ご家庭に“極上のコーヒー体験”を届ける新プロジェクト「おうちカフェ」【後編】

コーヒーのプロフェッショナルとともに、再び沖縄の「アダ・ファーム」で開催した「The Roast secret session in Ada vol.2」。前編では農園の見学と、日本焙煎チャンピオンたちによる熱いトークセッションの模様をお伝えしました。いよいよ本編では新しいプロジェクト“おうちカフェ”についてご紹介していきます。

これから続いてほしい未来に想いを込めた、はじまりの味

スペシャルティコーヒーに認定された「安田珈琲」の農園を見学後、お互いが目指す味づくりについて、熱いトークセッションを繰り広げた日本の焙煎チャンピオンたち(前編はこちら)。その中で「個性を感じるもの」が良い焙煎だと語った、2017年日本焙煎チャンピオンの仲村良行さん。前回のイベントでは「安田珈琲」の独特の甘さを個性ととらえ、それを生かした「AKATITI(アカチチ)」という焙煎豆を2種(浅煎り・中深煎り)つくってくださいました。今回もその「AKATITI」がゲストの皆さんの手元に配られていきます。

上品な甘みと酸味があり、サトウキビのようなアフターテイストが感じられる浅煎り(黄緑色のカップ)と、その発展系として黒糖のような甘苦い味わいがある中深煎り(茶色のカップ)。仲村さんは特に中深煎りの味つけに悩んだそうで、苦味を感じるギリギリ手前で仕上げたそうです。

そして「AKATITI」という名前の由来には、仲村さんの熱い想いが込められていました。「『安田珈琲』はスペシャルティコーヒー認定っていうすごいことをやってくれた。沖縄から世界に通用するコーヒー豆が育つという、沖縄だけでなく、日本のコーヒー業界にとっても、明るい光を射してくれたんです。安田の東海岸に昇る眩い朝日のように、これから生産国としての産業や文化が育っていくことを願って、沖縄の方言で夜明けや朝焼けを意味する『アカチチ』という名前をつけました」

安田珈琲の焙煎豆AKATITI

一杯に秘められたストーリーを伝えることの重要性

ゲストは2つのカップを交互に飲みながら、味を確かめるように試飲していきます。2016年バリスタ世界大会第2位の岩瀬由和さんは、浅煎りが好みだといい、次のように感想を続けました。

「特徴的な甘さは両方から感じました。特に浅煎りの方は、穏やかな酸味もあって、複雑な味わいがより出ているので僕の好み。でも中深煎りもイメージしていた通り、黒糖などの甘みがちゃんと感じられました。和菓子にあいやすいコーヒーという印象。おまんじゅうとか、おはぎと食べたりしてみたいですね」

バリスタはコーヒーの魅力を伝える「伝道者」のような存在だと語る岩瀬さん。お客さま(消費者)と直接対面できる立場だからこそ、それが務めだと考えているようです。
「コーヒーって見た目は同じに見えるけど、一杯一杯の背景には、ストーリーや歴史、多くの人の手が加わっているというところにロマンがある。コーヒーとはそういう飲みものだいうことをお客さんに伝えていくことが僕の夢であり、務めだと思っています」

さらにコーヒーがおいしく感じる空間とは?

生産者からロースター、ロースターからバリスタ、そしてバリスタからお客さま(消費者)へとバトンをつなげていく、コーヒーのリレー「From Seed to Cup」。このプロセスこそがコーヒーのおいしさを決める大切な要素ですが、それをさらにご家庭で楽しんでいただくために、「The Roast」は“おうちカフェ”という空間コンセプトで、極上の一杯をご提供したいと考えています。それは、大切な人とおいしいコーヒーの時間を共有できるシーンや空間をご提供すること。この“おうちカフェ”実現のためには何が必要か?これからコーヒーのプロフェッショナルの方々と一緒に考えていきたいと思います。

自分にとって居心地の良い空間であることが一番大事

イベント会場に突如として現れた、お家のような空間。これが今回「cafenoma」の刈込(かりこみ)隆二さん、弓庭暢香(ゆばのぶか)さんご夫妻にご用意してもらった「おうちカフェ」です。

「cafenoma」は“cafeの間”=カフェのような空間・時間を大切にするというコンセプトで、コーヒーに関わる空間づくりや、店舗プロデュースなどを手がけるユニット。もともとは別々のお仕事をしていたお二人。客室乗務員として家をあけることが多かった弓庭さんも、家で仕事をすることが多い刈込さんも、ホッとしたり、気分を変えたりするために、家でコーヒーを飲むのがつきものだったそうです。そんなコーヒーのある暮らしを写真に切り取り、Instagramに投稿したところ、今では12万人のフォロワーから支持され、さらに2015年にはその写真をまとめた書籍「うちカフェ」も出版されています。

極上の一杯をご家庭で楽しんでいただくためにどのような空間づくりが必要なのか、そのことを考えるために、お二人に最適な“おうちカフェ”をコーディネートしていただきました。

「私たちは“居心地”を一番大事にしています。ですので自分の家を思い出すような、普段のcafenomaのしつらえが詰まった、シンプルな空間に仕上げました。」

パッと目を引くティーポット型のランプは、弓庭さんのお気に入りで、実際にご自宅でもつかっているものだとか。あたたかく照らされたそのランプの下に座るだけで、ホッとするようなコーヒーカウンターです。好きなものに囲まれると居心地が良いと語る弓庭さんのお気に入りがいろんなところに散りばめられています。

おうちカフェ

おいしいコーヒーを家で味わう、その環境づくりも楽しんでほしい

岩瀬さんもコーヒーアイテムについては、まずは自分の気に入ったもので揃えることが一番だといいます。

「機能性よりもまず、自分の気に入ったデザインの器具でコーヒーを淹れる環境を整えることが大事だと思います。そして自分が好きなものでコーヒーを淹れる喜びを覚えること。もっとカフェの味に近づきたいと思ったら、アイテムを買い足していけばいい。家で楽しむ場合は、環境づくりというプロセスをロングスパンで楽しんだらいいと思います」

「置いておきたくなるデザインの器具だと良いですよね」と続ける後藤直紀さん。
「家庭のキッチンでは調理器具が優先されて、コーヒー器具は収納されてしまう。そうするとだんだん使わなくなっちゃうんですよね。あくまでも家は生活空間なので、いかにそこに溶け込ませるかということが大事だと思います」

どれもこれも、深く頷いてしまうようなご意見ばかり。コーヒー初心者から上級者別に、選べるコーヒーステーションだったり、インテリアとしても部屋に馴染むような器具だったり、自分の好みにあわせてカスタムできるようなコーヒー空間だったり。今回いただいたたくさんのヒントを持ち帰って、具体的にどう“おうちカフェ”として商品やサービスに落とし込んでいくか、考えていきたいと思います。そして最終的には、そのような空間で家族や友人など、皆さまの大切な人へ極上の“おもてなし”が提供できるように、おうちカフェの空間価値を高めていきたいと考えています。

未来につながるプロジェクトへ

おうちカフェから会場へ戻ると、三線の音色が聞こえてきました。この土地で誕生したスペシャルティコーヒーを祝福するかのように、沖縄と所縁が深く「島唄」でも御馴染みの音楽家である宮沢和史さんがその音色を高らかに響かせます。宮沢さんは今回の『The Roast コーヒーAIランドジャパンプロジェクト』と、ご自身が取り組んでいるプロジェクトに相通ずるところがあったとお話してくださいました。

「『三線』の棹(さお)の部分は、もともと県産の黒木(くるち)を使って作られていましたが、現在は絶滅してしてしまって、輸入品に頼っている状態です。黒木は育つまでに約100年かかるといわれていますが、沖縄県産の三線を復刻したいという思いで黒木を育てるプロジェクトを立ち上げました。そこで毎月プロジェクトに賛同してくれる人たちと草刈りをしているのですが、その中には私のような三線を演奏する人も、そしてその音楽を聞く側の人も、立場の異なる人たちが同じ未来をみつめて、同じ場所に集まっている。それが今回生産者からロースター、バリスタなど様々な人たちが集まったこのプロジェクトととてもよく似ているなと思っていました」

いつか日本もコーヒー生産国として名を上げること。そしてそのコーヒー豆と、コーヒーのプロフェッショナルたちの匠の技を、私たちの培った技術と融合することで、ご自宅で極上の一杯が楽しめる未来をつくること。それが形になるには、もしかしたら長い時間が必要かもしれません。でもその未来が必ず訪れると信じて。私たちのプロジェクトはまだまだ始まったばかりです。
私たちの想いを届けるため、各地でのイベントを計画中です。いつかあなたの街でお会いできる日を楽しみにしています。

【関連リンク】

cafenoma (オトノマ株式会社)

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