東京2020特集

東京2020パラリンピックまで、あと2年!ビューティフルジャパンが出会ったパラアスリートたち

2018年08月24日

写真:東京2020パラリンピックを目指す選手たち

ビューティフルジャパンは、東京2020パラリンピックを目指すアスリートたちとも出会いました。下は小学生、上はオーバー60。多様性を認め、創意工夫をすれば誰もが公正に機会を得られる――その年齢層の幅広さに、パラリンピックが持つ価値のひとつ、「Equality(日本では「公平」という意味で使用)」が表れています。今回は、そんなアスリートたちが語ってくれた競技の見どころや楽しみ方などを中心に、これまでを振り返ります。

アスリートそれぞれの個性こそ、パラリンピック競技の魅力

写真:練習前にストレッチをする大西さん

福祉の延長ではなく、競技として「見たい」と思わせるパフォーマンスをしたいという大西さん

綾瀬はるかさんとともに全国を訪ねる中、何人ものアスリートと出会いました。そのうちの一人が、東京都の大西瞳さんです。大西さんは、大腿切断者の陸上チーム「スタートラインTokyo」に所属する、義足のアスリートです。

義足を使う陸上競技では、肉体的なピークを越えても、走る技術を磨くことでタイムは縮まることがあるそう。リオ2016パラリンピックの陸上100m(T42)決勝で8位入賞を果たした大西さんは、「テクニックが占めるパーセンテージも大きい」と言います。そして、「義足で跳ねる姿は格好いいと思うし、躍動感がある」と、見て楽しむポイントを教えてくれました。また「海が好きで、海に映えるイメージの義足にした」という大西さん。義足のデザインに注目です。

写真:力強くボールを打ち返す鈴木さん

「東京2020パラリンピックへの出場が、支えてくれた人たちへの恩返しになる」と鈴木さん

車いすテニスも、自分の足の代わりに道具を使うパラリンピック競技です。ビューティフルジャパンが注目したのは、千葉県の車いすテニス選手・鈴木康平さん。鈴木さんは、オートバイの事故で左足を切断しています。見失いかけた生きる意味を、車いすテニスと出会い、再び見つけたと言います。そんな鈴木さんは、車いすテニスのおもしろさを次のように語っていました。

「2バウンドまでの返球が認められているのでラリーがつながりやすい。そこでのかけひきや一発のパワーショットなど、頭脳とスピードを兼ね備えた点がおもしろいんです」。健常のテニスより1バウンド多いことで生まれるわずかな時間。そこで選手がどんな戦術・戦略を選ぶのか。車いすテニスならではの戦略性や奥深さを知ることも観戦を楽しむポイントです。

写真:練習プールで笑顏を見せる岡部さんと中道さん

「特別な人生をもらったんで、特別な生き方をしたほうが楽しいかなと思います」と中道さん(左)

愛媛県で出会ったのは、パラスイマーの岡部歩乃佳さんと中道穂香さん。腕と足、二人の障がいは異なりますが、背泳ぎでは同じクラスで切磋琢磨するライバルです。

「目の見えない方、耳の聞こえない方、両手両足のない方もいる。その人たちが必死にゴールに向かって泳いでいる姿が、健常の水泳にはない感動があると思う」と岡部さん。中道さんは「私たちは欠損部分とか麻痺の部分とか、一人ひとり、まったく同じ人がいません。ちょっと変わっただけでも泳ぎ方は違ってくる」と話してくれました。どの選手がどんな泳ぎ方なのか、選手のそれぞれの特徴を知ることで、見る楽しみは増えていきそうです。

成長していく姿、パラリンピック競技で表現したいことに注目する

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(撮影:鳥飼祥惠氏)大会前には必ずネイルアートを施す山本さん

パナソニックのデジタルカメラ「LUMIX」は、パラリンピック競技の素晴らしさ、限界に挑戦する姿を伝えるため、東京2020パラリンピックを目指す2人のアスリートを追っています。その活動は、ビューティフルジャパンでも取り上げています。

パワーリフティングのマクドナルド山本恵理さんは、日本財団パラリンピックサポートセンターに勤務しながら、選手として東京2020パラリンピックへの出場を目指しています。アスリートを支える仕事と、選手としての挑戦。自身も「私の人生はパラリンピックが主なのです。人生の柱です」と語るほど、パラリンピックに強い想いを持っています。

山本さんが本格的に競技をはじめたのは、2016年。競技歴の浅さから、「"伸びしろ"でいえば、ほかのパラアスリートより多いかもしれない」と言います。

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(撮影:鳥飼祥惠氏)「みんな違って、それでいいんです」。みんな違うから世界は美しいという重本さん

「パラアスリートとしてだけではなく、一人の人間としての自分も表現したい」。そう語ってくれたのは、重本(旧姓:辻)沙絵さん。リオ2016パラリンピック陸上女子400m(T47)銅メダリストの彼女は、自身の姿を通して社会を変えたいといいます。実現したいのは、誰もが持つコンプレックスをみんなが受け入れる社会。「ちっぽけなコンプレックスはどうでもいい。写真を通して、もっと多くの人に、私のような人がいることを知ってもらったり、触れてもらったりする機会につなげたいと思っています」

競技の瞬間だけでなく、そこに至るまでの成長の物語や、競技を通して表現したいことに注目することは、パラリンピック競技をもっと深く楽しむヒントになりそうです。

パラアスリートの物語を知ると、もっと楽しめる

写真:練習の合間の溝渕さんと西島選手の様子

「走ることで役立つことがある」と知って、伴走をはじめた溝渕さん(左)

実はパナソニックの社内にも、東京2020パラリンピックを目指す社員がいます。

視覚障がいのあるランナーが、42.195kmのタイムを競うブラインドマラソン。この競技には、ランナーを支える「伴走者」の存在があります。パナソニック・エコソリューションズの溝渕学さんは、その伴走者として、日本ブラインドマラソン協会(JBMA)強化指定の西島美保子選手をサポートしています。

「選手と伴走者の関係は千差万別。伴走用ロープの長さ、歩幅や腕の振り方など、どういうことに工夫しているかが見て取れます」。溝渕さんは、「ランナーの走り、それを引き出す伴走者とのやりとりに着目すると、ブラインドマラソンにしかないおもしろさが見えてくる」と教えてくれました。

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会社員パラアスリートの課題は"休息"だという小林さん夫婦

東京2020パラリンピックで初めて正式種目となったバドミントン。パナソニック社員である小林悦子さんは、バドミントン(WH1)の選手です。同じ選手である夫の小林幸平さん(ブリヂストン)とともに、夫婦で東京2020パラリンピック出場を目指しています。

この競技では、ラケットを持ちながらの車いすをコントロールする高度なテクニックが求められます。「すごく長くラリーが続くと『どこで仕掛けてくるだろう』とハラハラします。仕掛けるタイミングはいつ来るかわからないので、そのドキドキを楽しんで」と悦子さん。幸平さんは、「会場での観戦は、『音』もおもしろい」と教えてくれました。シャトルを打つショットの音、車いすの「キュッ」という音など、バドミントンを耳で楽しむ。競技者だから気づくポイントかもしれません。

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「障がい者ではなく、プレーヤーとしての力量を見てほしい」と話す山田さん

先天的な両下肢機能障がいがあり、車いすで日常生活を送る山田隼平さん。岡山県のパナソニック吉備で働きながら、カヌーでの東京2020パラリンピックを目指しています。

カヌーは、競技専用カヌーでそれぞれの選手が直線200mのスプリントタイムを競う競技。「障がい者だからどうこうではなく、"プレーヤー"として力量を見てもらいたいですね」と山田さん。パドルさばきなどのカヌーを操るテクニック、その時々で変わる自然(波や風など)と、どう闘っているかが見どころです。

障がいを超えたところにある、パラリンピック競技のおもしろさ

「障がい者を分けて考えてないんですよ。(ジャンルの1つとして)障がい者スポーツを楽しんでいます」。そう語るのは、「スタートラインTokyo」を立ち上げた、ベテラン義肢装具士の臼井二美男さんです。「障がいを持って大変だなとか、かわいそうだなとか、みんなで大事にしてあげようとか。そういうのを超えてるんですよ。みんなでその(障がいの)中身を理解して、競技性を楽しんでいるんです」。

これまでの出会いを通して、強く印象に残っているのは、前向きな心の在り方。そして、「競技をする姿を見てほしい」「競技を通して感謝を伝えたい」という選手たちの言葉でした。これからもビューティフルジャパンは、東京2020パラリンピックを目指すアスリートやサポートする方の姿を通して、挑戦する素晴らしさ、競技の見どころをお伝えしていきます。さぁ、東京!

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