かまど炊きのごはんはなぜおいしい!?炊飯器で再現できる?

監修:Panasonic Cooking @Lab
ライター:UP LIFE編集部
2022年8月5日 食・レシピ

今でこそ、お米は炊飯器で手軽に炊くのが当たり前になっていますが、昔の日本では「かまど」で炊飯していました。
現代でも「かまど炊き」したごはんはおいしい、というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
なぜ、かまどで炊いたごはんはおいしいのか、その理由を掘り下げてみましょう。

「はじめチョロチョロ〜」から学ぶ、炊きの極意

写真:かまど炊きのイメージ

「はじめチョロチョロ、中パッパ」
炊飯の火加減を説いたこの唄は、かまどで炊飯していた江戸時代に生まれたとされています。

一節ごと説明していきましょう。
「はじめチョロチョロ」とは、最初にチョロチョロとした弱火にすること。釜全体がゆっくりと温まり均等に熱が伝わり、お米の中心まで吸水することで甘みと旨みが引き出されます。

「中パッパ」は、一気に火力を強めること。この大火力こそが、かまどの特長です。短時間で吹きこぼれるほどの沸騰状態になり、釜底から上層へ激しい対流が生まれます。そして底から上がってくる泡がお米の粒と粒の隙間を通り、お米が「おどる」のです。
そうすると、ひと粒ひと粒に芯までムラなく熱が伝わります。おいしく炊き上がったごはんには「カニ穴」ができますが、これはおどるお米の隙間を泡が通り抜け、しっかり炊き上がった跡なのです。

写真:炊き立てのご飯のイメージ

「ぶつぶつ言う頃火を引いて」。
これは、火を中火まで弱めながらも沸騰を維持するフェーズ。釜の中の水分を吸収して甘みともちもち感をさらに増すことができます。

続いて、「一握りのわら燃やし」。再び強火にすることで、釜内の余分な水分を飛ばしながら、ハリを残しつつより大きな米粒に仕上げます。

最後は、「赤子泣いても蓋とるな」。
お米に旨みを閉じ込めるためには、火を止めたあとにしっかり蒸らすことが大切。大火力でたくさん生成された旨みのもとである「おねば」を蒸らしている間にお米が吸収します。

こうして炊き上がるのが、ツヤツヤと輝き、甘みと旨みが詰まり、適度な粘り気やふんわりとした食感を持つごはんです。かまど炊きは、現代の科学的見地から見ても理にかなった炊飯方法だったのです。

ライバルはかまど炊き。「おどり炊き」の挑戦

写真:炊きたてごはんを箸ですっくたイメージ

最高の炊き上がりのおいしさを、食卓に届けたい。そんな想いから、かまど炊きに学び、かまど炊きを超える炊き技を目指して開発されたのが、パナソニックの炊飯器「おどり炊き」です。

一粒一粒に熱を伝える、こだわりの炊き技

かまど炊きを分析すると、炊飯には火加減が重要だということがわかります。
かまど炊きでは「はじめチョロチョロ」の工程で甘みと旨みが引き出されますが、それは、旨み成分であるアミノ酸や甘み成分である糖が45~55℃の温度で生成されるため。おどり炊き」では、45~55℃で前炊きしてしっかり水を浸透させ、お米の甘みと旨みを最大限に引き出しています。

そして一番大きな課題が、「中パッパ ぶつぶつ言う頃火を引いて 一握りのわら燃やし」の工程で大きなポイントとなる火力でした。かまどのごはんのおいしさの秘密は、強火によってもたらされる炊きこぼれるほどの「沸騰力」。炊飯器は炎のような温度を出すことが難しく、ましてや吹きこぼすこともできません。そんな難題を解決するきっかけとなったのが、「大火力 IH」でした。
火加減のベースとなるIHを6段使い、釜全体を包み込むように搭載。大火力ながらも、段ごとに絶妙な火加減に調整することで、大きな泡の対流を実現したのです。

IHの大火力で全面から包み込む 1段ふたIH 2段側面上IH 3段センターIH 4段側面下IH 5段底側面IH 6段底IH (イメージ図)

しかしIHだけでは、かまど炊きほど激しい対流は発生しません。それを実現するため、試行錯誤の末にたどり着いたのが、「可変圧力」という技術です。
「可変圧力」とは、その名の通り圧力を変えること。圧力を1.2気圧まで高めることで沸点を105℃にまで上げ、そこから一気に減圧します。すると5℃分のエネルギーが一気に放出されるため、爆発的な沸騰を起こすことが可能になったのです。そうすることで、お米がムラなく加熱でき、一粒一粒の旨みを引き出します。
ちなみに急激な減圧ができるのは独自の技術によるもので、特許を取得しています。

圧力を高めて沸点を上げる 加圧(1.2気圧)105℃ 一気に減圧しエネルギーを放出 爆発的な沸点が起こる 減圧(1.0気圧)100℃ だから、お米本来の旨みを感じられるごはんに (イメージ図)

お米が「おどる」とは?

「大火力IH」と「可変圧力」により、爆発的な沸騰を実現。かまど炊きのように釜の底から泡がわき上がり、お米の粒と粒の間を通り抜けます。その時、お米はおどっているように見えます。おどると言っても釜の中をグルグル回るのではなく、その場でステップを踏むようなイメージです。

お米はおどらせずに炊くと加熱ムラができてしまい、下の方のごはんは硬く、全体的に甘みが弱くてパサつく傾向に。一方おどると一粒一粒にすばやく均一に熱が加えられるので、お米本来の旨みが引き出され、ふっくらと炊き上げることができます。

「感動のごはん」のために磨き続ける炊き技

一粒一粒に熱を伝える「ダイヤモンド竈釜」

写真:ダイアモンド竈釜

かまど炊きの最大の特徴は、その圧倒的な火力からもたらされる、極めて高い発熱性と蓄熱性。それらを追求して「おどり炊き」に採用したのが、ダイヤモンド竈釜です。
発熱効率の高いステンレス鋼と熱伝導の良い純アルミを合わせた素材を採用することで、発生した熱を釜全体にすばやく伝えることが可能になり、大火力を生み出します。
さらに、そのネーミングの由来でもあるダイヤモンドの微粒子を、内釜のコーティングに活用。細かい泡を多く発生させるので、熱がお米一粒一粒に行き届くようになったのです。

旨みを引き出し、閉じ込める「高温スチーム」

お米をおいしく炊くには、「赤子泣いても蓋とるな」とあるように、最後の蒸らしの工程で旨みを閉じ込めることも大切です。「おどり炊き」は130~250℃の高温スチームで、旨みのもとである「おねば」をお米の表面にコーティングして、旨みを閉じ込めます。これにより、冷めてもおいしく炊き上がるので、お弁当にもおすすめです。

「おどり炊き」のごはんには「カニ穴」があり、ツヤツヤでふっくらした炊き上がりに。

写真:炊飯器からごはんをよそってるイメージ

まとめ

かまどに学び、かまどを超える炊き技を目指して見つけた一つの答えが、パナソニックの「おどり炊き」。ご紹介した以外にも、お米の銘柄に合わせて炊き上げる機能や、専用アプリとの連携で毎年のお米の出来栄えに炊き方を調整する機能も搭載していて毎日のお手入れも簡単です。昔ながらのかまど炊きの知恵と、今のライフスタイルに求められる利便性が詰まった一台。「おどり炊き」だけのおいしさを、味わってみてはいかがでしょうか。

目指したのは、かまどを超える炊き技。IHジャー炊飯器 SR-VSX101 詳しくはこちら
Panasonic Cooking @Lab

監修:Panasonic Cooking @Lab

Panasonic Cooking @Labとは?
「おいしさを科学し、食卓に笑顔と感動をお届けする」をモットーに、「電子レンジ」「炊飯器」「調理小物」「IHクッキングヒーター」「冷蔵庫」を含むパナソニック調理事業の全カテゴリーの調理ソフト開発メンバーが所属し、設計者と生活者の両視点からお客様へのお役立ち活動を実践する組織です。

調理機器・食に精通するユニークな専門性を有するメンバーの知恵を結集して近年の多様化するライフスタイルや価値観に共感する商品やサービスを産み出し、社会にお役立ちしてまいります。

2022年8月5日 食・レシピ

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