オートクッカー ビストロでつくる「匠」の逸品メニュー

圧力の強さと時間のかけ方は非常に重要なポイントになります。圧力をかけすぎても柔らかくはなるが、とろとろになり過ぎてしまったり、お肉の食感がなくなってしまったりしてしまう可能性があります。また、時間をかければいいというわけではありません。やはりその料理や食材にあった適度な圧力と時間がお肉や素材の旨味を引き出します。今回は、その絶妙な圧力の強さと時間をレシピに設定しました。材料を入れるだけで自動で調理できるのでおまかせでおいしくできます。

左：【調理前】材料を入れただけの状態
右：【調理後】圧力調理で肉の素材の旨味を引き出し、食材にあった火の通り具合に

今回の材料のポイントはスパイスの合わせ方にあります。あまり余計な味と香りにはしたくない場合は単体で、逆に数種のスパイスを使えば、合わさって生まれる複雑な味と香りが出せます。単体でくせのあるスパイスやハーブでも数種類合わせることで一つのまとまった味と香りのハーモニーが生まれます。

スペアリブを使った理由は、骨からも味が出るのと程よい脂がついていること、また骨の周りのお肉は味があって美味しいです。肩ロースは脂と正肉の割合がよくバランスがいい部位です。どちらか一方のお肉でも良いですが、肩ロースとスペアリブ、違う部位を合わせることでよりお肉の味を楽しむことができると思います。

オニオンスープは玉ねぎの炒め方でほぼその9割が決まります。通常の工程ですと時間をかけてじっくりと玉ねぎを炒めることでカラメル感、風味、甘味、旨味が引き出されますが、炒める加減が難しく時間もかかります。オートクッカー ビストロなら、つきっきりで炒める必要もなく、手間のかかる工程が自動で、出来栄えも完璧です。

左：玉ねぎ４個分をどっさりと
右：あめ色玉ねぎ完成（ムラなくしっかりあめ色に）

昆布茶や昆布だしは玉ねぎの素材の味から更に旨みを引き出すことができます。

味付けのポイントとしては、今回はブイヨンを使わずベースの出汁をあえてお水だけで作り、玉ねぎの旨味をすべて引き出したことです。また、バターに火を入れで香ばしい風味とコクを出し、味と深みが増したところにベーコンも加えていくことで旨味がでます。素材の味を邪魔しないで最後まで活かす事を考えて、旨味だけを加えるのがねらいです。それにより何時間も煮込んで作ったようなオニオンスープになります。

ぜんざいは、あずきのつぶつぶ感は残したい、でもお汁粉の汁感も欲しいなど、圧力の強さや時間によっての加減が難しい料理です。手鍋では圧力がかけられないので、小豆だけ先に炊いて砂糖は後から加えて炊きますが、オートクッカーは圧力をかけながら鍋底かきまぜで攪拌ができるので均一にむらなく、砂糖と小豆を同時に調理できます。もちろん好みもあるかと思いますが、あずきが程よくつぶれていて、つぶつぶ感を感じながらややとろみのある汁感も楽しめるよう、程よい圧力と鍋底かきまぜの設定をしました。

左：渋抜きした小豆と他の材料を入れる
右：直観的でわかりやすい、かんたん操作。

材料は、ワンランクアップの味付けとしてチョコレートと濃い目のコーヒー（エスプレッソ）を入れました。風味やちょっとした隠し味を加えることでホテルクラスのぜんざいになります。

チョコレートを加えることで甘い風味とコクを出し、そこへキリっとコーヒーの風味と苦味が全体の味を引き締め、大人のぜんざいになります。加える砂糖の種類によっても甘さやコクが違うので、自分好みの砂糖で甘味を付ける楽しみ方もあります。

1964年、東京オリンピックの年に開業したホテルニューオータニは、日本最初の大型国際ホテル。東京・紀尾井町の高台に位置し、最上階に円盤型のレストランを擁するシンボリックなスタイルの建物、ザ・メイン（本館）は、オープン以来国内外のゲストに愛されてきました。素晴らしいおもてなしは世界中の美食が集まるホテル内のダイニングでも味わえます。