お正月。冷たい空気の中で、人気の少ない街並みは静かに佇んでいます。西日本では恒例の、三社参りに出掛けましょう。スタートには、この曲がふさわしいでしょう。
モーツァルトの「レクイエム」より「イントロイトゥス」です。
静かな導入部から厚いコーラスが入ってくると、凛とした雰囲気に背筋が伸びる気がします。静かな街の風景にも絶妙にマッチしているでしょう。この「レクイエム」は、モーツァルトの最晩年の作品です。しかも、この「イントロイトゥス」だけを完成させて、あとは基本的なスケッチだけが残されました。彼の弟子が残りを完成させたのでした。それでも、これがモーツァルトの傑作と言われているのは、この曲のどこを切ってもモーツァルトらしさがあふれているからなのでしょう。真摯な雰囲気の中にも、モーツァルトらしい親しみやすいメロディが隠れています。「鎮魂歌」を意味する曲でも、そんな楽しみを見つけることが曲の聴き方をガラッと変えることになります。
オーケストラにコーラスが入る大きな編成なので、実際の演奏も大掛かりなものがおすすめです。ここでは、ベーム指揮のウィーン・フィルの演奏に、ウィーン歌劇場合唱団の録音をおすすめしておきましょう。
情景描写の音楽よりも、この曲のように漠然としているものの方が、イマジネーション次第でいろんな場面に合うBGMになり得るんです。さて、目的地の神社には、間もなく到着です。