SDカードはどう選べば良い?SDHCカード、SDXCカードとの違いは?
ライター:UP LIFE編集部
2022年6月23日
家事・くらし
写真や動画のデータを保存するなど、SDカードはいろいろな使い方ができます。しかし適切な製品を選ばなければ、上手く使えないこともあります。
そこで今回は、SDカードの規格の違いとそれぞれのカード規格のメリット・デメリットについて解説していきます。用途に応じたSDカードを選ぶようにしましょう。
SDカード、SDHCカード、SDXCカードの特徴・違い
大容量記録メディアとして広く普及しているSDカード。規格が複数存在しますが、違いを区別せずに外観が同じような製品をひとまとめに「SDカード」と呼ぶ人が多いのが実状です。それぞれの規格の特徴や違いについて順番に見てみましょう。
SDカードは容量ごとに規格が異なる
SDカードの規格は3つあり、容量の大きさごとに名称が変わります。
①SDカード
一般的によく知られているのがこのタイプです。最大容量は2GBまでとなっており、規格の中ではデータを保存できる量が最も控えめです。
②SDHCカード
最低4GB、最大32GB分のデータを保存できます。市販のSDHCカード製品は、4GB・8GB・16GB・32GBの4つに分かれており、用途に応じた容量を選べます。大容量ではないものの、少なすぎないちょうど良い容量を持った規格といえるでしょう。
③SDXCカード
最低64GB、最大2TB分のデータを保存できます。SDXCカードの製品は64GB・128GB・256GBの3つに分かれており、ユーザーが必要な分の容量を選べるような形で販売されています。3つの規格の中では一番保存できるデータ量が多く、現在利用されるSDカードの中でも主流となっています。
SDカードのサイズ規格は主に2種類存在する
SDカードは容量のほかにサイズの規格も存在します。たとえば、デジタルカメラとスマートフォンに挿入されているSDカードは、サイズ規格がそれぞれ異なります。
間違えたサイズのカードを購入すると機器に挿し込めないため、注意が必要です。
サイズ規格としては「SDカード」と「microSDカード」の2つが主流です。デジタルカメラ・ビデオカメラ・フォトフレームなどで使用されているSDカード規格のサイズは24x32x2.1mmです。スマートフォンなどの小型の端末だと11x15x1mm規格のMicroSDカードが多くなっています。なお、microSDカードはSDカードサイズのアダプターを利用し、通常のSDカードスロットへ挿入することも可能です。
このほかに「miniSDカード」という規格も存在しますが、現在は用いられることが少なくなっています。
SDカードを使いたい機器がどちらのサイズ規格に対応しているかは、説明書や挿し込み口の大きさを見て判断できます。
SDカードは500円玉硬貨より少し大きめで、microSDカードは1円玉硬貨よりも小さいサイズです。2つを並べると、一目で分かるほど大きさに差があるため、サイズ規格の区別で困ることはあまりないでしょう。
連写や動画撮影をする場合は転送速度も要チェック
連写や動画撮影をする場合、大量のデータ書き込みに対応できるような性能のSDカードを選ぶ必要があります。
転送速度が足りないSDカードを使ってしまうと、シャッターチャンスを捉えて連写したのに途中で撮影が止まったり、動画が切れ切れになってしまったりするなどの撮影ミスが発生します。
連写や動画撮影に失敗しないためには、一定以上のスピードクラスや書き込み速度を備えたSDカードを選ばなければなりません。そこで目安となるのは「UHSスピードクラス」です。スピードクラスとは動画撮影や録画に必要な最低転送速度のことです。スピードクラスが遅いと、コマ落ちや録画が中断してしまうなどの不具合が生じてしまいます。
とくに注意すべきは「書き込み速度」です。書き込み速度は写真や動画のデータをSDカードへ書き込む最高速度のことです。書き込み速度が速ければ高速連写などがスムーズに行えます。SDカードの「~MB/s」という表記が書き込み速度の速さを表しています。
MBの数値が大きいほど書き込み速度の性能が高くなっています。基本的に数値が大きいほど連写撮影が快適になります。製品によっては、「〜MB/s以上のSDカードが必要」という指定もあるので、注意してください。
動画撮影の場合、個人的な用途であれば、UHSスピードクラス1またはスピードクラスが10以上のSDカードを選ぶと良いでしょう。
スマートフォンやデジタルカメラでの連写やフルHD画質の動画撮影に対応できます。また、パソコンへデータを移すときの速度も快適です。なお、デジタルビデオカメラやデジタル一眼カメラでの4K動画撮影に使用する場合は、UHSスピードクラス3(書き込み速度が30MB/秒以上を保証)のSDカードを選んでください。4K動画撮影にUHSスピードクラス1やスピードクラスが10のSDカードを使用すると、書き込み速度の不足により、動画が途切れる等の可能性があります。
その他の記録メディア装置とSDカードとの違い
SDカードと似た製品がいくつかあります。たとえば、USBメモリ、メモリースティック、CFカード、SSD、eMMCといった製品です。
USBメモリやSSDは、パソコンや周辺機器で主に使われることの多い製品です。メモリースティックはSDカードと類似したメモリーカードの一種で、カメラやポータブル端末の記録装置として使われていました。
CFカードは、デジタル一眼カメラ用のメモリーカードとして採用されているストレージです。eMMCはスマートフォンやタブレット用のストレージ装置として主に使われています。それぞれの製品は特定の機器での使用に特化している点が特徴といえるでしょう。
逆にSDカードは、パソコンやカメラ、スマートフォンなどの広い範囲に対応している汎用性の高いメモリーカードだといえます。SDカードが一枚あれば、様々な機器に対応できるため便利です。
SDカード、SDHCカード、SDXCカードのメリット・デメリット
適切なSDカードを選ぶには、用途に対してどのぐらいの容量が必要かを考えると決めやすくなります。
SDカード
最大の容量が2GBまでしかないSDカードは、単価が安いというメリットがあり、容量が多くなくても問題がない人に最適な規格です。そのため、写真や動画撮影をあまりしない人に向いています。また、容量がいっぱいにならないうちに、保存したデータをパソコンやほかの場所へすぐ移してしまう人にもぴったりです。
SDHCカード
SDHCカードは、SDカードよりもデータを多く保管でき、手頃な範囲の値段で入手できるのがメリットです。お出かけ先で写真や動画をよく撮る人にとって、2GBはすぐに容量がいっぱいになってしまいますが、32GB程度なら、個人的な使用範囲では十分な量だといえます。食事・旅行・友人とお出かけしたときなど、日常で写真や動画を撮る機会が多い人に向いています。
しかし、SDHCカードに対応している機器でなければ使用できないため、購入前に確認が必要です。
SDXCカード
SDXCカードは、SDカードの中で最も容量が大きい規格です。データを大量に保管できるため、写真や動画撮影をしているときに残り容量をあまり気にしなくても良い点がメリットです。近ごろは低価格化が進み、製品の容量と価格を割ると1GBあたりの単価がほかの規格に比べて安価となることもあるようです。
4K/2K撮影やフルHDなど高画質な動画や高画素の写真を撮っていると、ファイルデータの1つひとつが大きくなりがちです。容量の小さいSDカードを使用して、いざ撮影中に「容量がいっぱいで撮影ができない」というトラブルを避けるためにも、予め大容量のSDXCカードを用意しておくと良いでしょう。デメリットとしては、容量が大きい分、値段が張ってしまう点が挙げられます。また、SDXC対応している機器でなければ使用できないため、購入前に確認が必要です。
ドライブレコーダーの撮影には「pSLC方式」がおすすめ!
近年ではあおり運転や車上荒らしなどに対する防犯意識の高まりから、ドライブレコーダーを車内に搭載する人が増えています。
交通トラブルに遭遇した際にドライブレコーダーの録画データが重要な証拠になる場合があるからです。走行中の録画データはSDカードに保存されていますが、長期間同じものを使い続けていると消耗が進み、データの書き込みエラーが起きやすくなります。
エラーが起きやすくなったSDカードを使い続けていると、もしものことが起きたとき、重要な録画データが残っていないということが起きかねません。もしSDカードを長い間使っているのであれば、早めの買い替えが必要です。
ドライブレコーダー用に購入するSDカードは「pSLC方式」がおすすめです。業務用にも使われている方式のため、高頻度な書き込みへの耐性と高い保存性が特徴です。
SDカードには3つの規格があり、メーカーや性能により値段が異なります。性能が高いものは値段も相応に高くなるため、用途と費用のバランスを考えて製品を選ぶと良いでしょう。
また、機器が対応しているカードのサイズを確認することも忘れないようにしてください。選ぶときに容量が足りるか不安な場合は、少し大きめのタイプを選ぶと安心です。
2022年6月23日 家事・くらし
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