年生・米倉勝さん)「自分の周りに目指す人がいっぱいいて、強くなったらこうなれるって思うから、がんばってやってます」(中学1年生・舌間あずみさん)「全国で活躍できる選手になりたいです」(中学3年生・泊航太さん)「世界で活躍できる選手になれるように、毎日練習がんばって卓球続けられている」(中学2年生・首藤美咲さん)

写真:新井さんの練習風景

中学3年生の荒井和也さんは、「試合で勝つとちょっと前より強くなったとか進歩したなって思う時があって、それが楽しいから続けられてるって思います。強くなりたいって意志が大事だと思います」と力強く語る。

選手たちは、将来の夢に向かって、ハードな毎日を過ごしていく。原田さんの夢は、オリンピックでの金メダルだ。「世界で活躍できるカットマンになりたい。オリンピックに出場して金メダルを獲って、それで支えてくれた人たちに笑顔を与えたいです」。竹谷さんも、「メダリストになって、日本の卓球をしている人がもっと楽しくなるようにしていきたいです」と言う。杉本さんも、「いつも支えてくれるたくさんの人に良い成績を出すことで恩返しができると思うので、世界で活躍できる卓球選手になりたい」と決意を語る。そして、小学生の小塩さんの夢はひと言、「強くなりたい」だ。

写真:原田さんがサーブを構える様子

石田卓球クラブの選手たちは、ストイックな練習漬けの日々を送りながら、切磋琢磨して卓球で世界の頂点を目指している。

動画へ

インタビュー映像

福岡県石田卓球クラブの監督と選手たちが、寮生活の様子と厳しい練習、その先に夢見るものを語る。

youtube動画:厳しいけど、頑張れる。強くなりたいから。恩返しがしたいから。 福岡・卓球篇 再生する

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