縦型洗濯機Jコンセプトのデザイン

人に寄り添うやさしさを形に。,Jコンセプト 人に寄り添うやさしさを形に。,Jコンセプト

「今までのJコンセプトの縦型洗濯機の思想を受け継ぎながら、より一層人とくらしに寄り添うデザインを目指しました」

パナソニック株式会社
くらしアプライアンス社
デザインセンター

若松 佳代子

若松 佳代子 氏

「日々の洗濯がもっとラクにできるように」というコンセプトで、2015年の発売以来好評のJコンセプトの縦型洗濯機。
今回、日々の使いやすさの向上を目指して、洗剤・柔軟剤自動投入機能を新搭載。今までのJコンセプトの縦型洗濯機らしさを大切にしながら、どのようにデザインを磨き上げていったのか、担当デザイナーが語ります。

商品イメージ 商品イメージ

守ったのは、「人に寄り添うやさしさ」をカタチにすること。

初代Jコンセプトの縦型洗濯機は、「洗濯をする際の身体への負担やストレスを、どこまで軽減できるか」という視点で開発されたモデルです。今回新たにデザインするにあたっても、この視点は何よりも大切にしました。
新デザインで踏襲した3つのポイントについてご紹介します。

衣類をラクに取り出せること

まず1つ目は、衣類をラクに取り出せる「すぐソコスタイル&すっきりフロント」です。

商品イメージ:フタを開けた状態

パナソニックの縦型洗濯機は、洗濯槽にアクセスしやすいよう操作パネルは背面側についています。
Jコンセプトの縦型洗濯機では、さらに槽の位置を約5 cm高くすることで、取り出しやすさに徹底的にこだわっており、新しいデザインでも継承しています。

操作しやすく、見やすいこと。

2つ目に「大きくて見やすく、使いやすい操作部」です。

イメージ:操作パネル イメージ:操作パネル

どんな方にもストレスなく操作していただけるよう、従来機種同等の大きな文字や大きなボタンを採用しています。さらに、高輝度のホワイトLEDを用いることで、最大限視認性を高め、離れた場所からでも残時間が一目でわかるデザインになっています。

またこれまでの調査で、「同時に複数の情報を表示されると迷う」という傾向に気づきました。「状態を知らせるためには必要でも、操作中には不要な情報」は、パネル中央部に集約させて消し込むことで、必要なときに必要な情報だけ表示されるようにしました。初めての方でも迷わず操作できるデザインになっていると思います。

イメージ:操作パネルの電源OFF時
イメージ:操作パネルの電源ON時

大物衣類も出し入れしやすい、なめらかな投入口

3つ目は、投入口の形状です。フタを開けたときのフロント部をなめらかにすっきりさせることで、大物衣類もスムーズに取り出せるうえ、汚れが気になるときもサッとひと拭きするだけでお手入れできます。洗濯物の出し入れの際にも、手前に手をついて身体を支えやすい形状にしました。

イメージ:衣類を出し入れする様子

細部まで目に見えて使いやすく、環境にも配慮。

踏襲したことが3つあるように、今回新しくしたことも3つあります。

洗濯をよりラクにする「洗剤・柔軟剤 自動投入」

まず1つ目は、「液体洗剤・柔軟剤 自動投入」の搭載です。

イメージ:液体洗剤・柔軟剤を入れるタンク

洗濯機が最適な量の洗剤・柔軟剤を自動で投入してくれるので、日々の洗濯はさらにラクになります。
また、フタを閉めた状態でも洗剤・柔軟剤の残量が一目でわかるので、「いつの間にか洗剤がなくなってしまっていた」ということもなく、安心してお使いいただけます。

洗濯の様子がしっかり見える「クリアウィンドウ」

2つ目は「クリアウィンドウ」です。

イメージ:フタを閉めた洗濯機を上から見た様子

従来フィルム製だった窓を、より透過性の高いガラス窓に変更しています。大きくワイドに開いた窓からは、洗濯の様子をしっかり確認することができます。
ガラスを用いることでフタが重くなってしまう課題がありましたが、バネ方式の変更と、フタ自体の長さを短くする工夫により、従来Jコンセプトの縦型洗濯機同等の軽い力でフタを開閉ができるようになりました。

再生しやすさまで見据えた、環境配慮設計

3つ目は「環境配慮」です。
新しいJコンセプトの縦型洗濯機では人だけではなく環境にも優しいデザイン・設計を心がけています。
再生材の使用率に関しては、当社の縦型洗濯機の中で最も高い使用率を実現しています。今後デザインを新しくしていくモデルではさらに高めていくことを検討しています。
また、従来ガラスを用いた製品では、ガラスの固定に両面テープを複数用いることが多く、リサイクルの際の分解しにくさが課題になっておりました。一方新しいJコンセプトの縦型洗濯機では、両面テープを使わずガラスを樹脂で挟み込む構成とし、さらに使用するビスの本数も必要最小限にすることで、分解しやすい構造を工夫しました。

イメージ:洗濯機上部のパーツを分解した様子

一体感とやさしさのある造形。

洗濯機全体のフォルムは「人に寄り添うやさしさ」を体現するために、全体に丸みと一体感のあるデザインにしました。

商品イメージ:ヒンジが外側に付いている

一目で「やさしさ」を感じていただくためにこだわったのは、「フタとボディーの一体感をいかに出すか」ということです。発泡スチロールを何度も手で削って理想的な丸さやフタの構成を検討した結果、思い切ってヒンジを外に出すことで、フタとボディーを一体に見せることができました。

また、質感にもこだわっています。外観は、泡を連想させるようなやさしい手触りのマット質感、手がけ部分や投入口など、手でよく触れる部分は艶質感にすることで、全体の柔らかい印象とお手入れ性を両立したデザインになっています。

家事はきちんとやりたい、でもちょっぴり負担になってきた。そんなお客様に寄り添う洗濯機でありたい。

わたしたちパナソニックデザインセンターでは、「future craft-未来を丁寧に作り続ける-」というフィロソフィーの元、どんなお客様が、どんな場所で使うのか、家電としてどのような振る舞いをすればより心地よいくらしを送っていただけるのか、を常に考えながらデザインしています。

今回のJコンセプトの縦型洗濯機は、「家事がちょっぴり負担になってきた、でも家族のためにもしっかり家事をこなしたい」と願うお客様の負担を少しでも減らしたい、という思いでデザインしました。
目利き世代の方々に限らず、毎日家事をする全てのお客様にとって負担の少ない、やさしい洗濯機になったと思いますので、ぜひ多くの方に使っていただければ嬉しいです。

若松氏、商品と並んで撮影。

写真はデザインモデルの為、実際と異なる場合があります。