【専門医監修】喉・鼻のケアを日頃の習慣に!乾燥の対策をご紹介

監修:髙松 俊輔(たかまつ しゅんすけ)
ライター:UP LIFE編集部
2020年9月11日 健康

喉・鼻は、乾燥・花粉・空調等、日々多くのストレスにさらされています。季節を問わず、喉・鼻の奥を潤すケアを取り入れることで、本来持つ機能を回復させることが期待できます。今回はその効果とケア方法について、喉・鼻の専門家である耳鼻咽喉科の高松先生にお伺いしました。

喉・鼻のケアのタイミングは「症状が出た時」から、「日々の予防」へ

糖尿病や高血圧など生活習慣病の増加に伴い、病気を予防し、より健康的に生きていくための国づくりがすすめられています。健康増進法の制定や健康日本21※の策定などにより、私たち1人1人が自分自身の健康管理や健康増進に関心を持ち、日々を過ごすことが求められているのです。
それに伴って、喉・鼻のケアについても「花粉や乾燥する時期だけすればいい」という考え方から、1年中乾燥・花粉・ウイルス・ホコリなどと闘っている喉・鼻を「日常的にケアしていこう」という予防的な視点へとシフトしてきています。

うがいは毎日欠かさずやっているけれど、何だかスッキリしない…そんなこともあるかもしれません。帰宅後に手を洗いお風呂に入るように、帰宅後に喉・鼻もスッキリ洗い流して休みたいものです。

今回は喉・鼻の奥を潤すことによって得られる効果と、取り入れたいケアについてご紹介します。

喉を抑える女性のイメージ

知っておきたい、喉・鼻にある自浄システム「線毛運動」

まず、喉・鼻の構造と役割について理解しておきましょう。
喉・鼻は呼吸によって取り入れた空気が通る重要な器官です。空気中に含まれているホコリや花粉など、呼吸には不必要な異物を気管や肺に送らないようせきとめる役割を、喉の奥にある線毛というわずか1μm(1000分の1ミリ)の繊維状の突起が担っています。

イラスト:線毛のイメージ 菌・ウイルス、ほこり、花粉などをせきとめる線毛。線毛運動により異物を体外へ。せきや痰により排出する。

この線毛には、花粉や雑菌などの異物が入ってきても、1秒間に15~17回程度の速さで小刻みに動いて(線毛運動)、その異物を外に排出させる働きが備わっており、気管や肺への侵入を防いでいます。しかし、乾燥などによってその働きが弱まると、機能を十分発揮できず、喉・鼻の不快感や違和感につながります。また、ウイルスが体内に侵入しやすくなり、感染症を引き起こす可能性もあります。

このように、喉・鼻は最前線で外敵から身体を守ってくれているのです。

日常生活が与える、喉・鼻へのダメージ

日常生活において、喉・鼻が受けるダメージにはどのようなものがあるでしょうか?

ホコリ・花粉・ウイルス

空気中に浮遊するホコリ・花粉・ウイルスは、喉・鼻にとってやっかいなもの。特に不特定多数の人が集まる場所では多くのホコリ等を吸い込んでしまい、ダメージを受けます。

冬場および夏場の空調による乾燥

冬場のエアコン使用による乾燥は、現代に生きる上でもはや避けられないものといえるでしょう。しかし、乾燥した空気を吸い込んでも、鼻の粘膜によって加湿される自己防衛機能が備わっています。とはいえ、1日中乾燥した場所で過ごすことは、喉・鼻にとって強いストレスを与えることになります。
また、湿度の高い夏場でも、エアコンの風を受けやすい所にいると、喉・鼻の乾燥の原因になります。

仕事等の日常生活にも影響

空気中に浮遊する異物や乾燥状態によって受けた影響は、喉・鼻にとどまらず、感染を引き起こすと、風邪をひいたり、皮膚トラブルが起きたりといった具合に全身に影響を及ぼすこともあります。これらは日常生活にも支障を来すことがあるため、日々の予防的なケアが重要と言えます。

ティッシュで鼻を抑える男女のイメージ

大切にしたい、喉・鼻の奥!

ここで、普段私たちが行っている喉・鼻のケアについて改めて考えてみましょう。

うがい

最も身近なケア方法の1つです。外出から帰った時に欠かせないがうがいは、手軽にできるケアとして習慣化している方も多いことでしょう。1日外気に触れた喉・鼻の奥には、多くのホコリや花粉・ウイルスなどが入り込んでいますが、通常のうがいでは、喉・鼻の奥まで水を送り込むことができないため、侵入・付着したホコリや花粉・ウイルスなどを洗い流すことが困難なのです。

また、乾燥によって喉・鼻の粘膜が傷ついてしまい、線毛運動が低下している可能性もあります。喉・鼻が十分潤っていれば、鼻水や痰などとしてホコリなどが外へと排泄されますが、そうでない場合は喉・鼻にとどまりやすくなってしまうのです。

うがいをする女性のイメージ

湿度調節

加湿器等を使った部屋の中の加湿や、濡れたタオルの部屋干し、また、浴室の蒸気も有効です。特に、室内を快適な湿度に保つことは、喉・鼻のストレスを軽減させることにもつながります。 また、新しい生活様式として定着してきた毎日のマスクも、喉・鼻の保湿やホコリ等の侵入を防ぐ効果があります。
さらに、健康維持として、バランスのとれた食事や良質な睡眠も積極的に意識したいものです。

しかし、これらすべてのケアを実践しても、喉・鼻の奥にある喉頭や気管を潤すことは難しいのが現状です。

おうちでできる、喉・鼻の奥を潤すケアで乾燥対策

どうすれば、喉・鼻の奥まで潤すケアが可能になるのでしょうか?日常生活の中で手軽に取り入れられる方法について考えてみましょう。

喉・鼻の奥を潤すことは、線毛運動を活性化させ、ホコリや花粉・ウイルスが付着しにくくなることにつながります。喉・鼻の奥まで潤すためのキーワードはお風呂の湯気などの「スチーム」。これを意識して生活の中に取り入れていくことで効果的に潤すことができます。

うがいとの違いは?

スチームのメリットは、細かい粒子によって、うがいでは届かない喉頭や気管まで加湿でき、喉・鼻の奥を直接潤せることにあります。鼻の奥が気になるという場合は、加湿器の設置やお風呂の蒸気を意識的に吸う、蒸しタオルを顔にあてるなどを意識して取り入れ、喉・鼻が潤う環境を整えることが重要です。

お風呂に入ってゆっくりする女性のイメージ

入浴後に鼻の通りが改善された経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、それはお風呂で血流が良くなり、鼻粘膜の腫れが取れたことと、温かい湯気を吸い込むことで、鼻の内側に湿り気が出て、付着している異物を排出しやすくなるためです。

サッとシャワーで済ませがちな方も、お湯をはった湯船にゆっくり浸かって意識的に鼻から湯気を吸い込むことで、心も身体も、喉・鼻も、リラックスできるひとときとなります。また、湯気が立つような温かい食事も、胃袋だけでなく喉・鼻を潤してくれます。

直接アプローチすることが難しい鼻のケアには、このようなスチームを活用したケアを取り入れてみてはいかがでしょうか?

喉・鼻が快適な生活を手に入れよう

1日を通してホコリや乾燥などと闘った喉・鼻をスチームの活用によって潤すことでその機能を回復させ、明日も外敵から守る役割を発揮できるよう備えたいものです。私たちの健康は、私たち自身が行う日々のケアの積み重ねによって得られます。喉・鼻のケアも例外ではありません。スチームを味方につけた新習慣を取り入れて、これからの日常をより快適に、そして健康的なものにしていきましょう。

まとめ

今回は喉・鼻をの奥を潤すことで得られる効果と、取り入れたい新習慣についてご紹介しました。乾燥が顕著な冬や花粉の季節だけでなく、常に外部からの刺激にさらされている喉・鼻を、毎日のケアで守り、より快適な日常生活を過ごしていきたいですね。

写真:髙松 俊輔(たかまつ しゅんすけ)さん

監修:髙松 俊輔(たかまつ しゅんすけ)

医療法人社団翔和仁誠会 理事長・医師(日本耳鼻咽喉科学会認定専門医) 国立山梨医科大学(現山梨大学)卒業後、東京大学耳鼻咽喉科学教室に入局。その後、東大附属病院にて一般外来の他、鼻の専門外来、レーザー治療、顔面神経の専門外来を担当。2002年3月の「たかまつ耳鼻咽喉科クリニック」開院を皮切りに、現在、東京・神奈川において耳鼻咽喉科サージセンター等15医院を運営。アジア地域での定期的な出張診療を行うなど、活躍の場を海外にも拡大している。

2020年9月11日 健康

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