何百台もの試作品やチーム内バトルで、フェイスケア機器の品質向上へ。

石川朋哉 石川朋哉

効果はもちろんのこと、使いやすさやパナソニック品質にこだわって作り上げているのがパナソニックビューティのフェイスケア機器の魅力です。

関わるすべての人の思いを汲み取りながら、妥協なきお客様視点で最良の着地点を見定める「商品設計」というチームを率いる、石川朋哉の仕事論とは。

商品設計の仕事とは

私の仕事はフェイスケア機器の商品設計です。ヘアケア機器と合わせて20年間、ビューティ商品の設計業務に従事しています。
チームのメンバーを指導し統括する立場で、難しくもやりがいの大きい商品設計という仕事と、日々格闘しています。

技術を生み出す人、商品を企画する人、デザインを研ぎ澄ます人、材料を調達する人、量産する人、製造ラインを管理する人、品質を管理する人、販売する人…。美容機器作りには、さまざまな分野のプロが関わっています。彼らの意見をまとめ、商品として形にしていくのが商品設計の仕事。それだけスパンが長い仕事でもあります。私が知る、ひとつの商品ができるまでの流れをご紹介しましょう。

写真:美容機器の部品を触る石川朋哉さん

まず技術開発担当が先行して、企画担当が希望するお客様のニーズに合った新しい要素技術を開発します。それを受け取り、最初は単価設定や量産の想定などはせず、とにかく高機能な夢の一台を設計します。私たちはこれを“チャンピオン”と呼んでいます。このチャンピオンをベースに、機能をできるだけキープしながら、手頃な価格やサイズ、量産のしやすさを叶える詳細を設計していくのです。

各担当の意見をまとめながら、何百台もの試作品を製作します。さまざまな使用テストを行い、品質を高め、そして安定化させて設計が完成します。その設計で製造チームが商品として量産し、店頭に並ぶというわけです。

すべてを社内で行うことへのこだわり

関わる担当者全員が集まって、意見交換の打ち合わせを行うこともよくあります。こうした、一連の作業すべてを自社で行うもの作りは、不器用なやり方かもしれません。ただ、トラブルが起きたときすぐにフィードバックして軌道修正したり、細かな意見を随時反映したりとなにかとスピーディ。結果的にこのやり方だからこそお客様のための最高品質を目指せると、私たちは信じています。

写真:モニター画面を見ながら話している石川朋哉さん

もちろん、なにごとにもメリットとデメリットはあります。全員で意見を出し合ってそれに対応する技術を磨き、品質を向上しながら一人ひとりがプロとしても成長できるところに、私たちは魅力を感じています。

関わるすべての人の幸せを目指して

商品設計担当ならではの話といえば、ものづくりのバラつきでしょうか。たとえば、同じ部品といっても完全に同一なものはなく、ひとつひとつ微妙に個体差があります。それを前提として、完成品が均一に仕上がるように設計することは重要なポイントです。

写真:美容機器の部品を触る石川朋哉さん

また、製造にも必ずバラつきは発生するので、作りやすい設計であることは非常に重要になります。作りやすい設計によって品質が安定し、お客様に良い商品を提供できます。さらに、製造チームの負担を軽減することにもつながります。とはいえ、作りやすさばかりを重視してデザインや機能が疎かになると、攻めた商品を作ることができず、お客様満足からはずれてしまう。機能、安全性、デザイン、価格、量産のしやすさ、このすべてのバランスが取れた商品を具現化することを、何より意識しています。

お客様はもちろん、商品に携わる関係者全員が幸せになることが私の夢ですね。

チーム内の良いバトルが良い商品を生む

2022年11月に発売されるスチーマーは、今までの当たり前を徹底的に見直し、何度も打ち合わせを重ねながら完成させた商品です。

ダブルスチーマーであり、熱くなりにくい安全性を担保しながらもサイズを小さくすることにこだわり、アロマや光でリラックスという要素を加えるために、デザインにもこだわりました。本当に必要な構造や形状、理想的なサイズの小ささにたどり着くことができたと思っています。

チームのみんなが向いている方向はひとつ。お客さま目線で良い商品を作ることなのに、開発途中では良いバトル、つまり主張のぶつかりや意見の不一致が必ず起こります。この商品でもたくさんのバトルがありました。バトルがあるときほど、仕様が研ぎ澄まされ、良い商品が生まれます。試作品から量産化まで、商品の成長を楽しむことができます。

写真:社員と会話をする石川朋哉さん

商品設計の仕事は、責任は非常に重いですがすべてを見届ける楽しさも大きく、やりがいしかありません。美顔器の良さをもっと多くの人に知っていただくために、身近で手軽で悩みを解消できる美顔器を生み出し続けたいと思います。

プロフィール

石川朋哉(いしかわともや)

身の回りの電化製品を作りたい、自分が作った家電で世の中を便利にしたいという夢を抱えて旧松下電工へ入社。ヘアケアの商品設計担当から始まり、現職のフェイスケアと合わせて20年間、ビューティ商品の設計に従事。
高い品質を誇るパナソニックビューティのフェイスケアを支えるキーパーソンのひとり。

写真:石川朋哉さん
  • インタビュー内容は2022年11月現在のものです
  • 「Panasonic Beauty Laboratory」に掲載の情報は、当社の研究や開発の取組み内容です