これからの時代、“休養”は積極的にとるべし!「リフ活」で疲れをとって、毎日を自分らしく
監修:片野 秀樹(かたの ひでき)
ライター:UP LIFE編集部
2021年11月12日
健康
1日の終わりに、思わず「つかれたぁ〜」とつぶやいてしまうこと、ありますよね?
仕事や家事や育児など、人生の超繁忙期を過ごす女性にとって、この「疲れ」こそが、真の敵なのではないでしょうか。
いつも健やかでいるために、「疲れ」を積極的にマネジメントしていく。
心身ともにリフレッシュし、本来の自分のパフォーマンスを取り戻す活動を“リフ活”といいますが、今、そんな“リフ活”に、注目が集まっています。
今回は、「リフ活」の取り入れ方について、疲れに科学的なアプローチを行う「休養学」のパイオニア・日本体育大学の片野 秀樹先生にお聞きしました!
そもそも疲れってなに?「疲労」の正体
- 1日の終わりにぐったりしてしまう
- 休んでも疲れがとれない
- 疲れで気力が湧かない…
疲れの感じ方は人それぞれですが、日々「慢性的な疲れ」を感じているという人は多いはず。
日本リカバリー協会が行った男女別:元気・疲労度調査でも、20〜40代女性は、同世代の男性よりも疲労度が高いという結果に。
そもそも、「疲れ」とは、何なのでしょうか?
片野先生に聞くと、疲れは“心身の活動能力が減退している状態”を指すそう。
活動に必要なエネルギーがなく、疲労による不快感や、休みたいという気持ちが強くなっていれば、疲労の真っただ中にあるといえるでしょう。
疲れは“自律神経の乱れ”の段階で対策するべし
「疲労は、過緊張という形であらわれます。
過緊張になると、常にピリピリしてしまったり、寝つきが悪くなることもあります。
これは、交感神経から副交感神経へのシフトができなくなる自律神経の乱れによって引き起こされているのです」と片野先生。
疲れには、この“自律神経の乱れ”の段階でアプローチするのがベストとのこと。
過緊張がつづくと、自律神経の乱れに留まらず、神経や内分泌系、免疫にも影響をおよぼします。
その結果、さまざまな不調を引き起こすことも。
疲れと不調は、1つの道でつながっているのです。
リフ活のポイントは、4つの「休養サイクル」を意識し疲れをとること
目まぐるしい日々の中で自分のことは後回しにして、気力でがんばる人もいるはず。
でも、疲労の結果、病気になってしまっては元も子もありません。
疲れの影響が、自律神経の乱れに留まっている間に解決するためには、どうすればよいのでしょうか?
疲労回復にはメンタル面も含めた活力アップが大事
片野先生は、「休養サイクル」を意識することが大切だといいます。
「休養サイクルとは、文字通り、“心身を休めて、活力を養う疲労回復のサイクル”のこと。
日本人の活動は、①仕事や活動 ②疲労やストレス ③休息のトライアングル型です。
できればここに、【④活力を養う】を入れてほしい。
具体的には、仕事や活動(①)で受けた疲労やストレス(②)を、休息によって回復させ(③)、次の活動へつなげる活力を養う(④)といった形です。
『活力』を取り入れることで、単に肉体の休息だけでなく、メンタルを含めた総合的な活動能力の増幅をはかることができるはず」と片野先生。
つまり、減ってしまった活動能力を引き上げるためには、活力が必要だということ。
身体を休めるだけでなく、活力を養うことで、疲労に向き合い、解消していくサイクルができるのです。
リフ活初心者の方は、まず、この4つの休養サイクルを意識してみてください。
休養モデルの「7つのタイプ」を組み合わせて、自分なりのリフ活を!
それでは具体的に、「活力」を養うにはどうしたらよいのでしょう?
答えは簡単!
“休養モデルの「7つのタイプ」を組み合わせること”です。
休養の「7つのタイプ※」とは、休息だけでなく、運動や栄養、娯楽や人との親交、創作活動や、旅行などで環境そのものを変える「転換」などさまざま。
※ 参考:杉田 正明、片野 秀樹:休養学基礎:p.11、メディカ出版、2021
「休む=寝ることだと日本人は思いがちですが、真逆に見える運動も休息になります。
いきなり運動というとハードルが高く感じられる人は、疲れを感じたときや、就寝前に、血流を促進するために脚のマッサージをするだけでも違うはず。
さらに、音楽を聴きながらマッサージをすれば、休養タイプの【休息】と、【娯楽】を組み合わせた形になりますよ」と片野先生。
手軽にできる気分転換やリフレッシュ方法をリストアップしておく
休養タイプの組み合わせ方は、趣味や楽しみをベースに何タイプでも無限に組み合わせることができます。
マッサージしながらハーブティを飲み、読書をするなら、【休息】、【栄養】、【娯楽】タイプの組み合わせですし、家族と旅行に行って美味しいものを食べて、ぐっすり眠るなら【転換】、【運動】、【栄養】、【休息】タイプなどを組み合わせたことになります。
「大きな環境の変化を目指さなくても、たとえば仕事の休憩時間や、家事の合間に休養をとるのも大切。
1日のタイムスケジュールにある“切れ目”をうまく活用するのがコツです。
そして、ぜひ、手軽にできる休養の手段をふだんからリストアップしてみてください。
忙しい日常の切れ目に差しかかったときに、すぐに活力を蓄えられるように。
そういった自己回復のためのリテラシーは自分らしく生きることにつながっていくはずですから」。
監修
片野 秀樹(かたの ひでき)
医学博士、日本リカバリー協会代表理事。リカバリーウエアを展開する株式会社ベネクスの創業メンバーであり、主に商品の研究開発責任者として日本および欧米の大学と共同研究。その後、疲労を科学し、テクノロジーによって解決するためのさまざまな手法の実践に勢力的に取り組んでいる。現在は日本体育大学で研究活動に取り組むかたわら、「休養」を学問として体系立てた初の著書「休養学基礎」を出版。また、研究活動の一環として、休養先進国ともいえるドイツと行き来する日々を送っている。
2021年11月12日 健康
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