辻製菓専門学校 吉野先生が語る冷凍保存した食パンのおいしさの秘密

辻製菓専門学校の吉野先生に、食パンをおいしく冷凍する方法と、冷凍保存した食パンのおいしさの秘密について教えていただきました。

辻製菓専門学校 吉野先生が語る 冷凍保存した 食パンの おいしさの秘密辻製菓専門学校 吉野先生が語る 冷凍保存した 食パンの おいしさの秘密

食パンは冷凍保存がおすすめ

食パンを冷凍すると味が落ちる?いいえ、そんなことはありません。むしろおいしくなると言ってもいいでしょう。
たとえばスーパーで売っている袋詰めの食パンは、工場からみなさんの手元に届くまで少なくとも1日以上は経過しています。買ってすぐなら生でもおいしく食べられますが、出荷から2日経ったあたりから、急激に硬化が進みます。

写真:冷凍保存のために袋に入れられた食パン

パンのおいしさを保つには、買ったらすぐに袋を開けて1枚ずつラップで包み、さらに保存袋に入れて冷凍庫に保存してください。水分の蒸発をできるだけ早く食い止めることが重要です。街のパン屋さんで買った焼き立ての食パンも、24時間を過ぎたものは同じように冷凍保存するのがおすすめです。

写真:吉野先生

冷凍保存した食パンのおいしさの秘密

おいしさの秘密「水蒸気」

冷凍食パンをトースターで焼き戻すと、氷結したパンの中の水分が、固体(氷)から液体(水)に戻り、さらに水蒸気化します。高温になったその水蒸気がパンを蒸し上げます。それによってパンの中身はやわらかく、ほくほくに仕上がります。
また、ラップする際に含まれる空気中の微量な水分が凍結すると、パンの表面に霜が降りたような状態になります。この状態で焼き戻すと、霜が一瞬にして水蒸気化し、パンの表面がパリッとします。トーストするときに霧吹きをすると良いと言われるのはこのためですが、パンを冷凍することで、霧吹きの手間を省くことができます。

写真:トーストされた食パン

おいしさの秘密「エントロピー効果*

トースターで食パンを焼くと、上下からの加熱により、パンの表面に熱が蓄積されます。その蓄熱が臨界を超えた瞬間、表面と内側の温度差をなくそうとする「エントロピー効果」が働き、パンの内側に水蒸気が均一に拡散されます。これにより表面はカリッ、耳はサクッ、中はしっとりジューシーなトーストになります。
冷凍食パンの場合、蓄熱の度合いが常温のパンよりも大きくなります。表面と内側の温度差の勾配がきついほど中はホクホクになるので、冷凍食パンのほうがトーストに向いていると言えます。

*トースト内部で生じる化学反応。パンの表面と内側の温度差をなくそうとして働く、エネルギー拡散のこと。

写真:吉野先生

オーブントースタービストロは焼き戻しに最適

オーブントースタービストロに搭載されている近赤外線は、パンの内部に直接熱を浸透させるので、冷凍の厚切り食パンもよりジューシーに焼き上げます。オーブントースタービストロは、遠赤外線で外をこんがり、近赤外線で中までしっかり温めるので、従来のトースターよりも外はサクッと、中はアツアツのトーストが楽しめます。

写真:吉野先生

辻製菓専門学校 製パン特任教授
吉野精一氏

1956年大阪生まれ。
American Insutitute of Baking 製パン科学学科、 Kansas State University 農学部穀物学科を卒業後、1986年に辻製菓専門学校に入職、現在にいたる。著書に『パン「こつ」の科学』(柴田書店)や「パンの科学」(講談社)など多数。

写真:吉野精一氏

難しい「冷凍・厚切り」を極上のトーストに
オーブントースター ビストロ NT-D700

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