NEW Vol.1 佐内正史 in 台湾

LUMIX CHALLENGE Vol.1 佐内正史×LUMIX S1R LUMIX CHALLENGE Vol.1 佐内正史×LUMIX S1R

写真は絶対過去、二度と戻らない。
でもやっぱり、「かはたれどき(彼は誰時)」かも。

写真は絶対、二度と戻らない。ぜんぶ過去で、絶対に変えられないもの。・・・ずっとそう思ってきた。いや、今もそうであることは間違いないんだけど。でも最近は、それだけじゃないかもなって思いはじめてる。写真って絶対じゃないんじゃないか、もしかしたら変えられるんじゃないかって。えっとねぇ、明け方の、顔が見えなくなる時間っていうのを「かはたれどき」って言うんだけど、“彼は誰時”って書いて。よく見えないもの、見えてるんだけど曖昧。もしかしたら写真もそういう曖昧なものなのかなって。

写真は絶対って言ってるけど、「かはたれどき(彼は誰時)」なんだって。写真って見る人それぞれの記憶とか、その引き継いでいった曖昧な記憶といっしょに形を変えながら生き続けるんじゃないかと。今回撮った綾瀬さんの写真だって、生き生きしている。絶対じゃないんじゃない?って写真が集まってる。もしも写真が絶対過去、死ぬということがあるなら、それはその写真からすべての人の記憶が完全になくなるとき。でもそういう写真ってちょっと撮りたいなって思う。俺の写真見たらみんな俺のこと忘れていく、みたいな。

佐内正史

機能に向かうのではなく、心へ。
カメラの中の“生き物”に会いたい。

LUMIXの話、ちょっとしようか。今は機能性みたいなことが強すぎる。機能性って俺はほんとに興味ない。ただ撮りたいだけなのに、困るんだよね。時間を止めるっていう絶対的なことって神の領域。人間がそこで試行錯誤するようなことじゃない。あと匂い、写真に匂いのようなものを残せるか。便利になってくるとどんどん無臭になってくる。金木犀の匂いを嗅いで去年のことをぼんやり思い出すように、その写真を見て何かを思い出したり。未知の、タイムマシン。だから俺は写真で時間を超えるとか、心の中では超えられるじゃない?と思ってる。そういうものだから、機能が多いっていうのは俺にとっては、すごくいらない。

写真を見た人から「これは機能がいいですね」って思われたくない。俺自身もすごいいいコンサートいったときにギターのテクニックが良かったですね、なんて思いたくないし、帰り道、ギターのテクニックが良かったねというのは音楽としては失敗だと思う。もっと感動して帰りたい。LUMIX 使って、使った人が感動すれば売れると思う。機能とか細かいことで売れることではないかなと思う。ミラーレスっていうものが最近でてきて、それは発明だと思うけどそれがどこに行くのかなと思って。今は機能に向かう場合じゃない。カメラの中の心に、カメラの中の“生き物”に会いたいんだよね。

佐内正史

写真は“イエスタデイ”。
自分が撮る写真は全部そういうつもりで撮ってる。

写真は“イエスタデイ”。昨日のことのような、あいまいな記憶。“イエスタデイ”をちゃんと撮れるようなカメラにしないと。そういうカメラって今誰も作っていない。それがどういうものなのか、みんなで考えればいい。なんかやっぱ、カメラは便利になることじゃないと思う。今そこを競い合っているでしょ?それは俺はわからないな。俺みたいな動物みたいな人が持つとどう触っていいかわからない。触った瞬間に持ち方、どうやって持ったらいいかわからない。まずフォーカスをあわせたときに、レンズを持つとフォーカスが動いちゃう。そこも難しかった。力入れないように持つことになるからガチンと撮ることができなかった。レンズとのバランスの話ではなく、ぎゅって持ってもいいカメラ。このLUMIXはぎゅって持ったらどっかが動いちゃうことが多い。だから握りしめてもいいカメラって、それは思想の話。

俺は今回の綾瀬さんの写真も“イエスタデイ”だと思ってるし、自分が撮る写真は全部そういうつもりで撮ってる。それにカメラが全然ついてきていない。まだ追いついてきていない。本当はカメラに教えてもらいたいと思っている。俺よりもカメラが下にいるから、本当はカメラの方が上にいってほしい。それがやっぱ名機。人間よりも素晴らしいもの、それがカメラ。人間の頭で考えたものだけど、人間を超えていかなければならない。

佐内 正史と綾瀬はるか

便利な機能だけじゃない、時間を止めるって
どういうことなのかで振り絞ると
まったく違う次元の商品ができるかもしれない。

俺の写真は商業とは縁のないところ、でもまったく縁がないってことではなく、ものすごくうすーく膜をのせている。そういうのが一番ポップだと思っている。商品価値がある。電化製品にも言えることなのかわからないけど、とにかく膜が多すぎるんだよね。冷蔵庫も機能が多すぎちゃって。なんでもガードが固くなってる。うすーくして行った方がいいんじゃないかなって?ガードを。そのものの本質。

みんな誰に向かって作っているか、写真集も雑誌も映画もそうなんだけど、お客さんのことを思って作るから、自分たちが何をしたいのかっていうのがわからなくなってる。そこのモノづくりのソウルを出して行った方がいいと思う。でもそれがむき出しになりすぎるとうざいから、そこに膜をかけてあげることが必要かなって思うし、俺はポップだと思う。電化製品とかはすごい好き。ロボットも好き。

松下幸之助さんがやってきたことは本当好き。それを伝承していくことって必要じゃない?伝承ってそのまま受け継ぐことではないからさ。産業とかも受け継いでいかないとなって。それはどういうことなのかなって。多分便利機能じゃない。便利機能って頭振り絞ってない感じがする。振り絞って出てくるものじゃない?発明って。だから振り絞ればいいのになーって。カメラに関してもそう。時間を止めるってどういうことなのか、で振り絞るとまったく違う次元の商品ができるかもしれない。

佐内正史と綾瀬はるか

S1Rは、小細工無しで
戦う人には向いているかも。

人間との信頼関係よりもモノとの信頼関係の方がはっきりしている。人が作ったものはほんとにすごい。信頼ができる。信頼できるものに出会えたらずっと使うでしょ。結構単純なことかもしれない。せっかくフルサイズのミラーレスが出たってことで、なんかいろいろ越えていってほしい。だけどこのカメラの在り方みたいなものがハードコアな部分が足りないんだと思う。だからかわいそう。まぁあれでボタンが少なければ、まだもうちょっとやる気は出るかな。あと度々、ピントが合わないとか、いろいろあったよね。俺はシンプルの方がいい。

せっかく、カメラの原点回帰っていう思想で作ったカメラで、デザインもカクカクしててなんかちょっとかっこいいってすごく盛り上がってたけど。使ってみると原点回帰な形はしてるけど、テーマが、、、そこが弱い。写真を撮る、画角を決める、時間をきる、っていう、そことは違うかな。二度と戻らない瞬間を撮る、時間を切り取るってすごく神聖な行為。原点回帰ってことはそういうとこを中心に作っていかないと、まあ機能大会みたいになっちゃうと、わからなくなっちゃう。特に時間のずれが、それはミラーレス全体の問題かもしれないけど。いつもとは違う車に乗って遊ぶ感じ。

最近のカメラは軽くなりがちだけど、S1Rは違う。重いのは、小細工無しで戦う人には向いているかも。いつもあえてずらして撮るけど、今回は勝手にずれていった。それも面白いかも。あと、あだ名が付くカメラになれば良いと思う。あだ名が付くってことは力強さがあるってことだから。まぁ色々言ったけど、LUMIX、また使いたくなるカメラだなって思った。実際に、この撮影のあとも他の仕事で使ったし。いつもとは違うクルマに乗って遊ぶ感じで楽しいんだよね。

写真集では見られない佐内正史×綾瀬はるか 写真集では見られない佐内正史×綾瀬はるか
アザーカット01
アザーカット02
アザーカット03
アザーカット04
アザーカット05

【使用ボディ+レンズ】
・LUMIX S1R
・LEICA APO-Summicron-SL 75 f/2 ASPH.
・LEICA Summilux-TL 35 f/1.4 ASPH.
・LEICA Summicron-TL 23 f/2 ASPH.

綾瀬はるか写真集 ハルカノイセカイ 01 綾瀬はるか写真集 ハルカノイセカイ 01
佐内正史
佐内 正史

1968年静岡県生まれ。1995年、第12回キャノン写真新世紀優秀賞受賞。1997年、写真集『生きている』でデビュー。2002年『MAP』で第28回木村伊兵衛写真賞受賞。CMをはじめとした映像においても活動を展開。また、2003年、綾瀬はるか主演のショートフィルム「たべるきしない」では撮影監督もつとめた。

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