毛髪診断士® 美香さんにインタビュー 今日から美髪のためにできること


毛髪診断士®/ビューティ・プロデューサー
美香
青山で20周年(2022年)を迎えたAMATAオーナー。ファッションデザイナーから転身し、ビューティ・プロデューサー、毛髪診断士®、イラストレーターとして活躍中。
多数の美容業界人から支持され、ヘアだけでなくビューティー全般に携わり、ビューティーのオピニオンリーダーとして雑誌やメディアに多数出演する他、ブランドのプレス、またコンサルティングなど活躍は多岐にわたる。
2019年出版の監修本「美髪力!」は、頭皮と髪の現代の悩みが1冊で網羅できることから、一般の方をはじめ業界の美容師たちからも大絶賛されRakutenブックスで1位の深堀したヘアロス本である。
Instagram:@mikaamata
Q.キレイな髪とはどんな髪?
適切な水分量(11~13%)を保ち、しなやかでまとまりのある状態の髪のことをいいます。
ハリ・コシ・ツヤの存在感が際立つ美しい髪は、気分まで上向きにしてくれますよね。

Q.美髪を育てるためにまずやるべきことは?
「すでに生えている髪」と「これから生えてくる髪」、それぞれへのヘアケアポイントをご紹介します。
すでに生えている髪に対しては、髪の水分を保つことがポイントです。

POINT.1 髪の乾燥を防ぐ
髪が乾燥すると、ゴワついた見た目になってしまいます。シャンプーの後、タオルドライをしたウェットの状態で、オイルやクリームを髪に密着させましょう。油分が膜になり髪を覆うことで、髪内部もうるおいが逃げず、ぷるんとした美しい状態を保つことができます。

POINT.2 トリートメントする
週に2~3回は、自宅でのインバストリートメントを行うのがおすすめです。
目の細かいコームでトリートメントを伸ばすように丁寧にコーミングした後、10分ほど置くことで、トリートメントの油分や栄養分などの成分を満遍なく浸透させることができます。

頭皮をケアすることでこれから生えてくる髪を美しく高密度に育てることが可能です。

POINT.3 シャンプーを正しく行う
38度くらいのお湯で1分間の予洗いをした後、シャンプー剤を掌にとり、頭に点在させて頭皮と髪を一緒に洗い泡立てます。
指の腹でぐるぐるとマッサージするように頭皮を洗い、頭頂部は左右の下から上に指をクロスオーバーさせましょう。
耳の近くや額などの生え際も忘れずに、皮脂やコスメの油分をしっかり落とすことで、健康な髪を育てることを意識しましょう。

POINT.4 ブラッシングをする
ブラッシングで頭皮についている汚れやほこりを取り去り、頭皮を清潔に保つようにしましょう。
気持ちいいくらいの強さでブラシの先をグッと頭皮に押し当てることで、マッサージ効果も期待できますね。
使用するブラシでおすすめなのは、根本がクッションで毛先が球状やリング状のもの。頭皮に適度な刺激が与えられるものが良いですね。

Q.ヘアカラーを長持ちさせるには、どうしたらいいの?
ヘアカラーの退色をおさえるには、髪をダメージから守ることが重要です。
ダメージを受けた髪は、キューティクルがはがれ、内部がスカスカになった状態。そうなるとカラーリング剤を吸収しやすい反面、シャンプーなどですぐにカラーが抜けやすくなってしまうのです。
インバストリートメントは日頃から行うのが理想ですが、ヘアカラーをする前日の夜には必ず行いましょう。
ヘアカラーをすると、どうしても髪は傷んでしまいますが、ダメージを深くしないために事前に土台づくりをし、髪に体力をつけておくことが大切です。

Q.紫外線は髪にも影響するの?
紫外線をダイレクトに受ける頭皮は、顔の3倍以上の紫外線にさらされているといわれています。
紫外線は、頭皮への影響だけではなく、パサつきや枝毛・切れ毛、静電気やフケの発生原因になる可能性があります。年間を通した紫外線ケアは必須です!
まず紫外線と接する面積を減らすことが大切。
髪用や全身用のUVケア用品や、UVプロテクト成分を含有したヘアオイルなどを活用した上で、さらに日傘や帽子などでカバーをするとよいでしょう。
特にダメージが蓄積しやすい毛先は、お団子にして内側に入れ込んでしまうのもおすすめです。

Q.摩擦による枝毛ができないようにするためには?
乾いた髪に乱暴にブラッシングするのは、絶対に避けてほしいですね。
キューティクルを傷つけ、頭皮にトラブルを起こす可能性もあります。
髪は繊維の結束なので、ブラシが引っかかって切れ毛になると、そこから繊維がバラバラになり枝毛になってしまいます。
正しくブラッシングすることはもちろんですが、寝るときはふんわりとタオルターバンなどで髪をまとめておくことで摩擦を防ぐことができます。
また、乱暴なシャンプーもキューティクルを傷める原因になるので、気をつけましょう。

Q.上手なドライヤーの使い方を教えて!
ドライヤーの役割は髪を乾かすことだけではありません。
「正しく使うことで、髪のツヤが出てきた」という、うれしい報告もたくさんあるので、みなさんもぜひマスターしてください。

POINT.1 タオルドライ後にヘアオイルを
シャンプーの後、タオルドライ後に、濡れた状態の髪にヘアオイルなどをなじませます。
この後に使うドライヤーの熱により、ヘアオイルをキューティクルにしっかりと付着させることができます。

POINT.2 キューティクルの目に合わせてヘアドライ
キューティクルの目に合わせ上から下に風をあてることで、キューティクルがぴったりと閉じて密着性が高まります。
ダメージをおさえるために、1か所に集中してあてないことや、ドライヤーを髪に近づけすぎないことも大切です。

POINT.3 仕上げに冷風をあてる
最後に冷風をあてることでキューティクルが整い、ツヤが出て美しくまとまります。
髪にうるおいを与えてくれるタイプのドライヤーを使うと、さらに水分を湛えた深みのある髪色に仕上がるのでおすすめです。

おうちセルフビューティのすすめ
ヘアケアについて
在宅時間が“宅バテ髪”を招く?
在宅時間が長くなることで、生活リズムの乱れやサロンへ行く回数が減り、 “宅バテ髪”になっていませんか?
在宅時間が長くなることで、ストレスや運動不足により頭皮環境が悪くなって新生毛への栄養が不足したり、 自宅での慣れないセルフカラーなどにより、髪にダメージをあたえてしまう“宅バテ髪”さんが増えています。

髪のケアは頭皮から
頭皮ケアの第一歩は清潔を保つこと。毎日洗髪を行うことはもちろん、シャンプーの際には頭皮への心地よい刺激を意識してみてください。
また、ブラッシングも重要です。マッサージ効果も期待でき、適時髪に付着したホコリを取ることも大切ですよ。
上手なヘアドライで美髪に
洗髪後はいかに速く乾かすかが重要ですので、ドライヤーのパワーは大切。
温風と冷風を上手に使って、ツヤ髪に仕上げてください。

ドライヤーは髪を乾かすためだけのものではなく、キューティクルの密着性を高めるものなど、機能を意識して選んで欲しいですね。
髪にうれしいアプローチを続けて、美髪を育てていくことで、きっと日々の気分もアップできるはずです。