THE MASTERS GALLERY

相原正明

地球のポートレイト in Hokkaido

オーストラリアを旅したあとは無性に日本の風景が撮りたくなる。
特に北海道と本州。その訳はオーストラリアにない光と湿度感。
乾燥した世界最古の大陸オーストラリア、その色彩を彩度+1とすると、本州は-1、
北海道はその中間、ニュートラルで±0な感じだ。
特に秋から冬の北海道の光を追い求めて旅をすると、光のエーテルの粒子にシベリア寒気団がコーティングされているのではと感じる。
鮮やかな秋の色の表面に、うっすら−50℃の寒気が込められている。
鮮やかな色の中にある冷気、そして冬の光と色の緊張感を今回狙ってみた。
冷房の良く効いたお部屋でご覧ください。

GH5が捉えた4億年前の地球のドラマ

自分にとって一番血沸き肉躍るエリアで、作品のキーコンセプトである「地球のポートレイト」を撮ってみたくなった。
そこで選んだのが西オーストラリア州キンバリー地方。アクセスの難易度はAAAクラス。
その中でも地球のコアがそのまま露出したと言われている、パヌヌル国立公園が今回の旅の目玉。
パワフルな地球のポートレイトがそこにはある。
4億年の大地が生み出す地球のドラマを今回はお見せしたい。
(撮影協力/カンタス航空)

地球のポートレイト

僕が被写体として狙っているのは46億年の生命体地球。その生命体が笑ったり泣いたり怒ったりしたその一瞬を狙っている。
特にタスマニアは40 Degree Southと呼ばれる南極の暴風雨圏にあるため、1分ごとに天気と季節が変わる厳しい自然。
4億年昔から変わらぬ太古の景色が広がっている。まさに生まれたままの地球の姿が残っている。
そして北海道は赤道をはさんでタスマニアと対局の位置。冬が来る前の最後の秋の光と色が、まるで地球のほほえみのようだった。
南半球と北半球。同じように島という条件を通してみた地球のポートレイトを狙ってみた。

相原正明MASAAKI AIHARA

1958年東京都出身。1988年よりオーストラリア大陸の魅力の虜になり、それ以来かの地で地球のポートレートをテーマに撮影。オーストラリア最大の写真ギャラリーThe Wilderness Galleryでも日本人初の個展を開催。以後ドイツ、韓国、アメリカでも個展を開催。日本では2016年、富山県ミュゼふくおかカメラ館で大型写真展Double Portrait開催。写真集等多数。