【高知県】歴史あるお寺×ポップアート!?四万十町のあっと驚く挑戦

監修・ライター:歌なし編集部
2022年9月28日 地域

タイトル写真:©!SHiMANTO

四国遍路の第37番札所である高知・四万十町「岩本寺」。およそ1300年の歴史を持つこのお寺が、最近、かなりポップに変貌しました。一体どうしたのか?住職と町の人のユニークな取り組みを紹介します。

お寺とポップアートがコラボした理由とは?

高知県四万十町にある「岩本寺」。四国八十八か所の霊場を巡るお遍路さんが立ち寄る札所のひとつであり、由緒あるお寺として地元の人や参拝客にも親しまれています。

そんな岩本寺の境内に足を踏み入れる前、訪れる人たちの目に最初に飛び込んでくるのは、落ち着いた雰囲気の山門に映える色鮮やかなポップアート作品です。
さらに境内を見渡すと、そこここに目が覚めるような原色のアートが!

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写真:お寺に作品を描くSHETA(シータ)さん

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写真:お寺の地面に描かれたポップアート

この作品たちを描いたのは、世界で活躍するポップアーティストのSHETA(シータ)さんです。どうしてお寺とポップアートがコラボしたのか?その狙いを岩本寺住職、窪 博正さんにうかがいました。

「SHETA(シータ)さんには、お寺だけでなく段ボール工場全体や、とあるお店の片隅など、地域の中で何か所かに『四万十町』をテーマにしたポップアートを描いてもらっています。その絵の数々を見てもらうことで街を周遊してもらおうというのが取り組みの意図です。
確かに、お寺とポップアートとのコラボは珍しいですよね。私自身も出来上がるまでは少しドキドキしました(笑)。しかし、『実際に見ると案外違和感がないね』とお越しになったみなさんの反応も上々です」。

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写真:壁に描かれたポップアートの前で女性が両手を広げているイメージ

こうして、四万十町を盛り上げていこうと始めた活動。
住職は町の人と一緒に「しまんと街おこし応援団」を結成し、自ら団長となり様々な取り組みを始めています。

その中で岩本寺を中心に始めた活動が、「!SHiMANTO(あっとしまんと)」だそう。
「あっと驚くことを四万十町で体験してもらいたい」という想いが込められた活動名は、聞くだけでもなんだか楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

お寺でサウナやキャンプにヨガ!四万十川で水中禅も

では、「!SHiMANTO(あっとしまんと)」ではどんなことをしているのでしょうか?窪住職にうかがうと…

「お寺でテントサウナの檜バージョンをやってみたり、お寺でキャンプが出来たり、ヨガをしたり、四万十町内にはありがたくも四万十川が流れているので、川に入っていただいて禅を組む、水中禅も行っています」と、あっと驚くようなお話が!

©!SHiMANTO

写真:お寺でキャンプをしている様子

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写真:お寺にあるサウナ小屋と、その外で男性と女性がリラックスしている様子

加えて、「お寺でサウナは他では聞かない、珍しい取り組みだと思います。これは、四万十町に小さなサウナ小屋を作っている方がいて、その方とのご縁が取り組みのきっかけになったんですよ。
また、お遍路さんの中には車で来られる方も多く、テントを張って過ごす方もいらっしゃるので、『折角だったら場所を用意してもいいかな』と始めてみました」と、教えてくださいました。

すごく柔軟な発想と行動力。お話しを聞いているだけでもワクワクします。

私がやってみたいなと思ったのは、四万十川での水中禅。
あの清らかな四万十川の流れの中で座禅を組む…。水の流れや冷たさを感じ、周りの景色を楽しみ、心も体もリラックスできそうです。

「参加した方からは、『まさかこんな体験が出来るとは思わなかった!』という声がたくさん寄せられています。やってみると『おもしろい』と言ってもらえる、特別な体験だと思います」とは、窪住職の言葉です。

©!SHiMANTO

写真:四万十川で水中禅をしている様子

上述の他にも、岩本寺では定期的にマルシェを開催していて、カフェを開いてカレーを販売したり、東南アジアでよく見られる三輪タクシーのトゥクトゥクを走らせたり、「とにかくおもしろいことをやってみようの精神」で活動されているとのことでした。

「来て楽しい、やって楽しい」が叶う場所から笑顔と元気が生まれる

岩本寺では、地元のお店と連携してお寺でお味噌づくりをしたり、門前にある和菓子屋さんに手ほどきを受けて和菓子作りをしたりと、地元のお店とタッグを組んだ体験も数多く行ってきたそうです。
また、お寺だけでなく、商店街の空き店舗を利用して、様々なテーマごとに本を並べた「しまんと古書街道」などのプロジェクトも進めているそう。

「!SHiMANTO(あっとしまんと)」の活動はまだ始まったばかりだと聞きましたが、こんなにいろんな挑戦をされているのだから、今後の展望も気になりますよね!

これについて窪住職は、新型コロナの影響でお遍路さんがまったく来られなくなったコロナ禍があればこそ、本当に続けていけることを見極める機会になったし、整理しながらやっていけることを続けていきたい、と言い、次のような想いを聞かせてくださいました。

「昔の賑わいを完全に取り戻すことは難しいと思うけれど、『ちょっとおもしろいことをしている大人が四万十町にいる』と知って、いろんな人に来てもらったり、町内に住んでいる若い人が、『あっ、こんなことやってもいいんだ』と、思ってもらえたらありがたいですね」。

岩本寺住職の窪 博正さん ©!SHiMANTO

コロナ禍に限らず、地方都市は少しずつ寂しくなっているのが現状と言われています。
しかし、四万十町の「!SHiMANTO(あっとしまんと)」のような取り組みは、訪れた人に新たな体験の機会をもたらし、町の人にも何かにチャレンジすることの楽しさを広めていくことになるはず。
そして、そんな場には自然と笑顔が生まれたり、元気が溢れていくのだと感じました。

これから、四万十町の「!SHiMANTO(あっとしまんと)」がどう盛り上がってくるのか、ぜひみなさんも実際にこの地を訪れて、楽しみながら応援してくださいね!

今回は、AMラジオ37局で放送しているパナソニック提供の長寿番組「歌のない歌謡曲」のRKC高知放送からお届けしました。

RKC高知放送の「歌のない歌謡曲」は、毎週月~金 午前7:45~8:00に放送しています。
担当しているのは、高橋 生さんです。

高橋 生さん
歌のない歌謡曲

監修・ライター:歌なし編集部

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番組はスマートフォンやアプリ・パソコンでもお聴きいただけます。
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2022年9月28日 地域

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