ひざが痛い!痛みの原因と、おうちで出来る対策や運動を解説

監修:柔道整復師 佐々木 純(ささき じゅん)
ライター:UP LIFE編集部
2020年9月8日
健康

階段を上がるときや、正座をするときにひざが痛い…。という方は多いのではないでしょうか。中高年になると、増える悩みの1つがひざの痛みです。実は、その痛みの原因はひざ周りの筋肉の影響かもしれません。今回は痛みの原因と対策の方法をご紹介いたします。

筋肉をつけるとひざの痛みが改善される!?

筋肉をつけるとひざの痛みが改善される!?

私たちが痛みを感じる原因はさまざまです。例えば骨が折れてしまったり、筋肉を傷めてしまったりすると痛みが出ます。この痛みは「炎症」といわれる反応です。この炎症は主に体を治そうとしたり、守ろうとする反応ですが、私たちの体は炎症だけではなく筋肉のバランスが乱れてしまい、スムーズに骨を動かせないときにも痛みを感じることがあります。痛みを改善するためにもバランスの良い筋肉をつけていきましょう。

ひざを見れば年齢がわかる!?

ひざを抑えるイメージ

バランスの良い筋肉がついたひざは、見た目も美しく見えます。一方、歳を重ねるとひざを露出する機会が減っていきますよね。でも要注意。ケアを怠るとひざにも、しわやたるみが出てしまい「ひざ年齢」が上がってしまいます。ここでひざ周りに出来てしまうしわやたるみの原因をみていきましょう。

イラスト:ひざの骨の説明 大腿骨、脛骨、腓骨、膝蓋骨

まず、ひざはももの骨の大腿骨(だいたいこつ)、すねの骨の脛骨(けいこつ)、すねの外側の骨の腓骨(ひこつ)、お皿の骨の膝蓋骨(しつがいこつ)で構成されています。この4つの骨がうまく連動してひざを動かしています。

イラスト:大腿四頭筋、内転筋

そして、ひざ関節は「ももの前の筋肉」である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)や「内ももの筋肉」の内転筋(ないてんきん)などで支えられています。特に「内ももの筋肉」は普段意識しないと動かすことができないので、年齢とともに衰えやすい筋肉です。

また、ひざの断面図を横から確認すると、何層にも分かれています。
筋肉は皮膚や皮下組織を下から土台となり支えているため、筋肉が衰えてしまうと、支えていた皮膚や皮下組織の重みに耐えきれなくなり、しわやたるみが生じてしまいます。

その中でも特にひざの動きに関与しているももの前や内ももの筋肉が衰えるとひざの動きが鈍くなるだけではなく、しわやたるみの原因となってしまいますので日頃のケアが大切です。

ひざの痛みはむくみも原因

ふくらはぎを抑える女性のイメージ

ひざの痛みの原因は筋肉以外にもあります。それは「脚のむくみ」です。
みなさんも長時間同じ姿勢でいると、脚がパンパンに張っていたり、靴下の跡が消えなかったりしませんか?ここからは、なぜむくみが起きてしまうのかをみていきましょう。

体には「リンパ管」というリンパ液を運搬する全身のネットワークがあります。その役割は体内の水分を回収することと、リンパ管の中にあるリンパ節での老廃物のろ過です。リンパ管は日常生活で例えるなら、生活で出た汚水を流す下水道のような働きをします。
ろ過を行うリンパ節は体に複数あり、その中でも脚のむくみに関与するのがひざの裏にある膝窩リンパ節です。このリンパ節が詰まると、脚のむくみや脚の疲労を感じやすくなるだけではなく、ひざ周りの筋肉の動きにも影響が出てしまい、スムーズに動かすことができずに痛みが出てしまいます。

おうちでも出来るセルフケア

体操をする女性のイメージ

痛みを出さないようにするには、3つのポイントがあります。

  • ひざ周りの筋肉を鍛えること。
  • 正しい方向に動かすこと。
  • リンパの流れをよくしてむくみを防ぐこと。

しかし、普段動かさないでいると筋肉が凝り固まってしまい、正しく動かしづらくなっています。まずは準備運動も兼ねて、凝り固まった筋肉を緩めてあげて、最大限動かせる状態にしましょう。
今回は、①ひざの筋肉を緩めるストレッチ、②ももの前の筋肉を鍛えるトレーニング、③ひざ裏マッサージをご紹介します。ぜひチャレンジしてみてください。

ストレッチをする女性のイメージ

①ひざを緩めるストレッチ
やり方は、ひざを曲げて、足首を持ち、ももの前の筋肉を伸ばします。このストレッチを行うことでももの前にある筋肉(大腿四頭筋)を緩めることができます。座って行うと、足首が無理に伸ばされてしまい、痛みが出る場合もあります。もし足首に不安があるひとは立ってどこかにつかまりながら行ってください。
1回30秒を左右2セットずつ。息を止めないで行うことがポイントです。息を止めてしまうと、筋肉を動かすために必要な酸素も送られなくなってしまいます。ストレッチ中は自然な呼吸でゆっくり行ってください。

②座って足を上げる(ももの前の運動)
座った状態でひざを伸ばしももの裏を伸ばします。このときに足の指が外を向いたりせず、まっすぐ向いているかを確認してください。脚の向きが変わってしまうと、狙った筋肉を鍛えることは難しいので、正しいフォームで行いましょう。

イラスト:座った状態と座った状態でひざを伸ばすイメージ

③むくみ対策(ひざ裏マッサージ)
ひざ裏のリンパ節が詰まってむくみを引き起こさないために、ひざ裏を柔らかくしましょう。やり方はひざの裏に指をあてて指圧します。ひざの裏には神経や血管なども走っているので、強く圧を加えると痛めてしまうリスクもあります。
約10秒間圧を加えて、緩めます。その工程を数回繰り返してください。

まとめ

イラスト:膝の後ろを押すイメージ

今回ご紹介したセルフケアは短時間で行えます。毎日少しずつ続けて、いきいきと過ごすために必要な筋肉を維持していきましょう。

監修

写真:佐々木 純(ささき じゅん)さん

佐々木 純(ささき じゅん)

柔道整復師。千葉県内に接骨院開業後、予防医学を広めるために、各地で体操教室を開催。主幹する子供向けのかけっこ教室は走り方だけではなく身体の使い方や怪我の予防まで学べるとあって連日大盛況。身体の専門家として講演やメディア出演なども行い、幅広く活動中。

2020年9月8日 健康

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