Creative! Story | 食器洗い乾燥機 × 西島秀俊さん

「必要ない?」「洗えない?」「置けない?」食洗機普及の壁に、技術で立ち向かえ

食洗機の普及の壁に、技術で立ち向かえ。

写真左から
技術 楠 健吾
技術 的場 識義
技術 佐藤 百合菜

立ちはだかる2つの壁。

的場:パナソニックが日本で初めて食洗機を開発・販売したのは、今から約60年前の1960年。カラーテレビの誕生とほぼ同時期のことです。当時の洗濯機のような床置型の初号機はかなりの大型で、日本の手狭なキッチンにはなかなか置いていただけない商品でした。1968年には、日本初の卓上型食洗機を発売。しかし、本体を小型化することで食器の容量自体も少なくなるなど、使い勝手の面で大きな課題が残りました。
食器洗いという「家事からの解放」を信念に開発を進めてきた食洗機ですが、開発初期の約25年間はほとんど売れず、普及率はほぼ0%。日本の手狭なキッチンに合う「設置性」、さらに食洗機を初めて知るお客さまの「洗浄力に対する不安」という2つの壁を超えることが、我々の至上命題でした。

初号機と卓上型食洗機

作り手の想像を超えた日本のキッチン事情。

的場:日本のキッチンに合う食洗機はどのようなものか。求められるスリム化の実態を探るため、お客さまのお宅にダミー機体を持ち込んでの「訪問調査」を開始しました。すると、日本のキッチンの「手狭さ」は、我々作り手側が想像している以上に手強いものだったのです。
一般的なキッチンのシンク横にはまな板を置くスペースしかなく、食洗機が置けてもドアを開けると水栓に当たるなど、動線を邪魔したり、作業スペースがつぶれてしまうことがほとんどでした。
そこで、設置面積を下げるための2段かごを新たに開発。タンクの底部に電装部品を集約させることで、食器容量を確保したまま大幅なスリム化を実現させました。

設置性を見直したスリムタイプ"これなら置ける!"

■「訪問調査」で使用したダミー機体

キュービックタイプ
スリムタイプ前開き
スリムタイプ横上下開き
観音開き

3つの力で「手洗いよりキレイ」を実現。

的場:多彩な食文化がある日本では、使われる食器も多種多様です。そのため、さまざまな形状の食器が洗えるかごと、食器の表面にまんべんなく水を当てられるノズルの技術が重要になってきます。私たちが着目したのは、たくさんの食器を入れても隅々まで行きわたる“水流の質”と“水圧”です。
さらに、ごはん文化特有のでんぷん汚れなど、かごとノズルの進化だけでは対応しきれないあらゆる汚れに対応する食洗機専用洗剤の開発や、汚れが落ちやすい“温度”にもこだわってきました。

佐藤:たとえば、おかゆを入れた容器にそれぞれ台所用洗剤と食洗機用洗剤を入れて振ると、台所用洗剤のほうはドロドロのまま、食洗機用洗剤のほうはサラサラの液体に変化します。これは、食洗機用洗剤に含まれる酵素がお米のたんぱく質を分解するからです。つまり、食洗機専用洗剤は、食洗機の洗浄力を高めるだけでなく、日本の食文化に対する洗浄力も高めているということになります。

酵素の分解実験、左:台所用洗剤、右:食洗機用洗剤(当社実験)

楠:食洗機では、手洗いではできない約70度の高い水温で洗浄します。油汚れは40度以上で溶け出し、お米などのでんぷん汚れもふやかすので、水流で一気に洗い流すことができます。さらに、食洗機専用洗剤に含まれる酵素は温度を上げることで活性化するため、洗浄力をより高めることができるのです。

的場:ノズルから出る水の水圧は約2メートル※1。洗浄面に対して線で当て、この線を回転させて面にすることで隅々まで水を届けます。「洗剤」「温度」「水流」の3つの力を掛け合わせることで、あらゆる汚れに対応し、手洗いよりもキレイに洗い上げます。

佐藤:目に見えない汚れまで洗える食洗機ですが、庫内で同じ水を循環させて食器を洗うため、使う水の量は手洗いのわずか1/6です。たとえば、4人分の食器を洗う場合、手洗いだと1回で75リットルの水を使うのに対し、食洗機だと11リットルで洗うことができます。

食洗機洗いと手洗いのビール泡立ち比較(当社実験)

家事ストレスからの解放。

的場:増加している共働き世帯の生活を見つめ直し、より一歩進んだ形で家事の低減を狙おうと、今回の商品を開発しました。

佐藤:新商品では、操作のわずらわしさを解消する「静電タッチキー」と「自動ドアオープン」機能を新たに搭載しました。これまではお客さまに食洗機固有のコース名を覚えていただく必要がありましたが、今回から新たに「汚れレベル」という考え方を導入。たとえば、今日はカレーで汚れがこびり付いているから「強めのレベル」という風に、お客さまの感覚でコースが選べるようになりました。また、触れるだけでドアが自動で開くため、両手がふさがっている際に、手に持ったものを一度置いてドアを開ける…という面倒な動作が解消されるので、ストレスなく使っていただけると思います。

5段階の汚れレベルから選んで洗浄可能

楠:もうひとつ、お客さまのお困りごとにアプローチした新機能があります。共働き世帯では、朝使った食器を食洗機に入れておき、その日の夕食の食器と一緒にまとめ洗いされるお客さまが多いのですが、そこで気になるのが、臭いや菌の繁殖です。今回、パナソニックの独自技術である「ナノイー X」を搭載することで除菌※2・脱臭※3が可能となり、まとめ洗いのための汚れた食器も、洗い終わった後のキレイな食器も、つねに清潔な空間で保管することが可能になりました。

触れるだけで開く「自動ドアオープン」機能

食洗機を「あって当たり前」の家電に。

佐藤:今の日本の間取りには、冷蔵庫や洗濯機の置き場はあっても、食洗機の置き場はないのが一般的です。間取りの中に食洗機置き場が当たり前のように含まれる。そんな家電にしたいなと思っています。

楠:目指すのは、一家に一台が当たり前の社会。食洗機の良さをもっと多くの方にお伝えしていくとともに、時代や暮らしの変化に対応する食洗機をこれからもつくり続けていきたいです。

的場:私が目指すのは、食洗機の“その次のステージ”です。たとえば、汚れた食器を入れると勝手に洗ってくれる食器棚。「食器を洗わないといけない」という意識をまるごとなくしてしまうような技術を開発していきたいと思っています。

※1 60Hz時。
※2 ●試験機関:(一財)日本食品分析センター ●試験方法:食洗機庫内の菌液付着食器の生菌数測定 ●除菌方法:「ナノイー」を放出 ●除菌の対象:庫内食器類 ●試験結果:8時間後で菌の減少率99%以上(自社換算値) 1種類のみの菌で実施しています。除菌効果は、食器の量や位置、汚れの程度により異なります。試験成績書発行年月日:2018年07月03日 試験成績書発行番号:第18060975001-0101号。
※3 ●試験機関:パナソニック(株)プロダクト解析センター ●試験方法:汚れ付着食器を設置した食洗機庫内のにおいを6段階臭気強度表示法にて評価 ●消臭方法:「ナノイー」を放出 ●対象部分:食洗機庫内 ●試験結果:0.5時間後 カレー:自然放置4.0、「ナノイー X」送風1.7 ●「ナノイー X」送風の効果は、周囲環境(温度・湿度)、運転時間、汚れの量や質によって異なります。ニオイの感じ方には個人差があります。

食器洗い乾燥機

NP-TZ100

食器洗い乾燥機