産後ケアの間違い!骨盤はゆがまない!おしりの深層筋ケアで、腰痛改善
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監修:山崎 愛美(やまざき かなみ)
ライター:UP LIFE編集部
2023年2月17日
健康
産後の身体におも〜くのしかかる腰痛。休むひまのない育児で、わが子を抱いた重みがグッと腰にくるという方も多いはず。
今回は、産後の腰痛対策について、理学療法士の山崎 愛美先生にお聞きしました!
骨盤はゆがまない!産前産後のウソ・ホント
![写真:女性が腰をおさえているイメージ](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_666222344/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715839215670/img01.jpeg)
妊娠によって身体のバランスが変化し、“骨盤がゆがむ”。
よく聞く話ではありますが、本当に骨盤はゆがむのでしょうか?
「解剖学的に考えて、骨盤がゆがむということはありません。ただ、妊娠・出産で骨盤が前後左右に“傾く”ことはあります。骨盤は周囲の筋肉のバランスによって位置が保たれているので、腹部が変化する出産は骨盤周りのトラブルにつながりやすいのです。
妊娠中の重心の変化や、産後の筋肉バランスの違いによって骨盤が傾くと、関節に負荷がかかり、結果的に腰痛や肩こりなどさまざまな痛み・不快感につながっていきます」。
背中、おなか、そして「おしり」!骨盤を支える3つの筋肉に注意
骨盤の位置は、大きくわけて背中、おなか、おしりの3つの筋肉のバランスで保たれているそう。妊娠・出産でこれらの筋肉は大きな変化を受けると山崎先生は話します。
「おなかの筋肉は妊娠中に引き伸ばされることが多く、多くの人が産後も戻りにくいんです。また、おなかが大きくなることで、体幹にあたる背中やおしりの筋肉に多大な影響も。身体のバランスの変化で姿勢が崩れて背中やおしりに負荷がかかると当然、筋肉は硬くなっていきます。特におしりは、表面だけでなく内部の深層筋まで硬くなってしまうことも。そうなってしまえば赤ちゃんのお世話が大変な時期に、お母さんのQOLが下がった状態で面倒を見ることにもなりかねません」。
大切なのは、“おしり”だった!おしり筋の硬さチェック
![写真:ヨガウェアの女性のイメージ](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_1210132556/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715839397053/img02.jpeg)
おなかの筋肉の復旧具合や、背中の硬さはなんとなく意識できるものの、おしりの硬さに至っては自覚が難しい、という人もいるかもしれません。山崎先生におしりの筋肉のチェック方法を教えてもらいました。
あなたのおしりは大丈夫?おしり筋の硬さチェック!
さっそくチェックしてみましょう!
- おしりのエクボ部分(おしり上部の2つの凹み)を親指で押すと、硬さや痛みがある
![おしりのエクボを親指で押しているイラスト](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_800084015/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715839526322/img03.jpeg)
- 仰向けに寝て、片側ずつ順に膝を胸に抱えたときに、左右で股関節の曲げやすさに差がある。また、おしりにつっぱるような張りがある
![仰向けに寝て、片側の膝を胸に抱えたイラスト](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_1277114740/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715849264273/img04.jpeg)
- 仰向けに寝て両膝を立て、左右に倒すと、倒しやすさに差がある。また、おしりが突っ張るかんじがする
- 仰向けに寝て片膝を立てた太もも部分に、もう一方の外くるぶしをつけ胸の方に引くと、おしりに痛みや突っ張りがある(両側の足で確認)
![仰向けに寝て片膝を立てた太もも部分に、もう一方の外くるぶしをつけ胸の方に引くイラスト、](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_123708802/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715849363270/img05.jpeg)
上記4つの項目のうち、1つでもチェックが入れば、おしり筋が硬くなっているかもしれません。
「おしりの筋肉は、表面の筋肉と深い部分にある深層筋でできていて、これらは放っておくと奥の方まで凝り固まってしまう可能性があります。背中やおなかの筋肉のケアも大切ですが、なるべくこまめにチェックし、ケアできるとよいかもしれません。また、おしりの筋肉の硬さから、坐骨神経痛などに発展し、長時間座ったり、寝返りのたびに腰痛を感じるようになってしまうこともあるので、要注意です」。
それでは、おしりの硬さを解消するためには、どうしたらよいのでしょうか?
速攻!おしり筋ケア「4ステップ」で、産後の腰痛ストレッチ
![写真:子供と女性がストレッチをしているイメージ](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_409422345/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715849524490/img06.jpeg)
忙しい育児生活の中で、自分のケアをするのは、至難の技。山崎先生は、赤ちゃんのためにも“動ける身体”づくりは、今後何年にも渡って重要だと話します。時間がなくてもできる、時短&簡単ストレッチを教えてもらいました。
おしり筋ケア「4ステップ」
- 仰向けに寝て足を伸ばし、両足でバイバイをするように左右に細かく動かす。この時に、足のつけ根に手を置き、足を揺らしたときに骨全体がユラユラ動いているかチェックしながら行う
![仰向けに寝て足を伸ばし、両足でバイバイをするように左右に細かく動かすイラスト](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_1394344025/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715849728623/img07.jpeg)
- 仰向けに寝て、左右の膝を順番に胸に抱える。その後、片膝を立てた太もも部分に、もう一方足の外くるぶしをつけ、胸の方に引く動作を左右で繰り返す
![仰向けに寝て、左右の膝を順番に胸に抱えるイラスト](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_903624679/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715849869648/img08.jpeg)
- 四つん這いの姿勢から、両手を前方の床についた状態で、おしりをぐーっと後ろに引く
![四つん這いの姿勢から、両手を前方の床についた状態で、おしりをぐーっと後ろに引くイラスト](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_1882107514/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715849932753/img09.jpeg)
- 2の姿勢から四つん這いに戻り、背中はできるだけまっすぐに保ちながら骨盤(腰から下だけ)をゆっくり反らしたあと、丸めていく。この時に、膝から下が内側に寄ったり外に広がったりしないよう注意する
![お尻の穴を上に向ける お尻の穴を下に向ける](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_977293466/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1715849997001/img10.jpeg)
「ストレッチは、入浴後がおすすめ。じっくりと入浴の時間がとれない場合は、身体を冷やさない格好で行いましょう。また、疲れていたり時間がなくてどうしてもストレッチができない場合は、マッサージ機器を使うのもおすすめです。中でも強すぎず、ゆったりとした刺激のあるものだと、尚良いですね!」。
山崎先生によると、おしりの筋肉は普段の生活で十分に動かすことはほとんどないとのこと。動かさないことが続けば、脂肪がつき、冬場のように外気温が冷えれば、おしりや腰の冷えにもつながります。入浴やマッサージ、ストレッチで血行促進し温めていくことが何よりも大切なのです。
おしり筋のケアは、ママと赤ちゃんの笑顔につながる!
山崎先生は、大切な赤ちゃんとの時間を充実したものにするためにも、ママの身体のケアこそが大切だと話します。
「特に産後は赤ちゃんのお世話に気が向きがちで、自分の身体は二の次になってしまうかもしれません。でも赤ちゃんにとって大切なのは、ママの笑顔。赤ちゃんのためにも、少しでもリフレッシュしていただきたいです。
育児は大変ですし、時には塞ぎこみたくなるようなこともあるかもしれません。でも、身体が動けば、気分も少しずつ上がっていくはず。育児は長期戦ですから、ぜひ、動ける身体をつくっていただきたいです!」。
監修
![写真:山崎 愛美(やまざき かなみ)さん](/content/panasonic/jp/ja/life/health/160065/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_518695777_c_566780771/item_1686028396685/c_lay002/c_lay001_copy/item/c_lay002/c_gen003_copy.coreimg.jpeg/1715850276347/yamasaki-kanami.jpeg)
山崎 愛美(やまざき かなみ)
理学療法士。産後リハビリテーション研究会代表。海外で行われている産前産後の母親に対するリハビリテーションに感銘を受け、医療職に向けた産前産後の母体へのリハビリを提案する「産後リハビリテーション研究会」を立ち上げる。川崎市を拠点とする「Woman’s Body Labo」も主宰。助産雑誌「ウィメンズ運動療法」(医歯薬出版)の執筆や、「たまごクラブ」(ベネッセコーポレーション)の監修も。
2023年2月17日 健康
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