寒い冬、換気時間は何分くらい? 効率的な換気の方法&コツ

換気のメリットや必要な時間と回数、効率的な換気の仕方についての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2024年4月1日 空気

「寒い時期は、窓を開けて換気をする気にはなれない……」という方はいませんか? 確かに、せっかく暖めた部屋が冷えてしまいそうで気が進みませんが、まったくしないというわけにもいかないですよね。そこで、できるだけ効率良く換気するコツを、住生活ジャーナリストの藤原 千秋さんに聞いてみました。窓を開けての換気に必要な時間や注意点なども教えてもらったので、ぜひご一読ください!

改めて考える、換気が必要な理由とは?

写真:窓

コロナ禍を経て、換気の大切さが広く知れ渡っている昨今。以前の記事でもお伝えしましたが、ここで改めておさらい、換気の必要性をまとめました。

二酸化炭素や一酸化炭素の濃度を下げ、酸素の濃度を上げる

人の呼気に含まれる二酸化炭素は、換気が不十分だと室内にどんどんたまっていきます。濃度が極端に上がると、頭がぼうっとするなどの不調につながることもあるので、定期的な換気で新鮮な空気を取り込まなくてはなりません。なお、ガスや灯油を燃料とする暖房器具を使っている場合は、特に注意が必要。一酸化炭素中毒のリスクがあるため、定期的な換気は不可欠となります。

室内にこもったニオイを外に出す

家の中には、さまざまなニオイの原因物質が存在しています。これらが混ざり合ったものが、いわゆる生活臭。壁紙や布製品にしみついてしまうと簡単に消すのは難しいのですが、調理をした後などの一時的なニオイは換気をすることで追い出すことができます。

室内にこもった湿気を外に出す

空気が乾燥しやすい冬でも、窓に結露が発生すれば、その周辺には余分な湿気がたまってしまいます。また、室内干しをしたり、加湿機を必要以上に使ったりして湿度過多になっている場合も。そのまま放置しているとカビやダニが発生する要因となるほか、家具を傷める可能性もあるので、換気をして外へ逃がすことが大切です。

ホコリや花粉、ウイルスなどの有害物質を排出する

室内の空気には、ホコリや花粉、カビ、ウイルスなど、さまざまな有害物質が存在しています。こうした物質も、換気をすることで外に出すことが可能。「外の空気のほうが汚いのでは?」と思うかもしれませんが、想像以上に家の中の空気は汚れているもの。幹線道路が近くにあったり、花粉や黄砂の飛来が激しかったりしない限りは、換気をしてきれいな空気を取り込む必要があるのです。

新鮮な空気を取り込んで、気分を切り替える

上記に加え、「換気には気分転換の側面もありますね」と、藤原さん。

「たとえば、会議室のように人が多くいる場所から外に出ると、気分が変わってすっきりしますよね。窓を開けて自然の空気を部屋に取り込めば、同じような効果が感じられると思います」

寒い日にも実践したい! 効果的な換気の方法

写真:窓辺にいる子ども

暖かい部屋の温度をできるだけ下げたくないと思うなら、換気を効率良く行うことが大切。具体的な方法を、藤原さんに聞きました。

エアコン暖房はつけたままでOK

「エアコンは立ち上がりのときに最も電力を必要とするので、換気で窓を開けるたびに切っていると、余計な負荷がかかります。また、換気をするときにエアコンを切り、室温が大きく下がってから再びつけると、元の温度に戻そうとして電力をさらに消費するため、エアコン暖房はつけたままで換気を行いましょう。なお、熱は暖かいところから冷たいところに移動する性質があるので、冬のように室内外の気温差が大きいときは、短時間で効率良く空気を入れ替えることができますよ」

換気時間は、1時間に5分〜10分を目安に

「換気の時間や頻度は家の広さや窓の数などによっても変わりますが、“1時間に5分〜10分×2回”が目安と言われています。ただ、そこまで頻繁に窓を開け閉めするのは難しいこともありますよね。基本的に、24時間換気システムが稼働していれば、2時間に一度、家の中の空気がすべて入れ替わっていることになるので、あまり厳密に考えなくても良いのかも。個人的には、“1時間に5分〜10分”を1回、行うことは必要かなと思っています」

2か所以上の窓を開けるなど、空気の通り道を考えて換気する

「ただ窓を開けていても、空気が動いていなければ換気は十分にできていません。空気を部屋全体に巡らせるには、空気の入口と出口を設ける必要があるので、対角線上にある2か所以上の窓を開けるなどして、空気の通り道をつくるようにしましょう」

イラスト:対角線上にある2か所以上の窓を開けた部屋

開ける窓の位置によっては節電につながることも

「たいていのお宅では、エアコンが窓の近くに設置されているため、難しいかもしれませんが、エアコンからできるだけ離れた位置の窓を開けるのがオススメです。なぜなら、エアコンが冷たい外気を感知すると、部屋が暖まってないと判断し、暖房を強めてしまうから。もし、選ぶ余地があるなら、エアコンから離れた窓を開けたほうが節電にもつながります」

窓が1か所だけなら、ドアを開ける&換気扇を回す

「窓が1か所しかなくても、その向かい側にドアや換気扇があれば、効率良く換気ができます。空気の入口を窓、出口をドアや換気扇として、空気の通り道をつくるイメージですね。さらにサーキュレーターを使うと、より効率がアップ。室内に向けて窓側に置けば外気を取り込む量が増え、ドアと部屋の境に置いて室外に向ければ、室内の空気を追い出すサポートができます。換気扇がある部屋なら窓側、室内のよどんだ空気をまずは出したいならドア側といった形で、部屋のつくりや目的によって使い分けると良いでしょう」

イラスト:サーキュレーターを使った空気の通り道

窓がない部屋でも、サーキュレーターが大活躍

「窓がない部屋の場合は、ドアの外にサーキュレーターを置いて強い風を送り、室内の空気を巡らせましょう。また、スペースがあるなら部屋の中央に置き、上に向けて風を送ることで、空気を撹拌できますよ」

24時間換気システムは常に稼働させておくことが大切

写真:換気スイッチ

上記のような換気を行ったとしても、24時間換気システムがオフになっていては、効率良く空気を入れ替えることはできません。以前の記事でもお伝えしたとおり、24時間換気システムは1年中24時間稼働させるのが正解なのです。

「窓を開けて換気をする、しないに関わらず、私たちの健康を守るためには、24時間換気システムはつけっぱなしにしておくことが大前提。電気代が気になるからと、24時間換気システムをオフにしている人は意外と多いのですが、それほどコストはかからないので、必ずつけておくようにしてくださいね」

高気密・高断熱の住宅は、より意識して換気を

「昨今の住宅は高気密・高断熱が当たり前ですが、昔の家のように外気が入り込みにくい分、換気の必要性はさらに高まります。24時間換気システムを稼働させていないと、例えば結露がひどくなるなんてことも。24時間換気システムの設置が義務付けられたのは2003年で、築20年ほどの住宅なら必ず設置されているので、確実に稼働させておき、そのうえで窓を開ける自然換気も意識して行いましょう」

換気ができるエアコンを活用するのもひとつの方法

写真:窓を開けたリビングで過ごす家族

多くのエアコンは換気機能が搭載されていませんが、パナソニックのエアコン『エオリア LXシリーズ』は別。新鮮な外気を取り込む給気換気に加え、室内の空気を追い出す排気換気もできるんです。換気運転の単独使用はもちろん、冷暖房運転と併用することも可能。さらに、パナソニック独自の清潔イオン、ナノイーXと組み合わせることで、花粉やニオイ、カビの対策にも役立ちます。

「毎日忙しくて、換気のことまで気が回らないという方は、こんなエアコンがあると助かるのでは? これ1台で換気は不要、というわけにはいきませんが、小さな子どもやペットがいたりして、窓を頻繁に開けるのが心配という方にも向いていると思います」

また、『エオリア LXシリーズ』は独自技術で優れた省エネ性を実現。たとえば、世界初となる「エネチャージシステム」は、今までなら大気中に放出していた、コンプレッサーから生まれる熱エネルギーをチャージ(蓄熱)して再利用します。暖房時には、この熱を室外機に付いた霜を溶かすために使うことで、霜取り中も暖房を止めずに※1暖かさをキープ。

画像:蓄えた熱で霜取り

そのほかにも、部屋の上部にたまった暖気をかき混ぜる「サーキュレーションモード」や、各種センサーで人の在・不在や部屋の状況などを解析し、学習して最適な運転を行う「エオリアAI」、毎月の電気代が視認でき、切り忘れ通知や自動で節電できる機能などを搭載した「エオリアアプリ」など、省エネ性能を高める独自技術を数多く搭載しています。

 

※1 霜取り運転中は吹き出し温度が下がります。その間の室温の低下度合いは、使用環境(お部屋の断熱・気密性能)、運転条件、温度条件によって異なります。 霜の付着量が多くなる環境では、暖房を止めて霜取り運転を行う場合があります。 24時間以上の連続運転中、一定時間おきにフィルターお掃除運転が働き、その間、暖房などの運転を停止します。

寒い冬も効率良く換気して、きれいな空気と暮らそう

「寒いから換気したくないという気持ち、私もよくわかります! でも、空気はやっぱり汚れているんですよね。目に見えなくても汚れているんだと、想像力を働かせるのはすごく大事。目には見えないけれど、24時間換気システムで汚れの粒子や二酸化炭素が出て行ったり、吸気口から新鮮な酸素が取り込まれたりして、家の空気がきれいになっていくというイメージが描ければ、換気のときの寒さにも負けずにいられたりするんじゃないかと思います。リモートワークをしている人も、空気がきれいなら頭がすっきりして仕事の効率が上がるはず。寒くて換気をしたくないと思ったときは、こういったメリットも想像してモチベーションを上げるのがオススメです」

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藤原 千秋

換気のメリットや必要な時間と回数、効率的な換気の仕方についての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して20余年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

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