室内の花粉やPM2.5対策に、エアコンや空気清浄機の使い方

部屋の空気をキレイにして快適に過ごす方法と花粉やPM2.5対策に役立つ家電の選び方についての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2020年3月10日 空気

これからの季節で気になってくるのが“空気”。花粉やPM2.5など屋外の空気を気にして換気をためらう人も少なくありませんが、実は閉め切った部屋の空気は案外汚れているもの。これからの時期、部屋の空気をキレイにして快適に過ごす方法と、そのために役立つ家電の選び方を掃除の専門家である藤原千秋さんに教えていただきました。 

気になる室内の空気……PM2.5や花粉の時期はどうすればいい?

暖かくなるこれからの時期は、花粉の飛散量が増えたりPM2.5が気になる季節でもあります。また、春は風が強く、「春埃」「春塵」といった季語があるようにホコリやチリが舞い上がることも多くなりますし、地域によっては、季節風に乗って遠くから運ばれてきたり。

外の空気の汚れをいかに家の中に入れないかが毎年の悩みの種。窓を閉め切って、よほどのことがない限り換気もしないという人も珍しくありません。しかし、藤原さんによれば、「換気をしていない家の中は、外よりも空気が汚れていることが少なくない!」そうです。

「人が出入りすると、服や髪についた花粉やホコリなどはどうしても家の中に入ってきてしまいます。窓を閉め切っていたり、換気をせずにいると、それらがいつまでも外に出ていかずに留まったままになってしまうんです。さらに、花粉だけではありません。PM2.5 や、ハウスダスト、ダニ、カビなども、閉め切った部屋の中では行き場がないままです」

「最低でも1日に1回は窓を開け、外の新鮮な空気を取り入れることが大切」と藤原さん。

「朝、日光を浴びて飛散した花粉が住宅街に届くのはお昼ごろ、さらに人や車の往来もあって日中はたしかにたくさん飛散しています。そのため、花粉の飛散量が少ない早朝か深夜に換気をするのがおすすめです。朝は寒いと感じるのなら空調をつけたまま換気をしても構いませんよ」

掃除だけじゃなく、エアコンや空気清浄機を活用するのが大切。使い方や注意点は?

「またこの時期は、掃除方法を工夫することも大切です」と藤原さんは言います。

「花粉やホコリなどは下に溜まるので、掃除する際はそれらをなるべく舞い上げないようにするのがポイント。この時期だけは、掃除機ではなくフローリングワイパーでの拭き掃除や水拭きなどに切り替えるのもおすすめです」

また、エアコンの空気清浄機能などもしっかり活用した方がよいそう。最近の空気清浄機能はフィルターでの集じんと微粒子イオンの2段構えで空気をキレイにしてくれるのです。

フィルターは文字通り、吸い込んだ部屋の中の空気に含まれていた花粉やホコリなどをフィルターで吸着します。花粉やハウスダストはもちろん、PM2.5と言われる、直径が2.5μm(マイクロメートル)以下の小さなホコリや化学物質なども通過できない目の細かいフィルターで、空気を“濾す”イメージです。

一方、微粒子イオン式は、エアコンから放出されたイオンで、花粉やホコリ、ウイルスやカビ菌などの活動を抑制します。

たとえば、「エオリア」は、「ナノイーX」(微粒子イオン)が気流に乗って放出され、花粉やPM2.5、カビ菌やウイルスなど空気中のさまざまな汚染物質を抑制します。抑制された汚染物質はエアコンに吸い込まれ、集じんフィルターでろ過されるので、部屋がキレイな空気で満ちた状態になるというわけです。

「ナノイーX」が空気の汚れを抑制するしくみ

①ナノイーXが的確に菌まで届く

②OHラジカルが菌のたんぱく質を変性

③菌を抑制

また「ナノイーX」は、空気清浄機にも搭載されています。

藤原さんによれば、「エアコンの空気清浄機機能と空気清浄機を併用すれば、さらに効果的に部屋の空気をキレイにできる」と言います。

「花粉は上から降ってくるイメージがあるため、玄関先で髪や上着を払う方はいますが、実際は、花粉は重たいので地面に近いところの方が重要。ズボンのすその折り目の中などに残っていることが多いんです。あと、アスファルトに落ちていた花粉などを歩くことで舞い上げているので、靴下やスカートのすそなどにもたくさんついています。空気清浄機は床に置かれることが多いので、床近くにある花粉は空気清浄機ですばやく対応、部屋全体はエアコンの空気清浄機能に任せる。そんなイメージですね」

空気清浄器を置くのはエアコンの反対側の壁がおすすめ。暖房時、エアコンの風向きは下になるため、風が床にあたって舞い上げた花粉を素早く吸い込める位置に空気清浄機を置くと効率が良いそうです。

「逆に冷房時は、エアコンの風向きは上になります。空気清浄機をエアコンの下に置くなど、部屋の中の空気の循環を考えると、空気の質の向上に役立つでしょう」

しっかりと部屋の空気を設計しよう! 空気清浄機能付きエアコンの選び方!

藤原さんによれば、「エアコンはもはや、部屋の温度を調節するためだけのものではなくなってきている」とのこと。

「例えば、オフィス。一年中エアコンが稼働していませんか? オフィスでは建築基準法で換気方法が定められているなど、快適に仕事ができる酸素濃度や気温を維持、整えるためにエアコンを稼働し続けています。家庭用でもその考え方を取り入れるのも手ですね」

また、適用面積やお手入れの方法はしっかり確認しておいてほしいポイントだとか。

「カタログなどを見ると商品ごとに適用面積が書いてあります。この際に注目してほしいのが、暖房の適用面積。冷房時に14畳の目安となっていても、暖房負荷の方が大きいため、暖房時は14畳未満であることがあります。空気清浄機能も暖房の適用面積を参考にすると失敗が少ないでしょう」

また、お手入れに関しては、「エアコン内部の掃除が自動化されたものなど、できるだけ手間がかからない製品がおすすめ」とのこと。

「エオリア」なら前面のエアフィルターに付いたホコリをブラシでかき取ってダストボックスへ吸引。自動排出方式で、集めたホコリを自動で屋外へ排出してくれます。また、微細な汚れを逃さず捕らえる集じんフィルターは交換式で約2年間お手入れなしで使い続けることが可能です。さらに、「ナノイーX」を室内機内部に充満させたり独自のコーティングを施すことで、内部のカビを徹底的に抑制するので、エアコン内部はクリーンに保たれます。

「エオリア」の自動排出方式フィルターお掃除ロボット。フィルターを掃除するブラシまで毎回キレイにして、ホコリは自動で屋外へ排出してくれます。
※国内家庭用エアコン「エオリアXシリーズ」について。2020年1月5日現在。

「もちろん任せっぱなしはNG。フィルターにこびりついた油分などは自動お掃除では取り切れない場合もあるので、自分でも定期的にフィルター掃除を手掛けましょう。また特に空気が気になる時期であれば、室内の汚れも多いですし、エアコンの前面パネルやその周辺などのお手入れもしてあげてください」

空気が気になるこれからの季節だからこそ、エアコンや空気清浄機をうまく活用できるよう、部屋の空気の設計を見直してみるのはいかがでしょうか。

部屋の空気をキレイにして快適に過ごす方法と花粉やPM2.5対策に役立つ家電の選び方についての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して19年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

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