在宅勤務で間食が増加!?虫歯や歯周病を正しく予防して歯を健康に
ライター:UP LIFE編集部
2020年5月29日
健康
在宅勤務が増えて、ついついお菓子などの間食が増えた人もいるのではないでしょうか。気になるのは体重ですが、歯の健康にも影響があることは忘れがち。ここでは虫歯や歯周病が出来るメカニズムと、その予防法をご紹介します。
虫歯・歯周病の原因菌は糖分が大好物!?
虫歯や歯周病の原因となる菌、その代表がミュータンス菌です。ミュータンス菌は、食事や間食・おやつなどに含まれる糖分をえさにして増殖。ネバネバの物質を作りながら菌の集合体をつくります。これが歯の表面などでよくみる白い汚れ「プラーク」の正体です。
ミュータンス菌は糖分をえさにして乳酸をつくるため、プラークの中は酸性です。私たちの歯の表面「エナメル質」はこの酸によって溶けてしまいます。これが虫歯のメカニズム。
またプラークにはミュータンス菌のほかにも、たくさんの悪玉細菌が住み着きます。その数は驚くほど多く、プラーク1mgあたり1億個ともいわれています。この悪玉細菌がつくる毒素で歯茎が腫れたり、出血したり、歯の周りの骨が溶かされてしまう病気が歯周病です。
参考:
歯の健康だけでない!?歯周病が全身に与える悪影響
虫歯や歯周病は歯を失う大きな原因の1つ。さらに歯周病を引き起こす毒素は毛細血管を通って全身に広がる可能性があります。そのため歯周病は歯だけでなく、心臓病や糖尿病など、全身の病気との関連が指摘されています。
歯周病ははじめ症状が乏しいため、気づきにくいことも。しかし、40歳以上の約8割が罹患しているとする調査結果もあり※1、日頃からしっかりと予防していきたい病気です。
※1 出典:平成23年歯科疾患実態調査
参考:
虫歯・歯周病を予防する食生活の改善とは?
虫歯や歯周病の予防には、プラークをつくらないことと、プラークをしっかりと取り除くことが大切です。
プラークをつくらないために重要なのは食生活の改善。「よくかむ」「おやつ等の間食は時間を決めて楽しむ」「キシリトールを活用する」の3つを心がけましょう。
かむことでたくさんの唾液が出て、口の中の汚れを洗い流してくれます。また時間を決めずにだらだらと間食を続けることは、いつまでも原因菌が酸を作り続けてしまうことになるので避けましょう。さらにキシリトールを活用すれば、歯の健康を守りながら甘いものを楽しむことができます。キシリトールは砂糖と同じくらいの甘さを持つ甘味料ですが、酸をつくる原因とならないばかりか、原因菌の代表・ミュータンス菌を弱める働きを持っています。
3つすべてをすぐに始めるのは難しいかもしれません。まずは1つ、チャレンジしてみましょう。
参考:
プラークの除去には正しい方法で歯を磨くことが大切!
プラークをしっかりと取り除くには、ていねいな歯磨きが欠かせません。なぜなら、プラークの粘着力はとても強く、うがいだけでは取り除けないから。歯ブラシを使って、丁寧にこすり取る必要があります。
そのため、虫歯や歯周病予防には正しい磨き方を身に付けることが大切です。歯ブラシを歯の根本に直角に当てて、5mm程度の間隔で横に小刻みに動かす「スクラビング法」と、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に向け、45°の角度に当てて横に小刻みに動かす「バス法」の、2つの「ヨコ磨き」がおすすめです。奥歯から前歯、歯の裏側までていねいに磨いていきましょう。
電動歯ブラシを使えば、細かな動きを自動で行ってくれるので、歯磨きの負担を軽減できます。
参考:
歯の磨き方改革を実行して、しっかり予防!
歯磨きは虫歯・歯周病予防に大切なのですが、歯ブラシを使った一般的な手磨きでは、約40%の汚れが残るといわれています※2。なぜなら、歯と歯ぐきのあいだの「歯周ポケット」に汚れが残ってしまうから。そこで、「歯の磨き方改革」を実行しましょう。
歯の磨き方改革とは、歯磨きの「ブラッシング」に加えて、歯間を磨く「フロッシング」と歯周ポケットを磨く「イリゲーション」を行うこと。
フロッシングとはご存知の通り、歯と歯の間の汚れをデンタルフロスで取り除くことです。
一方、イリゲーションはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。これは口腔洗浄機で水を勢いよく流し、歯周ポケットの汚れを洗い流すこと。自宅でも使える口腔洗浄機がありますので、日常のケアに加えるとよいでしょう。
在宅勤務でついつい増えてしまうおやつや間食。体重管理だけでなく歯のケアもしっかりと行って、健康維持に努めましょう。
※2:出典「日本歯科保存学雑誌,48,272(2005)」
2020年5月29日 健康
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