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埼玉県

東京2020パラリンピックは、家族にとっての挑戦。家族でメダルを獲りにいきたい

2019年06月20日

写真:小倉さんの練習の様子

小倉理恵(おぐら・りえ)さんは、日本障がい者バドミントン連盟(JPBF)WH2クラスの強化指定選手。2018年8月に行われた「ブラジル パラバドミントンインターナショナル 2018」では、女子シングルス(WH2)、女子ダブルス(WH1-2)、混合ダブルス(WH1-2)、3つのクラスで優勝するなど、世界の舞台でも結果を残している。2児の母、会社員、アスリート。3つの顔を持つ小倉さんに、競技との出会い、子育てとの両立、初の正式競技となった東京2020パラリンピックへの思いなどを聞いた。

写真:インタビューに答える小倉さん

生まれつき下半身の関節が拘縮する「先天性多発性関節拘縮症」だった小倉さんが、初めてバドミントンのラケットを握ったのは16歳のとき。レクリエーションの1つだった。
「ダイエット目的でスポーツセンターに通っていて、いろんなスポーツの中にバドミントンがあって、遊びとして始めました。普段はあまり速く歩いたり走ったりできないのに、競技用の車いすに乗せてもらったら速く動くことができて。スピードも出せるし、転倒もしにくい。くるくる回転しやすいように設計されているので、その動きが単純に楽しくて楽しくて、ハマりましたね」

本格的に競技を始めたのは社会人になってから。

写真:子供2人と家族団らんの様子

大学時代に結婚・出産をしていたため、当時はとても悩んだという。
「子どもを2人産んでから競技としてスタートしているので、しっかり試合に出ることができるんだろうか、というのはすごく悩んで。夫が『練習とか試合の間は子どもの面倒を見るから出てみたら』と言ってくれて、じゃあやってみようと思いました」

写真:体育館でラケットをふる小倉さん

競技としてバドミントンをやると決めてから、意識が大きく変わったと小倉さんは振り返る。
「練習中、夫に子どもをあずけてる以上は、しっかり練習したいって思うし、試合中も子どもと接することができない時間がある分、しっかり結果を残して子どもに見せられるような姿じゃないといけないなと思ったんです」

写真:小倉さん仕事の様子

会社員としての顔を持つ小倉さん。現在はブリヂストンで組織活性化に関する仕事をしている。
「どういう施策があれば会社内がもっと活性化していくか、というところを企画して運営していく部署です」

写真:母の顔を見せる小倉さんと娘のみゆさん

また、2児の母でもある小倉さん。まだ幼い娘の美優(みゆ)さんのことは、気にかかるという。
「娘はおしゃべりですよね。すごく話すのが好きみたいで。私が遠征中は、夫と息子と娘の3人の家になってしまいます。男2人はあまり話さないので、(娘は)話さないことがストレスになるみたいで」

写真:みゆさんがインタビューに答える様子

娘の美優(みゆ)さんは、お母さんにどんな思いを持っているのだろう。
「練習している時は真剣でね、普通の時はめちゃくちゃ笑顔。自慢できちゃう」(美優さん)

写真:娘の厳しい言葉も嬉しそう語る小倉さん

「銅メダルを持って帰ってくると娘からは、『また銅メダルかー。もっといい色のメダルを獲ってこなきゃダメだね』とか」(小倉さん)

写真:小倉さんとみゆさんの団らんの様子

「ほとんど銅メダルだからね。誰に負けちゃったの?とか言う。もうだめじゃーんとか言ったりもする。もっと練習がんばりなさい!って」(美優さん)

写真:娘の厳しい言葉を嬉しそうに語る小倉さん

「銅メダルじゃなくて、金を目指して毎回やってはいるので、娘の言葉は、なんか嬉しいですね」(小倉さん)

写真:交換ノートに書き込むみゆさん

美優さんに、お母さんが遠征に行くときの気持ちを聞いた。
「さみしいよ。行って欲しくなくなる。でもねママと交換ノート作ってるから、どんどん書いてママと交換するの」(美優さん)

小倉さんにとって、一番難しいのは、子育てと競技の両立。

写真:子育てと競技の両立の難しさを語る小倉さん

「遠征期間中は家を空けてしまうし、練習のときも子どもの習い事を見ることができない。自分の中ですごくモヤモヤしたり、葛藤したりする時期もあって、『もう辞めようかな』なんて呟いたことがあったんです。そのとき息子が、『辞めちゃうの? もっと頑張れるはず』みたいに言ってくれて。息子がそう思ってくれるんだったら頑張ろうと思って。やはり子どもがいるからバドミントンも頑張れていると思うので、家族はエネルギー源だと思います」

写真:バドミントンの練習中の真剣な眼差し

今後の目標を聞くと、力強い答えが返ってきた。
「東京2020パラリンピックに出場してメダルを獲ることが目標です。その過程をしっかり子どもに見せていきたいなと思っています。元々、学生時代にすごくスポーツに取り組んでいたわけでもありません。何もなくても毎日毎日努力していけば成果が出せて、自分の目標に近づけるんだよっていうのを体現したいと思っています」

小倉さんの挑戦は同時に、家族にとっても挑戦。

写真:笑顔で歩くみゆさん

「パラリンピックに出場してメダルを獲るっていうのは、私自身の挑戦でもありますし、子どもが寂しい思いを乗り越える挑戦でもあります。夫も忙しい中、家事育児をしてくれていて、そこの挑戦もあると思います。家族にとっての挑戦なので、家族でメダルを獲りにいけたらいいなと思っています」

「東京パラリンピックで金メダルを獲ってほしい。頑張らないと怒る!」と、美優さんは笑顔で話してくれた。その言葉が、その笑顔が、小倉さんの原動力となる。

インタビュー映像

バドミントン選手(WH2)の小倉理恵さんと娘の美優さんのインタビュー。

Youtube動画:メダルへの挑戦は、私自身と、家族の挑戦。 埼玉・バドミントン篇 再生する

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