【福井県】六条大麦の麦ストロー 普段使いのSDGs

監修・ライター:歌なし編集部
2022年10月28日 地域

押し麦や麦茶の原料となる六条大麦。福井県はその国内生産量トップを誇り、県内外に広く出荷しています。さらに最近は「茎をストローとして使う」という新たな活用法にも注目が集まっています。

福井県の六条大麦とは?

5月下旬から6月上旬は六条大麦の収穫時期。
しっかりと実った麦の穂が黄金色に輝く様子は、福井の初夏の風景として知られています。

JA福井県によると、今年は天候に恵まれたことから生育は順調とのこと。収穫された麦は、麦茶や麦ごはんとしてみなさまの日常に登場します。

写真:六条大麦

そんな六条大麦。実は今、食用としてだけでなく「麦の茎で作るストロー」としての活用にも注目が集まるようになっています。

麦ストローを作り始めたきっかけは?

福井市の企業「大麦倶楽部」は、麦ストローを作って今年で4年目。
同社はこれまでも、福井県産の六条大麦を使って、麦茶やうどん、カレールーやスイーツなどの商品を開発・製造、販売をしてきた会社です。

そんな「大麦倶楽部」がどうして麦ストローを作るようになったのか、代表取締役の重久 弘美さんにうかがいました。

「私は以前、保育士をしていました。六条大麦の収穫時期には、子ども達と麦畑まで歩いて行って、麦ストローを作ってお茶を飲んだりして遊んだものです。その時に感じた麦畑を通り抜ける風の心地よさをお客さまにも感じていただけたらと考え、ノベルティとして作って届けたのが麦ストロー誕生のきっかけです」と、重久さん。

そうして「大麦倶楽部」のお客さまの間に麦ストローが広まり、「商品として作ってほしい」といった反響が増えたことから商品として販売するまでになったそうです。

写真:麦ストローが入った麦茶のイメージ

「近年、SDGs(持続可能な開発目標)への関心も高まっていますが、そうした世の中の変化も麦ストローにとって追い風になったのだと思います」と、教えてくれました。

麦ストローの作り方は?

これまでは「畑に残った麦は肥料になっていた」という六条大麦。これを麦ストローにするのは、意外に手間がかかるようです。

「大麦の茎のフシを取り除いて、15~20cmほどの長さに揃えたものが『麦ストロー』です。大麦の茎は皮を剥くとピカピカでツルツル、スベスベもしています。中は空洞なので、カットしただけでストローの完成形にはなります。
ただ、自然のものなので、茎の太さには個性があり、黒や茶色の模様がついているものもあります」と、重久さん。

フシとフシの間の長さや茎の太さはどれひとつ同じではなく、そのため「製造工程はすべて手作業になってしまう」とのこと。
「福祉事業所にも作業をお願いしているんですよ」と、農業と福祉事業がタッグを組む「農福連携」の動きにもなっていると教えてくれました。

写真:六条大麦を手作業で麦ストローにしている様子

普段使いのSDGsを体現する麦ストロー

私も実際に麦ストローを口にしてみましたが、唇に触れた感触が滑らかで優しく、くっつかないし味もせず、つぶれることもなくて、「これまで使っていたストローと同じように使える」というのがちょっとした驚きでした!

写真:六条大麦で作られた麦ストロー

重久さんに寄せられるお客さまの声にも、「使いやすく、自然のものだから良いですね」というものが多いそう。さらに、「福井県産品を使いたい、福井県の特産品でおもてなしをしたい」というこだわりのある飲食店や宿泊施設からも声がかかることが増えていると言います。

「使ってもらえる間口が広がってきたように思いますし、嬉しいです。作ってきて、ようやく認められたと感じますね」と言う重久さんの表情はとても優しくいきいきとしていました。

六条大麦で作られた麦ストローは、持続可能な社会に向けたSDGsの取り組みの高まりもあり、プラスチックに変わるエコなストローとして注目を集め、昨年度の生産はおよそ25万本と前の年度の約5倍となっています。
この広まりが今後も続くよう、さらに応援したくなるエピソードですね!

全国に広がる「ふぞろいのストロープロジェクト」

重久さんが経営する大麦倶楽部では、最近「ふぞろいのストロープロジェクト」という新たな取り組みも始めたそうです。

「このプロジェクトは、全国の麦の生産者や福祉施設の利用者、理念に賛同している企業の集まりです。各地で麦ストローを作っている人たちと一緒に、環境保全や農福連携といった目標をたくさん達成していこうと活動しています」と語る重久さん。
とても強い意気込みを感じました。

写真:麦の収穫をしている様子

最後に重久さんは、「麦という素材をいろんなところで使って欲しいし、麦ストローから福井を思い出してもらえれば嬉しいです。特別なものではなく、普段使いで。友達に紹介したり、自分で使ったりしてもらうのはもちろん、麦ストロー作りを体験できるようなイベントも開催しているので、親しんでほしいです。そうやって、この取り組みが循環してほしいと考えています」と今後の抱負を語ってくれました。

地球環境への意識が高まる中、全国に広がっている麦ストロー。
福井に住む私たちにとっても、全国トップの生産量である福井の六条大麦を改めて誇りに思えるような取り組みです。

六条大麦で作られた麦茶を麦ストローで飲むと、麦畑の風が感じられるようですよ。
みなさんもぜひ、使ってみませんか?

今回は、AMラジオ37局で放送しているパナソニック提供の長寿番組「歌のない歌謡曲」FBC福井放送からお届けしました。

FBC福井放送の「歌のない歌謡曲」は、毎週月~金 午前7:45〜8:00に放送しています。
お届けしているのは、亀島 愛永さんです。

写真:亀島 愛永さん
歌のない歌謡曲

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2022年10月28日 地域

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