足のむくみはふくらはぎが重要!むくみを改善して、足を軽くするリンパマッサージ

監修:渡辺 佳子(わたなべ けいこ)
ライター:UP LIFE編集部
2023年7月5日
健康

1日の終わりには、足がパンパン!いつも足が重だるい気がする…。足のむくみは、生活の質を左右するほど影響が大きいと考える人も少なくありません。今回は足のむくみの改善方法を、銀座ナチュラルタイムグループ総院長の渡辺 佳子先生に教えてもらいました!

足のむくみはなぜ起こる?むくみの原因とメカニズム

写真:女性がふくらはぎを触っているイメージ

そもそもむくみとは、どのように起こるものでしょうか?

「むくみは、身体に蓄積された老廃物と水分です。これらは血行不良やリンパの流れが悪くなることが原因です。血行やリンパの流れが悪くなりやすいのは、長時間の同じ姿勢や筋肉のコリ、運動不足や栄養の偏りなどが一因であると考えられています」と渡辺先生。

通常、動脈や静脈と毛細血管で、栄養と老廃物の行き来を行っていますが、運動や栄養の不足、同じ姿勢が続くと老廃物の排出が血管からも、リンパ管からも行うことができず、水分とともに身体に蓄積してしまいます。特にリンパ管の流れは血管と比べて遅く、身体中を一周するのに個人差はありますが、8時間〜12時間かかります。リンパの流れが停滞すれば、老廃物はどんどん蓄積し、むくみへとつながっていくのです。

足でもむくみを感じやすいふくらはぎ

足のむくみといえばふくらはぎ!といえるほど、多くの人が悩む「ふくらはぎのむくみ」。このふくらはぎにある筋肉は、心臓から送り出された血液をまた心臓へ戻すためのポンプの役割を果たしています。ふくらはぎの筋肉を適度に動かす運動習慣が必要ですが、デスクワークや立ち仕事など、同じ姿勢で長時間過ごすことが多い方は、どうしてもむくみやすいもの。

血液やリンパの流れを改善し、必要な運動や栄養素をとることがむくみ改善の第一歩ですが、具体的にどのようにしたらよいのでしょうか?それにはまず、自分のむくみの状態を知ることが大切です。

知っておきたい!「むくみのサイン」

写真:アキレス腱のイメージ

足のむくみは、夕方の足の重さやだるさなどの自覚症状があることも多い一方で、病気ではないのですが慢性的なむくみで自覚しにくい場合もあるといいます。まずは自分がむくんでいるか以下のチェックリストで確認してみましょう。

<むくみのチェックリスト>

足の「むくみのサイン」を確認しましょう!

  • アキレス腱がぼんやりして、スッと浮き出ていない
  • ふくらはぎが太い
  • 太ももの間に隙間がない
  • 靴下の跡が消えにくい
  • 最近、靴がきつくなった
  • くるぶしの形がくっきりと浮き出ていない
  • 足を押すと跡が残る
  • 下半身が全体的にブヨブヨしている
  • ひざの上のぜい肉がたるんでいる
  • ひざ裏が盛り上がっている

当てはまる項目が多いほど、足がむくんでいる可能性があります。

また上記以外にも、筋肉量の違いで女性は男性よりもむくみやすい傾向にあります。さらに前述の長時間同じ姿勢でいる人や、それ以外にも甘いものや塩辛いものを好む人、水分をとりすぎてしまう方、運動不足の方もむくみやすい傾向があります。

「女性は、生理前やその期間中もむくみやすいです。あとはアルコールが好きな人、下半身が冷えている方も注意が必要です。臨床経験から、むくみとメンタルの関係も気になります。 」

足のむくみの影に内臓疾患などが隠れている場合も!

足のむくみの中には、病気が隠れている場合もあります。心臓や肝臓、腎臓に病気がある場合には、むくみが強く出る場合や症状がつづくケースがあります。小さな症状も見逃さず、心配なことは専門家または、医療機関に相談することも大切です。

足のむくみを改善するふくらはぎマッサージ

写真:女性がふくらはぎを触っているイメージ

多忙な生活の中で、足のむくみを改善するには、ふくらはぎを中心にしたリンパマッサージが有効です。短い時間で誰でも簡単にできる足のリンパマッサージを渡辺先生に教えてもらいました。

足のむくみ改善!リンパマッサージ3タイプ ふくらはぎをほぐし、リンパを流して、足から健康に!

  1. 足全体をさするようにマッサージする
足全体をさするようにマッサージするイメージ図

【マッサージ方法】

①片膝を立てて、両手で足首を包む
②包んだ両手を左右に交互に動かしながら、足の付け根までさすり上げるようにマッサージする
➂反対側も行う。片足1分ずつが目安

  1. ふくらはぎをにぎるようにマッサージする
ふくらはぎをにぎるようにマッサージするイメージ図

【マッサージ方法】

①両手の親指を下に向け、残りの両手指でふくらはぎ全体をつかむ
②そのまま両手に体重をしっかりのせ、にぎるようにして位置を変えながらまんべんなく押していく
③反対側の足も同様に、片足1分ずつ行う

  1. くぼませた手のひらで足全体からお腹をたたく
くぼませた手のひらで足全体からお腹をたたくイメージ図

【マッサージ方法】

①手のひらの中央を軽くくぼませ、両足の皮膚に手を密着させて全体をパタパタとたたく
②両足が終わったら、お腹全体をまんべんなくたたく
③各部位1分ずつ行う

上記の3つのマッサージは、ふくらはぎを中心に、足全体に働きかけるものです。マッサージをするときは、手のひらや指が身体の部位にしっかり密着するように注意しましょう。また、マッサージがイラストなどと逆方向にならないように。末端から身体の中央に向かっておこないましょう。力の入れすぎもNG。強すぎると筋肉が緊張して逆効果です。

マッサージはお風呂上がりなど、身体があたたまったときに行うのがさらに良いそう。また、オイルなどをつけて行うと肌を傷つけません。毎日の習慣にすると、足全体が軽く、気持ちも楽になるのです。

仕上げにマッサージグッズを使用するのもOK!

日々のセルフケアを行っていくのは、とても大変かもしれません。つい面倒になってしまうこともあると思います。そんな時は、マッサージのお助けグッズを取り入れるのもよいでしょう。部分的なケアを行うグッズもありますが、むくみには足全体のケアができるようなものがおすすめです。

「むくみは身体の滞り。その前提には気持ちの滞りもあるかもしれません。ふだんの考え方も身体に影響を与えると思います。健康で素敵な毎日を過ごすためにも、ふくらはぎのむくみのマッサージからスタートして、身体のケアを始めましょう!毎日、少しずつ行うことで、きっと輝く人生につながっていきます。」


【リンパマッサージをはじめる前の注意点】
マッサージは食後2時間以内や飲酒後は控え、皮膚に傷や湿疹があるときや、病気やケガ、腫れがある場合、妊娠の可能性があるときや妊娠初期は避けましょう(妊娠中期以降は専門家に相談を)。効果を上げるためにも、清潔な肌に直接施し、オイルやボディジェルを使うのがおすすめ。また、身体のバランスを考え、左右・上下など同じ回数を行いましょう。継続しても効果がない場合は、専門家へ相談しましょう。

監修

写真:渡辺 佳子(わたなべ けいこ)さん

渡辺 佳子(わたなべ けいこ)

銀座ナチュラルタイムグループ総院長、社団法人経絡リンパマッサージ協会代表理事。東京医療専門学校教員養成科マッサージ臨床学講師。現在、「銀座マロニエ通り治療院」、「銀座ナチュラルタイムテラピーセンター」、「銀座ルーチェ治療室」、「銀座ナチュラルタイム治療院」、「ナチュラルタイム銀座」、「銀座ナチュラルタイムSPA治療院」、「ハウスオブナチュラルタイム銀座」、「銀座ナチュラルスタイル」などを統括。経絡リンパマッサージのパイオニアとして知られ、業界のプロを育成する教員の養成も行っている。テレビ、雑誌、ラジオ等の出演から、書籍の監修執筆まで幅広く活動。これまでに携わった書籍は70冊以上、雑誌に至っては1000冊を越える。“美を健康の最上級”に掲げ、身体の痛み、体調改善からダイエットまで、さまざまな悩みに応えているだけでなく、その方の人生の応援をしている。

2023年7月5日 健康

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