THE MASTERS GALLERY

高橋真澄

冬の富良野・美瑛、一期一会の世界

冬の富良野・美瑛はとても厳しく移り変わりも早い。
その一瞬、刹那で見せる光景はとても崇高で美しい。
しかし、写真で撮影するためには体力的、機械的にも大変。そして精神的にも思考が低下してしまう。
だから簡素に素早く用意、操作ができ、信頼のおける道具はとても重要になってくる。
G9 PROになり撮影の動線がさらに良くなってきた。
当然機能も上がり写りも良くなってきているのだが、私にとっては被写体に対しての意識を阻害せず
手足となって追従してくれる道具としてのG9 PROは最高だ。

春の富良野・美瑛

春の富良野・美瑛は転がるように過ぎてゆく。
雪解けの合図と共に一斉に萌え始め、鮮やかな新緑へと変化し花々たちが彩りを添える。
ネコヤナギから福寿草、水芭蕉、カタクリ、桜が終わる頃新芽の赤や黄色の春紅葉を迎え新緑へと移り変わる。
水平、垂直移動で季節の変化が大きく2、3日で風景が一変するのでこの時期の撮影はさらに忙しい。
新緑の清々しい緑に包まれていると体が浄化され穏やかな気持ちになる。

冬の富良野・美瑛

冬の富良野・美瑛は雪が降り真っ白な世界に包まれる。彩る丘は隠されてとてもシンプルで造形的な世界だ。
-30度以下にもなる凍てついた季節ではあるが、その分自然は神秘的な現象を与えてくれる。
ダイヤモンドダスト、サンピラー、彩雲、彩氷、霧氷など凛とした荘厳な景色に心洗われ魅せられる。
天候は場所や時間で目まぐるしく変化するが、その変化がこの季節の醍醐味でもある。

高橋真澄 MASUMI TAKAHASHI

1959年北海道生まれ。大学時代より北海道の山を中心に撮影し始める。丘をはじめとする美瑛・富良野の自然風景を独自の感性で表現し続けている。著書多数。写真集初刊行から30周年の写真集を製作中。

『風雅 - 富良野・美瑛の四季』

長きにわたって富良野・美瑛の風景を撮り続けている高橋真澄氏が、淡々と流れゆく日本の自然観を意識し、枠にとらわれず、各々の思いを通じて想像して感じていただけるよう作り上げた写真集。(LUMIX GH4で撮影された写真を中心に構成。)

1500円(本体) / 90ページ / 高橋真澄著 / 発行 青菁社