【辻調グループ監修】基本の「食パンの作り方」!材料とポイントを解説

食パンの基本の作り方についての監修:浅田 和宏(あさだ かずひろ)
ライター:UP LIFE編集部
2023年11月20日 食・レシピ

「パン作りは初めてで不安」という初心者さんでも失敗せずに食パンが作れる基本の作り方を、辻調グループ製パン教授の浅田先生が解説。ふわふわの手作り食パンを楽しみましょう!

【基本知識】初めての山型食パン作りで気をつけることは「計量」「温度」「時間」

写真:木のまな板の上にスライスされた食パンが並べられてるイメージ

パンを作るには、混ぜたり、こねたり、発酵させたり、形を作ったりと、いくつかの作業を行いますが、おおまかな作業は同じでも、パンの種類によって材料や工程が違ってきます。

初心者こそ計量や温度、時間に気をつけて

基本で大切なのは、材料を正確に計量すること。わずかな分量の増減でも、生地の状態や作業に影響してきます。今回紹介するレシピでは、すべてグラムで表示しています。こねる工程では、生地の状態を見ながら根気よく。生地を膨らませる発酵では、温度や時間に気をつけながら作る必要があります。

【道具】パン作りには「はかり」が必須

【山型食パン作りに必要な基本の道具】

写真:山型食パン作りに必要な基本の道具が並べられているイメージ
  • はかり(1g単位ではかれるもの)
  • ボウル
  • 泡立て器
  • 温度計(料理用)
  • ゴムベラ
  • カード
  • こね板
  • めん棒
  • 食パン型
  • パン切り包丁

※ パンを焼く時は、電子レンジなどのオーブン機能を使い焼き上げます。

【材料】スーパーなどで手軽に手に入る材料でOK

【山型食パン作りに必要な基本の材料】

写真:山型食パン作りに必要な基本の材料が並べられているイメージ
  • 強力粉
  • 砂糖
  • スキムミルク
  • インスタントドライイースト
  • バター

(このほか、別途生地がくっつかないように、打ち粉用強力粉とボウルや型等に塗るためのサラダ油も用意します)

山型食パンを作る基本の材料は、主原料となる強力粉、甘みを出して色づきをよくしたりイーストの栄養源となる砂糖、味をととのえる塩、風味をつけるスキムミルク、パンを膨らませるインスタントドライイースト、コクをつけるバター、そして水です。

作りたい山型食パンによって、材料を加えたり減らしたりしていき自分好みのパンを作ることができます。

【ポイント①】材料の計量は1g単位で正確にはかると失敗しにくい

材料を正確に計量することが、パン作りの最初のポイント。1g単位で表示されるデジタル式のはかりがおすすめです。はかりに容器をのせ、0gにリセットして粉類やバター、水をはかりましょう。

写真:デジタル式のはかりで材料を図っているイメージ

【ポイント②】発酵しすぎ?膨らまない?発酵を成功させるには「温度」と「時間」を守る

パン生地が膨らむ過程を発酵と呼びます。上手に発酵させるには、イースト菌が活発に活動する温度、湿度、時間が大切です。オーブンの発酵機能を使えば、温度や時間が設定できるので便利。初めてのパン作りでは、レシピに指示された温度と時間を守りましょう。発酵終了の様子は、発酵前の生地から約2倍の大きさになったぐらいが目安。発酵しすぎると、表面に気泡ができたり生地に弾力がなくなったりするので気をつけましょう。

【基本の作り方】初心者でも絶品の山型食パンができる!

山型食パンの作り方の基本的な流れについて簡単に説明しましょう。大きく分けて「混ぜる」→「こねる」→「発酵させる」→「成形する」→「最終発酵させる」→「焼く」の6段階になります。

ここからは、実際の作り方を詳しく丁寧に解説していきます。

【辻調グループ・浅田先生直伝】絶品!山型食パンレシピ

写真:山型食パンのイメージ

今回、パン作りの指導をしてもらった辻調グループ・浅田先生に初心者でも簡単に作れる山型食パンのレシピを教えてもらいました!

※ このレシピは、スチーム機能のあるオーブンレンジを使用します。

【材料(1斤型1本分)】
強力粉…250g
砂糖…20g
塩…5g
スキムミルク…10g
インスタントドライイースト…3g
バター…25g
水…180~185g
サラダ油…適量
打ち粉用強力粉…適量

【下準備】
バターを室温において柔らかくする。
水は、こねあがった時の生地温度が26℃になるように温度を調整する。

写真:指で押してへこむくらいに柔らかくなったバターのイメージ

指で押してバターがへこむくらいに柔らかくなればOK

【混ぜる】粉っぽさがなくなるまで混ぜる(所要時間の目安:約3分)

【材料を混ぜる】全体によく混ぜる
①ボウルに強力粉、砂糖、塩、スキムミルク、インスタントドライイーストを入れ、泡立て器で全体に混ぜる。
②①に水を少量残して加え、指先で全体をよく混ぜる。パン生地がかたいようなら、粉っぽさが残っているうちに残りの水を加えて混ぜる。
③ボウルの中で、粉っぽさがなくなり、手でひとつにまとまるまで混ぜる。

写真:①②③、材料を混ぜてるイメージ

【こねる】生地の表面がなめらかになるまでこねる(所要時間の目安:約25分)

写真:生地をこね板の上でこねてるイメージ

④生地をこね板に取り出す。手やボウルについた生地もゴムベラやカードで丁寧に取って移し、手のひらでこね板にこすりつけるように、上下に動かしながらこねる。全体が均一になるようにこね、粘りが出てきたらひとつにまとめる。

写真:④生地をこね板に取り出してこねていくイメージ

⑤まとまった生地を持ち上げ、こね板にたたきつける。生地の手前を奥に折り、90度向きを変えて同様にたたきつけてこねる。生地の表面がなめらかになり、弾力が出てくるまで繰り返す。
⑥生地を適度に広げてバターをのせ、カードで生地を引きちぎるように切り込む。全体に生地とバターをなじませていく。
⑦バターがなじんできたら、再び手のひらでこね板にこすりつけるように、上下に動かしながらこねる。再度、全体が均一になったらひとつにまとめ、こね板にたたきつけては折り返していく作業を繰り返す。生地の表面がなめらかになってきたらこね上がり。温度計をさして、約26℃になっているのを確認する。

写真:⓹⑥⑦⑧、まとまった生地をたたきつけたり、バターをなじませてこねたりして、こねる作業を繰り返してるイメージ

⑧生地の側面に両手を添え、回転させながら丸める。サラダ油を薄く塗ったボウルに入れる。

【発酵させる】2倍の大きさになるまで膨らませる(所要時間の目安:最初の発酵60分、パンチ<ガス抜き>約3分、2回目の発酵30分)

⑨オーブンの発酵機能を設定し、⑧を30℃で60分発酵させる。生地が約2倍に膨らんだら、発酵の終了。
⑩こね板に打ち粉をふり、生地を取り出して全体をしっかりと押さえる。ガスを抜いて(パンチ)、半分ほどの厚さにする。左右から内側に三つ折りして全体に押さえ、さらに奥、手前の順に三つ折りにしてまとめ、とじ目を下にしてボウルに戻し入れる。

写真:⑨⑩、こねた生地を発酵させ、再びこねているイメージ

⑪オーブンの発酵機能を設定し、⑩を30℃で30分発酵させる。

【分割する・丸める・ベンチタイムをとる】同量に切り分けて丸め、休ませる(所要時間の目安:約30分)

⑫こね板に打ち粉を少々ふり、生地を取り出してカードで2等分に分割する(各生地は約240g)。
⑬生地の表面を軽く押さえてから、側面に両手を添えて回転させながら、表面に張りをだすように丸める。もうひとつも同様に丸める。
⑭オーブンの角皿の上にふきんを敷き、その上に丸めた生地をのせる。オーブンの発酵機能を設定し、30℃で20~25分休ませる(ベンチタイム)。

写真:⑫⑬⑭、こねた生地を分割する・丸める・ベンチタイムをとってるイメージ

【成形する・最終発酵させる】俵形に形作り、食パン型に入れて最終発酵(所要時間の目安:成形約15分、発酵40分)

⑮こね板に打ち粉を少々ふり、とじ目を上にして生地を置く。手のひらで押さえてガスを抜き、めん棒で直径20cmほどの円形にのばす。手前、奥の順に三つ折りにし、90度向きを変えて奥から手前に巻いて俵形に成形する。もうひとつも同様に成形する。
⑯食パン型の内側にサラダ油を薄く塗り、生地のとじ目を下にして型の両端に入れる。このとき、生地を巻いた向きをそろえて入れるとよい。
⑰オーブンの発酵機能をスチームありで設定し、40℃で40分発酵させる。発酵が終了したら型を取り出し、角皿を戻し入れてオーブンを200℃に予熱する。予熱する間、生地が乾燥しないようにビニール袋をふんわりとかぶせるとよい。

写真:⑮⑯⑰、生地を俵形に形作り、食パン型に入れて最終発酵させてるイメージ

【焼成する】200℃に予熱し、160℃に下げて焼く(所要時間の目安:25~28分)

⑱オーブンが200℃に予熱されたら、温度を160℃に下げる。角皿に、ビニール袋を外した型を置き、下段に入れる。スチームプラス機能で5分スチームを出す設定にし、25~28分焼く。焼きムラが気になる場合は、残り時間が10分の時に、型の前後を入れ替えて焼く。

※ 角皿は、予熱時に熱くなっているので注意する。

写真:⑱、型にいれた生地をオーブンに入れ焼いているイメージ
写真:山型食パン

ふっくらとしたキレイな山型食パンが完成!
ほんのり甘みのある味わいと、ふわふわ食感で、手が止まらなくなるおいしさに感動!

プロ級のパンがおまかせで作れる!ホームベーカリーを紹介

もっと手軽に焼きたてのパンが食べたい!そんなときは、ホームベーカリーを使ってみませんか。パナソニックのホームベーカリー ビストロSD-MDX4なら、プロの技法を取り入れた本格的なパンがご自宅で作れます。バリエーションが増える便利な機能もたくさんあり、日々のパン作りがグンと楽しくなります。

「3D匠ねり」と「Wセンシング発酵」でプロの技を再現

パンケース内の突起(リブ)とパン羽根の設計、ねりのプログラミングにこだわり、立体的に生地をこねていく「3D匠ねり」を実現。のびのよい生地に仕上げる、プロの技を再現しました。さらに、徹底した温度管理による「Wセンシング発酵」がパン作りの強い味方に。季節の気温や室温などの環境に対応し、一年中ふっくらと発酵したパン生地を作ります。

写真左:パンケース内で生地がこねられているイメージ、写真右:生地を伸ばしているイメージ

オーブンを目指した加熱で、焼きムラなし!

全体的に焼き上げるため、ホームベーカリーのふたの内側に熱反射ミラーを搭載。オーブンのようにパンの天面がこんがりと焼けます。遠赤外線の輻射熱によって焼きムラがなく、ふっくらとした均質な焼き上がりを実現しています。

初心者向けのオートメニュー

内蔵されたインバーターモーターによって、ねりの速度を変え、多彩なパンメニューが作れるのも特徴。チョコレートや抹茶を混ぜたマーブルパン、レーズンやナッツを加えた具入りパン、きめの細かいサンドイッチ用食パンなど、特別な日のおいしいパンもラクラク作れます!

マーブルパン

写真:マーブルパン

自分好みのパンを作りたいなら、マニュアル機能

さらに、マニュアル機能を選べば、「ねり」「発酵」「焼成」を単独で4段階に設定ができるのが便利。パン作りに慣れてくると、ロールパンやフランスパンなど作りたいパンの食感や形に合わせた生地が、手軽に作れるのがうれしいですね。他に、焼き上がりが設定できる「予約タイマー」、「具入りパン」「粗混ぜ機能」など、便利な機能がたくさん。

フランスパンなどに噛み応えのあるリーンな生地

写真:フランスパンなどに噛み応えのあるリーンな生地
プロの技法を取り入れた匠技で、ふっくら焼き上げ。 パナソニック公式通販サイト ホームベーカリービストロ SD-MDX4 詳しくはこちら

まとめ

おいしいだけじゃなく、手作りならではの楽しさもあるパン作りですが、毎日焼きたてのパンが食べたくなったら、ホームベーカリーを利用してみるのもおすすめ。プレーンな食パンから具入りまで、手軽にバリエーション豊富なパンが食卓に並びます。この記事を参考におうちで自分好みのパン作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事で紹介した商品

浅田 和宏(あさだ かずひろ)さん

食パンの基本の作り方についての監修:浅田 和宏(あさだ かずひろ)

辻調グループ製パン教授。1987年、辻製菓専門学校卒。ドイツ、オッフェングルクの「カフェ・コッハス」で研修。「パンづくりに困ったら読む本」共著(池田書店)。

2023年11月20日 食・レシピ

記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。

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