ワンランク上の日常感溢れる写真を撮る秘訣とは!?
エモーショナルな写真を撮るためのカメラの活用法と撮影時に気をつけたいポイントについての監修・写真・ライター:大貝 篤史
2021年8月3日
エンタメ
身近にいる人との日々の時間をもっとエモーショナルに残したい……。そんな思いをカタチにするためのカメラ活用法や撮影時に気をつけたいポイントなど、これから始めたいビギナーへ向けて解説します。
なにはともあれカメラを身近に置くこと
仕舞い込まずに目の届くところにいつでも置いておこう。LUMIX G100は小型でとてもカメラらしいデザインだ。 ※LUMIX S5で撮影
※本記事はパナソニックから、大貝 篤史さんに「LUMIX」を提供した上、本記事の作成を依頼し、内容を編集して掲載しております。
せっかくカメラを購入してもいざというときのために、大事に仕舞い込んでしまっているケースが多々あります。いつ来るかわからないシャッターチャンスを逃さず撮るためにも、カメラは身近な場所に置く習慣をつけましょう。そうすることで、自分が撮りたいと思ったときに、すぐに撮れます。習慣的に使うカメラは場所をとらない小型かつ軽量なものがおすすめです。最新のミラーレスカメラなら小型なものが多く、LUMIX Gシリーズも小型なモデルが揃っているのでおすすめです。また小型であることで、被写体に威圧感を与えることなく撮影できるのもいいですね。自然な表情を狙いやすくなります。
写真の場合は「撮っていること」を意識させない
静音シャッターならうたた寝している時にも起こさず撮影できる。 ※LUMIX G100で撮影
日常感を汲み取る写真を撮る上で重要なのは、相手にカメラを意識させないことです。特にスチルの場合は相手の微妙な表情などを狙いたいので、その影響は如実にでます。意識させないことで、ナチュラルな表情と仕草を撮ることができ、まさに「日常的な世界観」を醸し出した写真になります。
そこでおすすめなのが、シャッター音がしない「サイレントモード」と「フリーアングルモニター」での撮影です。これらを使用することで、被写体に自分がいつ撮られたのかを意識させることが防げます。また、カメラを構えていると、いかにも「撮ってるよ」となってしまいますが、背面モニターを見ながらであれば、目線が外れているため被写体に威圧感を与えずに、リラックスさせることができます。
ふとした瞬間にはどこか生活感があり、それだけで「エモい」写真になる。 ※LUMIX G100で撮影
デジタルカメラのアドバンテージをフルに活用することで、撮っていることを意識させずに撮影することができ、自然な表情を引き出すことが可能です。
撮影者と被写体の関係性を引き出す
自然な表情や雰囲気を作れるようになれば、次にエッセンスが必要になります。大事にしたいのは「何を写したい」のかということです。写真作家でもないのに、そんなのは難しいと思う人はいると思いますが、そういう人におすすめしたいのは「自分との関係性」を意識した写真を撮ることです。例えば、恋人であれば「彼氏、彼女」であることを意識し、家族であれば「親、兄弟」などを意識します。そうすることで、撮りたい人との日常を意識しやすくなり、非常にエモーショナルな写真を撮れるようになります。人と人の関係性がしっかりと写り込んだ写真は、その空気感も含めて魅力的であり、人々を魅了します。そこにこそあなたにしか撮れない「日常写真」が存在するのです。
例えば料理をしているところ、寝ているところ、掃除をしているところ…など被写体との関係性を明確に意識できていれば、撮りたいシーンが自ずとイメージできます。後は「いつどこでどのように」を考えれば、シャッターチャンスを逃すことなく意図した写真を撮ることができるでしょう。日常写真は偶然撮れたものだと思う人が多いですが、実はかなり「計算された」写真であることがわかります。撮り手も被写体も意識しない環境を整えたうえ、計画的に撮影することが極意といってもいいでしょう。
今回の撮影では、ケンコー・トキナーの「ブラックミスト No.05」という特殊フィルターを使用。 ※LUMIX G100で撮影
また、エモーショナルな雰囲気を醸し出すためにも、カメラに搭載されている「フォトスタイル」や「クリエイティブコントロール」を積極的に活用し、少し「クラシカル」な雰囲気に仕上げるのも面白いです。また、レンズに装着する特殊なフィルターを利用することで光が少し拡散し、どこか懐かしい「映画のワンシーン」のような写真や動画を撮影できるものがあり、積極的に使ってみるのもいいですね。
動画撮影の場合には「ストーリー」を考える
動画撮影の場合にはカメラを意識させると「流れ」が作りやすい。 ※LUMIX G100で撮影
瞬間を切り抜く写真撮影の場合には「意識しない」ことが重要だと話しました。しかし動画の場合にはむしろ「意識させること」が重要になります。動画は写真と違って、タイムライン(時間軸)が存在します。漫然と撮影しても前後のつながりがチグハグしたり、メリハリのない動画になってしまいます。写真のように意識しない環境を作ってから撮りたい瞬間を探していくのではなく、最初から意識して全体の構成をイメージすることで、完成度の高いショートムービーを作ることができます。
人物ばかり撮るのではなく、身近な「もの」も撮っておくと場面のつながりに使えて編集しやすい。 ※LUMIX G100で撮影
撮影時のコツとしておすすめなのが適度な「浮遊感」です。人間は少しでも動けば揺れるものです。それを再現することで、よりリアルな人間の「目線」を演出できます。あまり派手に揺らすと、見づらい映像になってしまいますので注意してください。再現する際にはジンバルと言われるスタビライザーを使用すると、自然でなめらかな動きが可能になります。昨今では、さまざまなジンバルが販売されており、容易に手に入るようになりました。ジンバルを購入する際に注意したいのは「積載可能重量」です。どのぐらいの重さのカメラを搭載することができるのかは、ジンバルごとに違います。カメラ本体とレンズの総重量を量り、搭載できるものを選びましょう。
カメラ本体の重量が軽ければ、その分ジンバルも比較的小型のものが使える。写真はMOZAのMINI-P。 ※LUMIX S5で撮影
カメラをもっと活用することで、自分にしか表現できない「日常」があることに気づくはずです。その何気ない瞬間や出来事を写真や動画で記録することが、日々の生活を見直す手がかりになるかもしれません。身近な人とのコミュニケーションをより円滑にするためのツールとしてどんどん活用しましょう。
LUMIX G100で撮影したイメージ動画「Everyday」
モデル:安倍 萌生
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エモーショナルな写真を撮るためのカメラの活用法と撮影時に気をつけたいポイントについての監修・写真・ライター
大貝 篤史
大阪府生まれ、横浜育ち。東京学芸大学を卒業後、数々の出版社で編集業務を行うかたわら、誌面写真の撮影も行う。
2011年からスナップシーンでのポートレート作品を撮りはじめる。17年に朝日新聞出版を退社後、フリーディレクターとして活躍しながら、作品づくりも鋭意実施。20年6月まで写真誌「アサヒカメラ」のディレクターとして業務を行う。15年には個展「安倍萌生写真展」、17年、18年、19年と「育ち盛りの写真家写真展」に参加。それ以外にもポートレート写真展「HUMAN COMPLEX」を実施。
2021年8月2日 エンタメ
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