Creative! Story | スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 × 西島秀俊さん

グローバルな発想で、洗浄力の壁を越えた。

RICE LADY ~米を知り、炊き技を磨いて、ごはん文化をひろげる~

写真:技術企画 ライスレディ 加古さおり 制御設計 ライスレディ 塚原知里

写真左から
技術企画 ライスレディ 加古さおり
制御設計 ライスレディ 塚原知里

機械よりも、人の舌。

加古:「ライスレディ」。私たちパナソニックの炊飯器のソフト開発者は、そう呼ばれています。仕事は、誰もがおいしいと感じるごはんを追求すること。一日中炊いて食べてを繰り返し、自分の五感を活かしておいしさを評価しています。炊飯器1台の開発に、約3トンもの米を炊くこともあります。

塚原:機械を使ったおいしさの分析ももちろん行うのですが、それはあくまでも裏付け。最終的なおいしさを判断するのはお客様という「人」なので、人の味覚を大切にしています。また、昔は外が硬くて中が柔らかいごはんが好まれましたが、今は甘くもちもちしたごはんが主流になるなど、ごはんにもトレンドがあるので、人によるフレキシブルな評価が必要になるのです。

加古:実は、ライスレディはもう40年近くの歴史があります。新人は、まず先輩について食べて、体の中にパナソニックのライスレディとしての「おいしさのモノサシ」をつくっていきます。まさに同じ釜の飯を食って育つわけですが、そうやって一人前になったライスレディが判断した味が、パナソニックの味になるのです。

ごはんのおいしさを決めるのは、炊き技。

加古:ごはんのおいしさは米の良し悪しで決まると思っている方も多いのですが、実はそれ以上に炊き技が重要です。
パナソニックの炊飯器は、2013年から「Wおどり炊き」という独自の炊き技を搭載していますが、お手本にしたのは、昔ながらのかまど炊きの強い火加減です。この火力を炊飯器でいかに再現するか、試行錯誤を繰り返しました。
そしてたどり着いたのが、圧力と熱対流という2つの炊き技です。釜の中を強力に沸騰させて米を釜底からおどらせることで、一粒一粒にムラなく熱を伝え、ハリと甘みのあるごはんに炊き上げることができるのです。

民宿に伺ってかまど炊きを学んだ

■ パナソニック独自の「Wおどり炊き」

イメージ図:【IH切替 大火力おどり炊き(高速交互対流)】内対流と外対流の切り替え時間0.04秒でおどらせる・【加圧減圧 可変圧力おどり炊き】加圧と減圧を繰り返し、おどらせる イメージ図:【IH切替 大火力おどり炊き(高速交互対流)】内対流と外対流の切り替え時間0.04秒でおどらせる・【加圧減圧 可変圧力おどり炊き】加圧と減圧を繰り返し、おどらせる

米の育種から携わり、持ち味を引き出す。

塚原:今は全国各地からさまざまな銘柄米が出ていますよね。パナソニックでは、銘柄の持ち味を引き出すために、銘柄ごとに炊飯時間や温度、圧力、スチームなどを細かく調節して炊き上げる「銘柄炊き分けコンシェルジュ」という機能を搭載しています。現在、50銘柄まで炊き分けられるようになりました。

加古:銘柄炊き分け機能で目指しているのは、米の開発者の方が理想とする味を再現すること。新製品では、宮城県の「だて正夢」と福井県の「いちほまれ」という銘柄米が新たに加わったのですが、どちらも産地の農業試験場に伺って開発者の方にヒアリングすることからはじめています。特に「いちほまれ」の方は、福井県の方からお声がけをいただいて、米の育種の段階から協力させていただいたので、実に3年もの年月がかかっているんですよ。

塚原:その分、苦労もいろいろありました。試作機で炊いたごはんを開発者の方に食べていただいたら、「これじゃダメだ」ってダメ出しされたり(笑)。「どんな料理にも合うバランスが取れた米にしたいから、もうちょっと硬めに炊いてほしい」と言われて、一からプログラムを設計し直して。最終的には、私たちも開発者の方も納得できる味に炊き上げることができました。

米という生鮮食品を、もっとおいしく。

塚原:新製品には「鮮度センシング」という機能を搭載しました。これは、センサーで米の水分量を検知して最適な圧力をかけることで、乾燥した米でも精米したてのようにおいしく炊けるというものです。
米は生鮮食品なので、保存状態がよくないとだんだん水分量が下がってきてしまいます。本来なら冷蔵庫で保存していただきたいのですが、スペースなどの問題で難しいご家庭も多い。それなら炊飯器の炊き方で解決しようと思ったのがキッカケです。
実は、この開発は、はじめて私が主担当となって進めたものになります。こだわりが強くなりすぎて他部署とぶつかることもありましたが、こうして無事完成させることができました。

加古:塚原から鮮度をケアする機能を開発したいと聞いたときは、正直、お客様が実感できる差が出るのか疑問でした。しかし実際に食べ比べてみると、「鮮度センシング」の有り無しで思った以上に差があって。よりおいしいごはんを求める方には重要な機能だなと納得しましたね。また、こだわりが強くなることは成長している証。ライスレディの先輩として、うれしかったですね。

ごはん文化を支える決意を、受け継いでいく。

加古:私は、入社以来25年ずっとライスレディの仕事をしてきましたが、私の上にも大先輩がたくさんいるんですね。今でもちょっと新しいことをやると、すぐ電話がかかってきて、ご意見やアドバイスをいただきます(笑)。それだけ真剣に私たちのことを見てくれているということなので、私もしっかり後輩たちを見て、いざとなったら助けるから、それまで自由にやってほしいと思っています。
この炊飯器を通して、ごはんはこんなにおいしく炊けるんだということをたくさんの人にお伝えして、日本の農産業を元気にしたい。そんな大きな夢を抱いています。

塚原:加古は米の育種などにも詳しく、米のコンクールの審査員もしていて、一緒に産地に行くたびにとても勉強になります。ライスレディの先輩たちが脈々と受け継いできた知識や経験を、私も受け継いでいきたいですね。でも、同じことだけをやっていても意味がないので、「新しい味をつくる」という気持ちは常に持っていたいと思います。また、今、米=悪、太る、といったマイナスイメージが根付いてしまっているので、その認識を正していきたいですね。米の楽しみ方をもっと知ってもらって、ごはん文化を盛り上げていきたいと思っています。

スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器 SR-VSX108

スチーム&可変圧力IH
ジャー炊飯器

SR-VSX108