エアコンの室外機は掃除が必要! 自分でできるお手入れのポイントを解説

室外機の掃除や手入れについての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2025年1月28日
空気

エアコンの室外機、皆さんは掃除したことがありますか? 家の外にあるため、あまり気にしたことはないかもしれませんが、実はお手入れが必要なときもあるんです。そのタイミングに気付かないまま使い続けていると、エアコンの効きが悪くなったり、故障の原因となったりする可能性も…。では、エアコンに負担をかけないためには、どんなお手入れをすればよいのでしょうか? 家電ライターの田中真紀子さんに聞きました。

室外機のお手入れはなぜ必要?

写真:エアコン室外機

エアコンの仕組みと室外機の役割

エアコンの室外機は、その名の通り部屋の外に設置するエアコン機器。室内機とセットで使われますが、一体、どのような役割を担っているのでしょうか?

「室外機は室内機とつながっており、屋内外の熱をやり取りする重要な機器。たとえば部屋の温度を下げたい冷房時は、室内機が部屋の熱を取り込んで室外機から外に送り、放熱された空気を再び部屋に送り込んでいます」

エアコンの室内機と室外機は、言わば二人三脚の関係。どちらも重要な機器であり、片方が欠ければ部屋の空気調和をコントロールできなくなるのです。

室外機のお手入れをするメリット

では、室外機のお手入れをしていないと、どのような影響があるのでしょうか?

「室外機の周辺に物があったりして風通しが良くないと、熱の出し入れが阻害され、エアコンの運転効率が下がってしまいます。効率が悪ければ必要以上のパワーで稼働するため、電気代が余計にかかることに。さらに、エアコンに無理をさせることで負担が増え、その分、寿命が短くなることもあり得るんです」

つまり、室外機とその周辺を整えておけば、運転効率は良好なままでムダな電気代もかからず、エアコンを長持ちさせることにつながります。

エアコン室外機の汚れの原因

「室外機は屋外に設置しているので、土ボコリなどで黒ずみがちですが、こうした汚れは特に問題ありません。注意したいのは、落ち葉やビニール袋などのゴミ。これらが風で飛ばされたりして吹き出し口や裏側のフィンをふさいでしまうと、運転効率の低下につながります。また、負荷がかかることで、運転音が大きくなる可能性もありますね」

室外機のお手入れが必要なのはどんなとき?

写真:エアコン室外機

室外機周辺の掃除が必要なサイン

「先ほどお話ししたように、室外機周辺にゴミが溜まっているときは、すぐに掃除したいところ。運転音がいつもより大きいと感じたときは周辺を確認のうえ、必要に応じて掃除しましょう。また、室外機の脇にあるドレンホースにゴミや虫が詰まっているときも、掃除のタイミングです。このホースは、室内機の熱交換器に溜まった結露水を排出するためのもの。細くて砂ボコリや虫の巣で詰まりやすいので、時々のぞき込んで、詰まっている場合は掃除してください」

台風などで強風が吹いた翌日も要注意

「たいていの落ち葉やゴミは、風で飛ばされてやって来ます。枯れ葉が室外機にびっしり…なんてこともあり得るので、風が強かった日の翌日は、室外機の破損の有無とともに周辺を確認してみてください」

室外機の掃除の頻度とおすすめの時期

「室外機は汚れに強いので、室内機のフィルターのようにこまめな掃除は必要ありません。エアコンがベストな状態で作動できるように、年に1〜2回、室外機のお手入れをしましょう。おすすめは、“冷暖房をそろそろ使おうかな”と考えるタイミングである5〜6月と10〜11月頃です」

自分でできる室外機掃除の方法

写真:掃除をする女性

①室外機の設置場所の周りはスッキリキレイに

室外機の周りにゴミなどが置かれていると、空気がスムーズに流れずに余計な電気を消費します。室外機の構造によって違いはありますが、できれば室外機の前側30㎝以内には物を置かないようにしてください。また、枯葉や砂なども忘れずに取り除きましょう。

写真:ベランダに設置された室外機

②表面をからぶきする

雨風にさらされる室外機は、汚れやすいイメージがありますが、実は表面をやわらかい布でからぶきするくらいのお掃除で十分です。逆に水をかけたり、他のお手入れをしてしまうと室外機内部の部品が損傷し、故障の原因になることも。

③室外機の裏側も忘れずにキレイにしよう

室外機の裏側にまとまったほこりやゴミが溜まっていたら、丁寧に取り除きましょう。なお、室外機の内部に入り込んでいる場合は、無理に取ろうとすると熱交換器のフィンを破損したり、ケガをしたりする可能性があります。手の届く範囲で取り除けないときは、専門のクリーニング業者に相談してください。

写真:落ち葉を掃除するイメージ

④ドレンホースの中の詰まりや虫の巣は取り除く

「ドレンホースに詰まったゴミは、割り箸などでかき出して取り除きましょう。なお、虫やゴミが入り込むのを防ぐなら、防虫用のキャップやネットをかぶせておくのもおすすめです」

室外機の掃除をする際の注意点

「室外機は水が入りにくい構造ですが、内部はとてもデリケート。勢い良く水をかけたり、高圧洗浄機を使ったりしないようにしましょう。また、市販のエアコン洗浄スプレーなどは部品を傷めたり、詰まりの原因になったりすることもあるため、使用を避けてください」

室外機の定期的なチェックも忘れずに!

「屋外にある室外機は、存在を忘れがちですが、エアコンの心臓部と言ってもいいくらい大切な役割を果たしています。基本的には頑丈につくられているものの、ゴミが溜まると効率が落ち、結果的に寿命が短くなることも。きちんと働いてもらうためにも、エアコンを使い始める前のタイミングで定期的にチェックして、良い状態をキープしましょう」

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室外機の掃除や手入れについての監修

田中 真紀子(たなか まきこ)

田中 真紀子(たなか まきこ)

白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やweb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。

※室外機をお手入れする際は、室内機の電源プラグを抜いてください。
※室外機に直接、水(お湯)をかけないでください。電子部品などの故障の原因になる可能性があります。
※室外機の吹出口に、指や棒などを入れないでください。内部でファンが高速回転しているため、けがの原因になる可能性があります。
※室外機の上に乗ったり、物を載せたりしないでください。転落や落下の原因になる可能性があります。特にベランダなど高い場所に設置する場合はご注意ください。

2025年1月28日 空気

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