冬に空気が乾燥する理由と、乾燥対策にオススメの最新家電

空気が乾燥する理由や家電を活用した乾燥対策についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2021年11月29日 空気

室内の空気が乾燥しすぎて、困っている方はいませんか? 特に冬は湿度がなかなか上がらず、快適に過ごせないといった声もよく聞かれます。では、そもそも空気はなぜ乾燥するのでしょうか? そして、家電を活用した賢い対策とは? 家電の専門家である田中真紀子さんに、早速、教えてもらいましょう。

“湿度”に注目して考える、室内の空気が乾燥する理由

空気がどのくらい乾燥しているかを数値で表すのが、湿度。普段、何気なく口にする言葉ですが、田中さんによると「天気予報などで伝えている湿度とは、“相対湿度”のこと」なのだそうです。

気温によって変動する、空気中の水分量

「相対湿度とは、空気が含むことのできる最大限の水分量(飽和水蒸気量)のうち、何%の水分を含んでいるかを示したもの。つまり、最大量に対してどれだけ水蒸気が含まれているかという、“水蒸気の割合”を表します。空気の温度は高いほど含むことのできる水蒸気量が多くなり、低ければ少なくなるので、たとえば気温が10℃と30℃とでは、同じ湿度60%でも空気中の水分量自体が変わってきます」

空気を暖めれば、飽和水蒸気量は増えるけれど…

気温が低いと、含むことのできる水分量が少なくなる。冬の空気が乾燥しがちなことを思えば、確かに納得できますよね。一方で、「それなら暖房で室内の空気を暖めれば良いのでは……?」なんて考えも頭をよぎりますが、温度を上げるだけでは意味がありません。田中さんによると、「存在する水分の絶対量が少ないので、単に室温を上げるだけでは相対湿度が下がってしまう」のだそうです。

つまり、何らかの方法で空気中の水分を増やす必要があるということ。特に秋・冬、乾燥しがちな太平洋側の地域では、こうした対策をしっかりしておきたいですね。

現代のライフスタイルが乾燥の一因となることも

室内の空気を乾燥させる要因には、「住宅の構造や暖房器具の種類も関わってきます」と、田中さんは語ります。

換気性能に優れ、暖かさを長くキープする高気密高断熱住宅

たとえば、現在の住宅のスタンダードと言える高気密高断熱住宅。気密性と断熱性に優れた構造の住まいですが、これも室内の空気を乾燥させる可能性があるそうです。

「気密性や断熱性が高い住宅は室温を高く保てます。先ほどお話ししたとおり空気中の水分量は同じでも、室温が高い分、相対湿度は低くなってしまいます。つまり、意識的に加湿をしないと、乾燥状態がなかなか解消できないということ。こうした高気密高断熱住宅が増加したほか、結露やカビの研究も進んだことなどもあって空気への関心が高まり、加湿機や除湿機が注目されるようになったと感じます。

なお、築年数の古い住宅でも、室内の空気は乾燥しがち。断熱性が低いと室内はなかなか暖まらないため、温度変化による影響は受けにくいのですが、隙間風があるような気密性の低い家の場合は、乾燥した外気が入り込むので湿度が下がりやすくなります」

暖房器具の変化によって促された室内の乾燥

住宅構造の変化に伴い、暖房器具が変化したことも室内の空気が乾燥しやすい要因。

「昔の暖房器具は、灯油ストーブのような燃焼系がほとんど。燃えることで水蒸気が発生するので、湿度の低下に悩まされることは少なかったように思います。私が子どものころは、さらにストーブの上にはやかんを置いていたものでした。それから時代を経た今、増えてきたのがエアコンをメインの暖房器具として利用する家庭。暖房効率に優れ、省エネ性も格段に高くなるなど、エアコン性能が飛躍的に向上した上に、高気密高断熱住宅の増加も手伝って、大いに普及するようになったのです。

ただし、一般的にエアコン暖房は空気を暖めるだけで、水分を増やすことはできません。また、エアコンからの風が肌に直接当たれば、水分を奪われてしまう場合も。こうしたことから、“エアコン暖房は乾燥しやすい”と長らく言われてきましたが、最近は加湿機能を搭載したエアコンも登場しています。詳細は後述しますが、乾燥対策にはこうした家電もオススメですね」

改めて知っておきたい、快適な湿度環境とは?

室内の空気が乾燥しがちな現代の暮らしでは、乾燥対策は必須。ただし、加湿しすぎるとカビやダニなどが生育しやすい環境となるため、適切な湿度を保たなくてはなりません。

人が心地良く暮らせる湿度って、具体的には何%?

こちらの記事で田中さんが教えてくれたように、好ましい湿度は40〜60%。60%以上ではカビやダニにとって住みやすい環境となり、40%以下では乾燥に悩まされる可能性があります。湿度計などを活用しながら適切な湿度をキープし、快適な暮らしを送りたいですね。

意外と知らない快適な湿度の話

湿度40%以下になると乾燥のしすぎで、ウイルスが活発に。一方、湿度60%以上ではカビやダニの発生リスクも…。だから、快適な湿度をキープすることで、暮らしの安心感も高まります。

参考文献:ASHRAE 相対湿度と微生物の相関図

乾燥対策にお役立ち! 加湿機能を搭載した最新家電

加湿できる家電と言えば、まず頭に浮かぶのが加湿機。でも、最近は、加湿以外のこともできるモデルが続々登場しているんです。

加湿と換気までできる待望のエアコン『エオリア LXシリーズ』

ひとつめにご紹介するのは、先ほども触れた加湿機能搭載エアコン。2022年モデルの『エオリア LXシリーズ』は、空気中の水分を取り込んで室内に送り込む加湿機能が採用されています。給水の手間が必要ないため、これまで通りに暖房をするだけで、同時に乾燥対策ができるようになりました。換気機能まで搭載しているとあって、田中さんも大いに期待を寄せる1台。

「私も新製品発表会の際に行われた実演で、『LXシリーズ』の高い加湿性能を目の当たりにしました。リアルな使用環境ではないのですが、実演用のクリアボックスの中で加湿運転をスタートしたところ、5分経つか経たないかの間に湿度は90%ほどにまで上がったんです。もちろん、実際の室内ではそこまで湿度が上がることはありませんが、ここまでスピーディーに加湿できるんだと実感しましたね。

スペック上の加湿量は14畳用のモデルで810ml/h※1と、加湿機に引けを取らない数字。サブ機ではなく、加湿する家電のメイン機として使えそうです。暖房運転時に加湿機能を併用すれば、乾燥が気にならない、心地良い暖かさも期待できますね。加湿だけを行うモードも搭載しているので、湿度のみ上げたいときにも便利。

また、“エアコン暖房は乾燥しやすい”というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、こちらのモデルには、肌にやさしい湿度・風量・風向を自動でコントロールする“加湿美肌モード”も新たに搭載されています。このモードは、加湿機能と新“ナノイーX”で肌水分量をアップさせる効果が実証されているので、こちらも期待できますね」

独自の花粉撃退テクノロジーを搭載した『加湿空気清浄機 F-VXU90』

加湿空気清浄機『F-VXU90』は、パナソニック独自の気流とイオンテクノロジーを採用した1台。3方向に吹き出す独自の気流とさらにパワーアップした「ナノイーX 48兆」を搭載しています。特に花粉(スギ)を約3時間で99%以上抑制※2するなど、汚れをさらにすばやく抑制できるよう進化したモデルです。

パワフル加湿も実現しており、1時間あたりの加湿量は最大870ml※3。奥まで手を入れられて洗いやすい給水タンクや、加湿トレー内の水を除菌し、加湿フィルターのカビを抑制する“イオン除菌・防カビユニット”を採用するなど、清潔性にも配慮したモデルです。

空気を洗いながら加湿する『次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」F-MV4300』

本体内で次亜塩素酸水溶液を生成し、吸い込んだ空気を除菌・脱臭するジアイーノ。空気環境への関心が高まるにつれ、ますます注目されている家電です。空間に漂うニオイも本体内で素早く分解して、しっかり除菌・脱臭。ペットを飼っている人からは、「ニオイが気にならなくなっただけではなく、すがすがしい感じがしてお部屋の空気が洗われたような気持ち」と効果を実感した声も届いています。

このモデルでは新たに加湿機能を搭載し、空気の質をこれまで以上に高めることができるようになりました。加湿機能も除菌・脱臭と同じく18畳にまで対応し、加湿量は最大650ml/h※4を実現しています。

加湿+αの機能がうれしい! 最新家電でしっかり乾燥対策を

「乾燥対策には、加湿が最も効果的です」と、田中さん。聞けば田中さん自身も、家電を活用した加湿を入念に行っているそうです。

「自分で意識して、湿度をコントロールするのは難しいですよね。でも、こういった家電を活用すれば、快適な湿度を自動でキープしてくれます。上記でご紹介した3台は、空気のケアまでしてくれる家電。加湿+αのメリットを受けられるので、ぜひとも活用していただきたいと思います」

 

※1 加湿量は、屋外温度7℃DB、6℃WB(JIS定格暖房能力測定条件)、室内温度20℃、ホース長4m、風量「自動」の場合の加湿量です。(加湿量とは室内への導入水分量です)
※2 約6畳密閉試験空間での約3時間の効果です。
※3 F-VXU90の場合。加湿量は(一社)日本電機工業会規格(JEM1426)に基づく、室温20℃ 湿度30%の場合。自己調湿機能により、高湿になると加湿量は減少します。
※4 加湿量は(一社)日本電機工業会規格(JEM11426)に基づく、室温20℃/湿度30%の場合。自己調湿機能により、高湿になると加湿量は減少します。

空気が乾燥する理由や家電を活用した乾燥対策についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)

白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌、web、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使っており、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も得意。テレビ出演も多数。総合情報サイト『All About』白物・美容家電ガイド。

2021年11月29日 空気

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