東京スカイツリーの清掃現場に潜入! 美しい眺望を守る、日本一高所の大掃除

東京スカイツリーの清掃についての監修:東京スカイツリー『東京アオゾラそうじ』
ライター:UP LIFE編集部
2020年6月16日 空気

そろそろやらなきゃ、家のお掃除。汚れた窓ガラスも拭かなくちゃ……って、ふと思ったけれど、日本一高い建築物、東京スカイツリーの窓ガラスはどうやって掃除しているの? そんな疑問を解消すべく、今回は東京スカイツリーの清掃現場に潜入! 普段、なかなか見ることのできない“東京アオゾラそうじ”を取材しました。

地上450mの窓ガラス清掃、『東京アオゾラそうじ』

1チーム3名で行われる『東京アオゾラそうじ』。ゴンドラで作業するのは2名で、もう1名は屋上監視として残り、誤作動などの万が一に備えます。

地上450mの窓ガラス清掃、『東京アオゾラそうじ』

自立式電波塔としては世界一の高さを誇るのが、全長634mの東京スカイツリーです。ビュースポットは地上350mの“東京スカイツリー天望デッキ”と、地上450mの“東京スカイツリー天望回廊”の2箇所。今回、取材にうかがったのは、これらの窓ガラスをキレイにする『東京アオゾラそうじ』です。

『東京アオゾラそうじ』が行われるのは、月に6日〜7日程度。1日につき2〜3時間かけて10〜12レーンの窓枠を掃除し、1か月で天望回廊を1周するように段取られています。安全を考慮し、作業は午前中もしくは午後早めの明るい時間帯に行われるとか。

地上450mもの高所での作業では、やはり安全が第一。地上とは比べものにならない厳しい環境なので、風が強かったり、降雨・降雪や落雷の可能性があったりすれば、作業は中止となります。
これらの判断には、上空に設置された風速計のほか、気象業務を行うふたつの団体から取り寄せた、東京スカイツリーのピンポイント予報を元にしているとのこと。
ちなみに、風速は上空で7〜8m以下なら実施されますが、風が吹いている側と吹いていない側では、作業の大変さはまったく変わるそうです。

また、落下物にも十分に注意を払っているとか。たとえ小さなものであろうと、この高さから落としてしまっては大事故につながるため、持ち出すのは必要最小限のものだけとし、それらにもすべてヒモを付けて落下を防いでいます。

単なる窓掃除ではないエンタメ性の高さは、東京スカイツリーならでは!

この日の作業を担当した、立花さん(左)と菊地健太さん(右)。ゴンドラが降りてきた途端、ゲストのみなさんは一斉に手を振ったり、写真を撮ったり。お二人も笑顔で手を振り返していました。

単なる窓掃除ではないエンタメ性の高さは、東京スカイツリーならでは!

『東京アオゾラそうじ』のユニークな点は、日本一の高所というだけではありません。そのひとつに挙げられるのが、清掃用ゴンドラ。イメージキャラクターのソラカラちゃんが描かれており、まるで作業員の方々と一緒に窓拭きをしているような姿が楽しめます。

さらに特筆すべきは、そのゴンドラの置き場所。一般的なビルの場合、ゴンドラはたいてい屋上に置かれますが、東京スカイツリーでは天望回廊の上部に備えられた格納庫に入れられているのです。これは、過酷な暴風雨からゴンドラを守り、安全性を高めるため。今までにない高さの建物だからこそ、こうした配慮も必要になるんですね。

また、ゲストを前に作業をするのも、東京スカイツリーならでは。今回、お話をうかがった作業責任者の立花卓磨さんも、オフィスビルと大きく違う点として挙げています。

「お客さんはみんな外を見ているので、自然と目が合いますし、手を振ってもらうこともあります。ちょっと照れますが、こちらも笑顔で振り返したりして。あと、仕事ぶりもよく見られますね。スクイージーで水を取り切れず、お客さんに指さされると恥ずかしいので、いつも以上に気を付けています(笑)」

みなさん、景色と一緒に『東京アオゾラそうじ』の様子も、観客として楽しんでいるようです。こうしたエンターテイメント性がさらに高まるのが、クリスマスシーズン。この時期は、写真のように作業員の方々がサンタクロースのコスチュームで登場してくれるんです! これは2016年に初めて行われた試み。今後は、さまざまなシーズンイベントに合わせたコスチュームも考えられているそうなので、もしかすると節分の鬼が窓掃除……なんてシーンに出会えるかもしれませんね。

ガラス床や鉄骨部分、LEDの掃除はどうしている?

グラデーションが幻想的な、東京スカイツリーのライティング。この美しい輝きも、定期的なメンテナンスによって支えられています。

ガラス床や鉄骨部分、LEDの掃除はどうしている?

東京スカイツリーには、天望回廊の窓ガラス以外にもどう掃除をしているのか気になる箇所が満載です。たとえば、展望デッキのフロア340にあるガラス床。床の一部が2m×3mのガラスになっており、見ているだけで吸い込まれそうになる人気のスポットです。この外側のガラスは、点検歩路と呼ばれるメンテナンス用の通路からモップを伸ばして掃除しているとか。言葉にするのは簡単でも、地上340mの場所と考えると、大変なことが想像できますね。

続いては、東京スカイツリーのシルエットを形作る鉄骨部分。4階の入り口フロアまでは作業員の方がロープに吊り下がり、年に1〜2回の頻度で掃除しています。
では、高所はというと、実は掃除はまったくされていません。にも関わらず、東京スカイツリーがあの美しい姿を保っていられるのは、特殊な塗装が施してあるから。年月を経るうちに少しずつ、自然に剥がれ落ちていくため、20年〜25年は何もせずに白さを留めておけるのだそうです。

そして、東京スカイツリーを語る上で欠かせないのが、世界初のオールLEDタワーであること。外側には全2075台のLEDが設置されており、これらもまた定期的な掃除が行われています。
手掛けているのは、東京スカイツリーのオフィシャルパートナーであるパナソニック。LED照明はすべてパナソニックの製品なので、通電試験のタイミングに合わせ、年に1回程度の掃除も行っています。

美しい眺望が楽しめるのは、しっかり掃除されているおかげ!

実はホコリや花粉、黄砂などで意外と汚れているという、東京スカイツリーの窓ガラス。それでもあの美しい大パノラマを楽しめるのは、ひとえに『東京アオゾラそうじ』のおかげです。そして、東京スカイツリーの美しい姿を楽しめるのは、ガラス床や鉄骨、LEDなどもしっかり掃除されているからこそ。普段、目につかない場所も、キレイにしておくことが大切なのだと実感できます。

そんな東京スカイツリーを、私たちも見習いたいもの。せっかくお掃除をするなら、この機会に、見えないところまで意識して部屋をキレイにしてみませんか?

東京スカイツリー『東京アオゾラそうじ』

東京スカイツリーの清掃についての監修:東京スカイツリー『東京アオゾラそうじ』

東京スカイツリー天望回廊のガラス清掃、『東京アオゾラそうじ』は不定期で月に6日〜7日程度の開催です。開催条件は「上空で7~8m以下の風速であること」「雨・雪がふっていないこと」「雷が落ちる危険性がないこと」。開催予定日時は東京スカイツリーでスタッフに尋ねるか、東京スカイツリーコールセンター(ナビダイヤル0570-55-0634、受付時間は9時〜20時)までお問い合わせください。

※天候に左右されるため、予定していても実施できない場合があります。
※東京スカイツリーコールセンターの受付時間は変更になる場合があります。

2020年6月16日 空気

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