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長崎県

長崎県、綾瀬さんがパラアスリートと車いすマラソンで諫早湾干拓を疾走!

2019年05月14日

写真:ソシオのメンバーと競技用車いすを体験する綾瀬さん

長崎の自然を肌で感じられる風光明媚な諫早湾干拓。2019年3月末、綾瀬はるかさんはこの地でトレーニングを行っているパラアスリートの副島正純さんを訪ねました。副島さんは、2004年から4大会連続でパラリンピックのマラソン(T54)に出場している実力者です。今回、綾瀬さんは副島さんが主宰する、車いす陸上競技に特化した障がい者スポーツのクラブチーム「ソシオSOEJIMA」のメンバーと、車いすマラソンにチャレンジしました。

目の前を駆け抜ける車いすのスピードに感嘆!

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綾瀬さんの目の前を疾走していく副島さん

諫早湾干拓で綾瀬さんを迎えてくれたのは、副島さんと「ソシオSOEJIMA」の皆さん。まずは、リアルな速さを体感してもらうため、副島さんたちが車いすで綾瀬さんの前を駆け抜けます。車いすマラソンの平均時速は31.7km、公道では原動機付き自転車を追い抜けるとあって、その圧巻のスピードに綾瀬さんも「おー!」と驚きの様子。フルマラソンとなるパラリンピックは、健常者と同様に42.195kmを腕力だけで走り抜きます。

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まずは車いすの操作方法を習得

生活用の車いすと異なり、競技用の車いすは三輪が特徴。また、スピードを出すため軽量な設計になっており、背もたれもないためバランスの取り方が難しくなります。副島さんから「身体を起こすと後ろにひっくり返ってしまうので前傾姿勢をキープしてください」と教えてもらい、足を折りたたみ正座の状態で車いすに乗り込む綾瀬さん。方向の操作は前方に付いているトラックレバーで、ブレーキを掛けたいときはトラックレバーの脇に付いているブレーキレバーを使用します。

車いすマラソンを体験!追い風と向かい風の違いに驚き

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風に乗って勢いよく走る綾瀬さん

乗り方の手ほどきを受けた綾瀬さん、樹脂製のグローブを装着して、副島さんたちといざ走行へ。思いの外スピードに乗る綾瀬さん、「楽しい!風が気持ちいい!」と笑顔。副島さんは「すごく速い!」と驚きの表情です。ところが角を曲がって走る向きが変わると一転、突如スピードダウン。向かい風で思うように走れません。「追い風だと全然違う」と苦戦しながらも、無事にゴール!

写真:車いすの考えられたパーツの説明を聞く綾瀬さん

長距離を走る車いすならではの仕組みに興味津々

体験を終えて、「最初、追い風でスピードが出て楽しくなっちゃいました。でも、向かい風だと漕ぐのがきつかったです。長距離になると大変だなと思いました」と綾瀬さん。その感想を聞いて、副島さんは「コースに出てからは、どれだけ風を受けないようにするかを考えます。なので、部品もユニフォームも風の抵抗を受けないようなものを採用しているんですよ」と教えてくれました。

実家の工場を改装!副島さんの本拠地を見学

車いすマラソン用のグローブを独学で製作

車いすマラソン用のグローブを独学で製作

また、「上手に車輪を回すにはグローブの形状が大事だと思いました」と振り返る綾瀬さん。グローブは車いすマラソンに欠かせないアイテムのひとつですが、実は今回綾瀬さんが装着していたのは、副島さんが製作しているもの。そこで、体験に続き、副島さんのトレーニングルーム兼グローブ製作を行っている本拠地を訪ねました。

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両腕の筋肉を鍛えるトレーニングロープに挑戦

実家の鉄工所を改装した本拠地。トレーニングルームには、車いす競技で使う筋肉を鍛えるための器機や、ストレッチに使用するアイテムが揃っています。綾瀬さんも、片方9kgのトレーニングロープを体験。「これは腕が鍛えられそう」と効果を実感していました。

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3Dプリンタ製のグローブについて解説してもらう綾瀬さん

トレーニングルームの隣には、グローブを製作している部屋があります。世界屈指のトップアスリートながら、使う人の手にフィットしたグローブを作りたいと、3Dスキャンを購入してグローブ製作をはじめた副島さん。それまでは、プラスチックを溶かして3か月ほどかけて手作りしていたそうですが、左右対称に仕上げるのは難しかったとか。3Dプリンタを導入したことで、製作期間は3日に短縮されたとのことです。現在は、車いす競技者向けにグローブの販売も手掛けています。

東京2020パラリンピック出場、そして車いす陸上競技者の育成が夢

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副島さんと一緒に練習しているみなさん

副島さんの本拠地には「ソシオSOEJIMA」のメンバーも集まってくれました。実は23歳の頃、家業の鉄工所を手伝っていたときに、鉄板落下の事故に巻き込まれ、脊椎を損傷したことで車いす生活を余儀なくされました。生きる道を見失いそうになりながらも、入院中に障がい者スポーツと出会い車いすマラソンをはじめたそうです。

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車いす陸上に懸ける想いは一人ひとり強い

事故から再起を図り、この場所を本拠地にしながら世界を舞台に輝きを放ってきた副島さん。そんな姿に引き寄せられるように、「ソシオSOEJIMA」に参加したメンバーも少なくありません。現在、副島さんは東京2020パラリンピックへの出場権獲得を目標に掲げていますが、中には金メダル獲得を狙うメンバーも。

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綾瀬さんも選手の夢を応援

4度のパラリンピックに出場してきた副島さんに、綾瀬さんが「一番印象的だった大会は?」と質問すると、「すべての大会に想い出はありますが、パラリンピックではあまりいい結果を出せていません。4年に一度の大会にかける選手の勢いとモチベーションはすごいものがあります。そこで勝てるようにピークをもっていくことが大切。だからこそ2020年は、楽しい思い出が残る大会にしたいです」と熱い想いを語ってくれました。

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笑顔で心を通わせるメンバーと綾瀬さん

自分の夢もさることながら、車いす陸上の競技者を応援したいと語る副島さん。笑顔で競技を楽しめる場を作りたいと話します。綾瀬さんから「若いアスリートに向けてエールを送るとしたら?」と聞かれると、「走ることが大好きだという気持ちを忘れず、無心になって楽しんでもらいたいです」とメッセージを送ります。また、綾瀬さんも副島さんから「多忙な中、どうやって自分をキープされていますか?」と問われると、「自分の心に何をしたいかを聞いてみるのと自然体でいることです」と答え、副島さんも「アスリートと共通していますね」と共感していました。

写真:ソシオソエジマのメンバーと綾瀬さんの記念撮影

副島さんについて、「目標に向かって熱い想いで取り組んでいる、パワフルな方だなと思いました」と語る綾瀬さん。情熱と長崎の広大な自然に後押しされ、副島さんと「ソシオSOEJIMA」のメンバーは世界を目指しています。

ふれあい映像

長崎県 陸上競技(T54)の選手・副島正純さんと綾瀬はるかのふれあい

Youtube動画:走ることを全力で楽しむ。後輩たちにも人生を楽しんでほしい。長崎・陸上篇. 再生する

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