エアコン暖房の風向きは「下」が正解!
設定温度を上げずに暖房効率をアップさせる使い方
エアコン暖房の風向きについての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2024年12月23日
空気
冬は電気代が高くなりがちな季節。少しでも節約したいなら、暖房を賢く使うことが大切です。中でもポイントとなるのが、エアコン暖房の風向き! 効率良く部屋を暖めるにはどこに向ければいいのか、家電のスペシャリストである田中真紀子さんに教えてもらいました。さらに、部屋の温度を下げない工夫もお伝えするので、冬の電気代が気になる方は、ぜひご一読ください。
エアコン暖房の風向きは、下に向けるのがオススメ!
「エアコンを使うとき、上下の風向きをスイングにしている人も意外と多いようですが、暖房時は下向きがいいですよ」と、田中さん。まずはその理由を聞いてみました。
部屋全体を効率良く暖めたいなら、空気の性質を利用しよう
「エアコンの風向きをスイングにすると、暖気がまんべんなく行き渡るように感じるかもしれません。でも、空気は温度が高くなると体積が膨張して軽くなるという性質があるため、スイング運転だと暖かい空気が床面までなかなか到達せず、天井に上昇してしまいます。結果、室内で温度差が生じてしまうことになり足元はいつまでも寒いままに。
いっぽう、風向きを下向きにし、最初から下にある空気を暖めるほうが、部屋全体を効率良く暖めることができます。また、人の足は心臓から離れていて血流が滞りやすいため、足元の冷えを軽減するという意味でも、エアコン暖房の風は下に向けると良いでしょう」
下に向ける角度はできるだけ直角になるように
「風の向きは真下に近いほどオススメ。エアコンのモデルによっては90度にはならないですが、可能な限り下に向けるようにしましょう。なお、左右の風向きについては、使用状況によっても変わってきます。たとえばエアコンが部屋の端にある場合は、できるだけ中央に向けたほうが部屋全体を暖めやすいもの。一方で、その位置に人がいると風が直接当たって不快に感じることもあるので、いつも人がいる場所には向けないようにするといった調整も必要になります」
風量の強弱は自動運転でエアコンにおまかせを
「エアコンの風量は最初から自動運転にしておくと、部屋がどれだけ暖まったかをエアコンが判断して、強運転から弱運転へと自動で調整してくれます。もし、手動で調整したい場合は、エアコンの自動運転と同じように最初のうちは強運転で遠くまで暖気を送り、ある程度温まってから弱めると良いでしょう」
パナソニックがオススメする、エアコン暖房節電術
パナソニックでは、エアコンを賢く利用して電気代を抑える方法として、『これを知っておけば、冷房も暖房もお得に活用!―エアコン節電術7選―』という記事を公開しています。その内容を、ここで簡単にご紹介しましょう。
サーキュレーターを使って室内の温度ムラをなくす
サーキュレーターや扇風機などで室内の空気を循環させると、室内の温度ムラを抑えることができます。そこでひとつ浮かぶのが、「サーキュレーターを使うなら、エアコンの風向きはどこでも良いのでは?」という疑問。実際はどうなのか、田中さんに聞いてみました。
「サーキュレーターをエアコンの対角線上に置き、上向きに風を送って天井付近にある暖かい空気をかき混ぜることで、温度ムラを解消しやすくなります。とはいえ、サーキュレーターはあくまでサポート的なもの。源流となるエアコンの風が下を向いていないと、空気が上から下に移動する流れをつくりにくくなってしまいます」
ほかにもいろいろ! 実践したい節電術
サーキュレーターで温度ムラを解消するだけでなく、以下のような方法も有効です。
- 湿度を上げることで、体感温度をアップさせる
- 厚手のカーテンを使用して、窓からの冷気を抑える
- 室内機のフィルターはホコリで目詰まりしないよう、こまめに掃除をする
- 室外機の周囲は空気が通るようにして、熱交換効率を妨げない
上記に加え、「“部屋全体ではなく、自分を暖める”のもオススメ」と田中さん。
「部屋にいる人数が少ないときなど、部屋全体を暖める必要がない場合は、エアコンの設定温度を少し下げつつ、消費電力の少ないスポット暖房や電気ひざかけを併用するのも良いでしょう。このほか、製造年式が10年以上前のエアコンを使っている場合は、省エネ性に優れ、暖房機能も充実した最新エアコンに買い替えを検討するのもひとつの方法です」
エアコン暖房の風向きを「下」にして、快適&節電を実現しよう
「エアコンの設定温度は意識しても、風向きのことは意外と見逃されがち」と、田中さん。でも、これまでのお話にもあったように、風向きが上か下かで暖房効率は変わってしまうことがわかりました。
「何となく使っているとムダが出てしまいがちなので、空気の性質や体感なども考慮して使うことで快適に過ごせます。もちろん、節電にもつながるので、上記のような方法を実践していきたいですね」
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エアコン暖房の風向きについての監修
田中 真紀子(たなか まきこ)
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やweb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。
2024年12月23日 空気
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