クライスラー 愛の悲しみ

楽曲解説

クライスラー 愛の悲しみ

春の訪れを告げる梅の花はほとんど過ぎてしまいましたが、菜の花は各地で黄色い絨毯を広げています。この色鮮やかさが、春の色の基本なのかもしれませんね。引き続いて様々な色が咲き誇る、春を満喫できる季節の到来です。

ドライブのスタートには、この曲がふさわしいでしょう。クライスラー作曲の「愛の悲しみ」です。

朝の冷たい空気を感じさせるような静かなメロディは、タイトル通り少しだけ憂いを含んでいます。その後の展開部では、春の麗らかな陽射しを思わせるような、ほんのり温かい雰囲気に包まれます。この季節にはぴったりの曲でしょう。

ヴァイオリンの名手でもあったクライスラーは、たくさんのヴァイオリンのための曲を作曲しています。そのほとんどがヴァイオリンとピアノのための作品で、現在でも広く愛されています。彼の作品の魅力は、メロディの親しみ易さです。有名な「愛の喜び」はもちろんのこと、それと対を成すこの「愛の悲しみ」も耳に残るやさしいメロディですね。

クライスラー本人の録音は基本として聴いておくべきなのは当然ですが、パールマンやスターンといった名演奏家の録音は定番ですね。ちょっと新しい解釈なら、クレーメルの演奏をおすすめしておきましょう。

さあ、春はこれからです。麗らかなドライブを続けましょう。