今のケアで大丈夫?美容皮膚科医に聞く、男性の肌事情

今のケアで大丈夫?美容皮膚科医に聞く、男性の肌事情今のケアで大丈夫?美容皮膚科医に聞く、男性の肌事情

近年、身だしなみの一つとして定着しつつあるメンズスキンケア。しかし、正しいケア方法を知っている人はまだまだ少数派です。毎日のシェービングや紫外線などから肌を守る効果的なスキンケア方法について、松倉クリニック代官山の院長、貴子先生にアドバイスをいただきました。

男性のスキンケアの知識は、すべてにおいて間違っていることが多い。

これまで、20代や30代前半の若年層を中心に流行っているという印象があったメンズスキンケアですが、最近は世代に関係なく、40代、50代の方でも積極的にホームケアをする人が増えてきました。その一方で、シェービング前後のケアが不十分だったり、洗顔フォームを直接顔につけて泡立ててしまうなど、間違ったケアで肌トラブルを起こしている人も少なくありません。

美容に関する正しい情報を得る機会が少ない男性は、アイテムの選択、使用量、力のかけ方など、すべてにおいて間違っていることが多い。さらに、ストレスや飲酒、喫煙、睡眠不足などの生活習慣も、肌状態を悪くする原因をつくりやすいので注意が必要です。

写真:貴子先生

肌が老化する原因の9割は「光老化」です。

肌が老化する原因の9割は「光老化」と言われています。紫外線によってコラーゲンの損傷が起こると、たるみやしわの原因になるので、マリンスポーツやゴルフなど、紫外線にあたることが多い人は特に注意が必要です。エイジングサインが出てからでは、若さを取り戻すことはできません。しかし、それ以上の老化を食い止めることはできるので、スキンケアはいつからでも始めるべきです。

写真:貴子先生

エイジングケアのためにはUVケアと十分な保湿が必要ですが、日焼け止めやBBクリームなどの成分は、普通の洗顔フォームでは落としきることができません。成分が皮膚に残存すると、毛穴の詰まりや黒ずみの原因になるだけでなく、皮膚への浸透性が阻害されて肌が乾燥し、見た目の老化も助長されてしまいます。UVケアをしたら、クレンジングできちんと落とす。さらに、週に1~2回はディープクレンジングをすると、より若々しい肌の状態が保てると思います。

写真:貴子先生

乾きやすい男性の肌にこそ、十分な保湿が必要。

男性の肌は皮脂でべたつきやすい反面、角質層は水分量が少なく、乾燥や毛穴目立ちなどもしやすい状態です。さらに毎日のシェービングや間違った洗顔による肌への負担も大きく、インナードライ肌でかさつきがち。そのため十分な保湿が必要ですが、皮脂量が多い男性にしっとりしたローション(化粧水)は不向きです。さらっとしたタイプで、皮脂があまり助長されないものがいいと思います。ビタミンCやヒアルロン酸など、皮脂を抑えたり、毛穴を引き締める作用があるローションをしっかり「浸透」させることが重要です。肌の角質層までしっかり水分量を与えることで、気になるTゾーンのテカリも抑えることができます。

写真:貴子先生

ビタミンCとヒアルロン酸は、外用も内服もでき、安全性・安心感があって美容効果も高い成分です。とはいえ、成分を浸透させるために濃度を極端に高くしてしまうと、人によっては刺激を感じたり、逆に乾燥してしまうことも。たとえば、ビタミンCやヒアルロン酸の含有率がそれほど高くないローションでも、導入用のツールを使用することで、肌への刺激も少なく、手で塗布するよりも効率よく浸透させることができます。

写真:貴子先生

10年後、20年後の肌のために、今できること

多くの人は、同性の血縁者と同じような加齢の段階を踏んでいきます。たとえばお父さんの目の周りのシワが深かったり、シミだらけだとしたら、自分もそうなる可能性が高いので、できるだけ早めに対策しておくのがベスト。スキンケアを始めるのが早ければ早いほど、将来のエイジングサインの出現は遅くなります。

パナソニックのスキンケアシェーバーに新しく搭載されたスキンクリアモード。クレンジングは男性が見逃しがちな部分なので、とてもいい着目点だと思いました。きちんとクレンジングして汚れを取ってあげることで、保湿の効果も促進できる。ひとつのツールでシェービングからクレンジング、保湿までできれば、面倒なことが苦手な男性でも自然と継続できるのではないかと思います。

写真:貴子先生

貴子先生

松倉クリニック代官山 院長
日本形成外科学会認定専門医 帝京大学医学部卒業 京都大学付属病院など大学病院を経て、都内美容外科クリニック院長など歴任。日本形成外科学会認定専門医の知識を活かして正しい美容医療を行う。

*弊社から貴子先生に依頼し、頂いたコメントを編集して掲載しています。

写真:貴子先生