GOLPIE COFFEE 河合佑哉さんが感じる「The Roast Expert」の魅力

品質を大切にする専門店には必要不可欠
「The Roast Expert」をサンプルロースターとして徹底的に使いこなしています

河合佑哉さんは、愛知県名古屋市にある「GOLPIE COFFEE(ゴルピーコーヒー)」のオーナー焙煎士。2015年度ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ優勝し、日本チャンピオン焙煎士として各種セミナー講師等で幅広く活躍する傍ら、日本人では数少ないコーヒー豆の国際品評会Cup of Excellence(カップオブエクセレンス)の国際審査員の一人として毎年海外で行われる審査会や産地に赴いておられます。磨き抜いた国際レベルのセンスと高度の焙煎技術により、これまでにコーヒーに慣れ親しんだ方にもそうでない方にも、「こんなコーヒーがあったのか」と新発見とともに、「また飲みたい」と思わせるような香り、味の繊細さがわかりやすいコーヒーを日々追及されています。
河合さんには、「The Roast Basic」用のプロファイル作成や、「The Roast Expert」の企画段階にはプロの焙煎士&自家焙煎店経営者の視点から貴重なご意見を多数頂戴しておりました。今回は、「The Roast Expert」をサンプルロースターとして日常の業務に上手に生かす方法を詳しく教えて頂きたいと思います。

プロが感じる「The Roast Expert」の魅力プロが感じる「The Roast Expert」の魅力

使い勝手の良い「The Roast Expert」は活用すればするほど生産性がアップ

サンプルロースターは品質を大切にするコーヒー専門店としてなくてはならない設備の一つと私は考えており、ゴルピーコーヒーでも販売用のコーヒーを焙煎する25kgの大型焙煎機(PROBAT製)と共に直火式のサンプルロースターを使用しています。お客様に販売する大量のコーヒーを焙煎する大型焙煎機とは別に、100g程度の少量のコーヒーを焙煎できる試験用の小型焙煎機のことをサンプルロースターと呼び、大きく2つの使用目的を持っています。

1つめは、サンプルローストとして、仕入れる以前に生豆の良し悪しを判断する為に使用します。
2つめは、プロダクトローストとして、仕入れた豆をお客様に提供する商品にしていく味づくりの工程で使用します。
ゴルピーコーヒーでは、「The Roast Expert」を導入し始めた当初からサンプルロースターとして幅広く使用しており、使えば使うほど使い勝手の良さがを感じましたので、是非皆さんにサンプルロースターとしての使いこなし術をお伝えしたいと思います。

仕入れようとしている生豆の良し悪しを的確かつスピーディーに判断

ゴルピーコーヒーでは、仕入れ前に素材の味を確認するサンプルローストはすべて「The Roast Expert」を使用し、自身で作成したサンプル確認用のプロファイルでテストをしています。皆さんが普段の営業で使用しているメインの焙煎機によって特徴が違いますので、その特性を見極めたサンプルプロファイルをいち早く見つけて頂くことが「The Roast Expert」の使い勝手を良くするために必要となりますが、それさえ完成してしまえば非常に生産性の高いサンプルロースターとなります。

「The Roast Expert」での焙煎は、素材の味がはっきり出ますし、しかも焙煎直後から味がしっかりと出るため、すぐに確認作業に入れます。また、連続焙煎が可能なため待つことなしに焙煎できますし、予熱含めてプロファイル通りに自動で焙煎してくれますので、本焙煎やルーティンの作業をしながら次々にサンプルを作成でき、作業効率が非常に良いです。直火式のサンプルロースターの場合は、焙煎準備のために釜を温める必要があり、おまけに片付けにも時間がかかるので、結局1サンプル作成するだけでも1時間程度かかってしまい、作業時間が長くなってしまっていました。その点「The Roast Expert」はプロファイルを一度作ってしまえば、1サンプル最大15分ですので、1時間もあれば4サンプル作成することが可能となります。そして最も重要な再現性の高さも満足のいく性能でした。

プロダクトローストとして、味のグラデーションを狙った通りに行えるのが非常に魅力的

お客様にご提供する味づくりの工程であるプロダクトローストとしても「The Roast Expert」を使っています。「The Roast Expert」での焙煎は味がはっきりと出る分、ごまかしのきかないストライクゾーンの狭い特徴があります。時間・温度・風量を1秒・1℃・1%単位で細かく調整しながら、味のグラデーションを確かめる為の焙煎が自分の狙った通りに行えるのが非常に魅力的です。

また、「The Roast Expert」は最大50gという非常に少量で焙煎できますので廃棄ロスが少ないこともメリットです。例えばゲイシャ種などの高級豆をテストするときもそうですし、最近では中南米系のコーヒーは毎年新しい生産処理方法の生豆や新品種がどんどん登場しています。そういった今までにはなかった豆の特性を掴むためのテストをする機会が増えていますので、「The Roast Expert」の活用シーンがどんどん広がっています。

ゴルピーコーヒーの現場での活用をセミナーでご紹介

2019年1月に実施した特別セミナーでは普段サンプルローストとして使っている「The Roast Expert」用のプロファイルを用いて焙煎した豆を数種ご用意し、ゴルピーコーヒーでの活用方法をご紹介しました。

ゴルピーコーヒーではPROBATONE25kg(半熱風式)焙煎機でダンパーの微調整が不可能なものを使用しています。日頃の実務で使用している焙煎機の風味の特性をイメージしながら、どの豆にも対応する「The Roast Expert」用のサンプルローストプロファイルを試行錯誤を繰り返して作成しています。素材の味を確認するのに、サンプルローストのプロファイルを1つに絞っておくことで、同じように焼いてくれるので、豆の良し悪しを判断するのに非常に役立ちます。良くない豆だと素直に悪い部分が出ますので、素材の仕入れを「する」か「しない」の的確な判断が可能となります。

セミナーでは参加者の方にもカッピングをしてもらいながら、一種類のサンプルローストプロファイルで複数のコーヒーの品質の見極めが可能だということを確認して頂きました。

■サンプルで使用したコーヒー
※すべて同じプロファイルで焙煎
①ブラジル サントアントニオ ナッティブレイク(The Roast Basic専用)
②ニカラグア オホ・デ・アグア農園 カトゥーラ フリーウォッシュド
③コロンビア COE上位入賞ロット ゲイシャ・カトゥーラ
④ケニア キリマヒガ
⑤グアテマラ エル・インヘルト農園オークションロット パカマラ ナチュラル

次に、ブラジルのコーヒー(ナッティブレイク)を「The Roast Basic」用に商品化した際の事例を踏まえて、「The Roast Expert」でサンプルローストしてからプロダクトローストをして商品化するまでの活用例をご説明させて頂きました。
まず、基本のサンプルローストプロファイルでブラジル(ナッティブレイク)の豆を焼いて感じたのは、このコーヒーの持つ甘さを活かすためにもう少し味の厚みをだしてもいいのかなという事でした。ですから、焙煎中の一定区間の時間をちょっと延ばそうかなと思いました。
セミナーではその過程で作成したサンプルを3種ご用意し、実際にカッピングをして違いを確認頂きました。

プロダクトローストとして活用するポイント

プロダクトローストとして活用するためのポイントは二つ。
一つは焙煎前にプロファイルが決定できて再現性も高い「The Roast Expert」の“虎の巻”を作成すること。
ここでいう虎の巻とは「The Roast」で調整できる「時間・温度・風量」の「どの項目を焙煎中のどこの部分でどれだけ変化させたら、最終的に出来上がったコーヒーにどういう味の変化が出た。」という虎の巻です。
二つ目は、前述にもありましたが「実務で使用している焙煎機の風味の特徴をイメージした」サンプルローストプロファイルを作成すること。
この二つのポイントがクリアできれば原料の仕入れ段階のサンプルローストでは最適な原料のみを仕入れでき、商品作りのためのプロダクトローストでは最適な焙煎度合いを見つけ出し、そこまでのプロセスを実務で使用する焙煎機に落とし込むことができます。
そうすることで最適な原料を最適な焙煎でお客様に提供することができます。

また、「The Roast Expert」を使用して、サンプルロースト・プロダクトローストを日々行なっていると焙煎の構造をより良く知っていくことになりますから、自分の焙煎や本釜の特徴をより良く知っていくことにも繋がります。

The Roast Expertをお勧めするポイント

サンプルローストをする意味は、コーヒー専門店にとって大きな役割がありますが、設備投資としての優先順位はやや低めにされてしまっている所があります。それは、今までのサンプルロースターの導入コストが100万円単位で検討しなければならなかったり、火を入れてから使用可能になるまでの下準備と後片付けに手間がかかりすぎる、煩わしい作業であったりするからだと思います。
でも、「The Roast Expert」は手頃な値段でありながら、とても使いやすく性能も非常に優秀です。本当に生産性の高いサンプルロースターですので、皆さんに是非活用して頂き、いい焙煎豆をどんどん作って欲しいですね。
また、味の微妙な変化(味のグラデーション)を確認出来るので、焙煎を基礎から学ぶのに適した教材としてもお勧めです。共通言語で話せる上に、データに数字が入っているので若手の育成や焙煎セミナーにも向いていると思います。是非色々な場面で活用して下さい。